メジャー・デビュー以来所属していたビクターからの最終アルバム『COSMOS』。
極彩色ROCKと称される収録楽曲は、まさしく暗黒世界だけでなく
BUCK-TICKの可能性を最大限に広げて創造された“小宇宙”のようだ。

Maria
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
キャンディ
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
チョコレート
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:星野英彦 / 編曲:BUCK-TICK)
SANE
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
Tight Rope
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
idol
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
Living on the Net
 (作詞・作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
Foolish
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
IN
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:星野英彦 / 編曲:BUCK-TICK)
Ash-ra
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
COSMOS
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)

前作の超大作『Six/Nine』からしてみるとシンプルでコンパクトに感じるが、
この後、ライヴでも活躍する秀作揃いと言える。
特に、「キャンディ」とシングル候補を争った「Ash-ra」のビート感。
『Six/Nine』コンセプトの“表裏一体”をもじった「SANE」「IN」。
「鼓動」から受け継いだ、破滅そしてそこからの生命という感動的な流れを示唆する「idol」。
BT流ピップホップ「Living on the Net」の今井ドレッド・ワールド。
浮遊感タップリに宇宙空間を泳ぐような「Tight Rope」「COSMOS」と
どの楽曲を取ってもキャッチーと一言だけではまとめられない
BUCK-TICK独自のバラエティーに富んだ素晴らしい出来だ。

この『COSMOS』時代はレコード会社の移籍に絡んでか、【CHAOS 1996 TOUR】並びに
楽曲の映像も少ないのが悩みの種であるが、ライヴでは特に今井寿の被り物が話題になっていた。
現代の“カブキ者”としてのパフォーマンスであろうが、
硬質な感じの『Six/Nine』時とは、反転していて清々しい。
樋口“U-TA”豊も、今回のアルバム楽曲となら、初期楽曲を並べて演奏しても違和感がないと、
ライヴへの意欲を語っている。

アルバムタイトルとなっている『COSMOS』は、
「コスモスの花」と「秩序・宇宙」のダブル・ミーニングとされる。
歌詞カードの上下に配置されている細長い模様は、
斜めから見るとある文字が浮かび上がるという、ちょっとした仕掛けが隠されている。


jrock14-bt-1
『jrock14-bt-1』



キャンディ
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)


僕の箱庭にキャンディ しきつめて
「これが君だよ」と 優しく微笑みかける

ああ 何もない この地球にただひとり
愛する人が見えた この地球に

君は名前をLove you そう告げた
何も欲しくない 全ては目の前にある

ああ 手足を目を無くし 心が
あなたの胸に触れた その胸に

僕はいきたい 神の導くままに さあ ふたりだけで 突き抜ける

黒の悪魔が 愛 呑み込んだ
目には見えない 全てを真実とした

ああ 何もない この地球に
そう真っ赤な 花が一輪 咲いた この地球に
そう真っ赤な 花が一輪 咲いた この地球に

僕は見たい 神が微笑む場所を さあ向こう側へ
君といきたい 神の導くままに さあ ふたりだけで 突き抜ける
突き抜ける 突き抜ける 突き抜ける ・・・