市川哲史「にしても、“キャンディー”のリフ好きだな俺」

櫻井敦司「今井の笑い声にそっくりの(笑)」

         音楽情報誌『音楽と人』1996年7月号より




1996年5月22日、ビクターからは最終のシングル盤「キャンディ」がリリースされた。

1995年12月1日に、それまでにリリースしたシングル楽曲を収録した
ベストアルバム『CATALOGUE1987ー1995』を発売。
BUCK-TICKは、超大作『Six/Nine』である程度ミュージシャンとしてのエゴを満足させ、
次はレコード会社ビクターの趣向によるベストアルバムの作成でバランスを取ったと言える。
このシングル集もオリコン初登場8位獲得。
同時発売のヴィデオクリップ集【CATALOGUE1987ー1995】もオリコン初登場第3位を獲得している。

リスナーはまたもや『Six/Nine』の生々しいまでの衝撃的新作と、
それまでのBUCK-TICKの軌跡とのギャップをバランス良く楽しんだという訳だ。

1996年に入り2月、BUCK-TICKは 新事務所【BANKER】設立。
同時に前事務所時代のファンクラブ【バクチククラブ】を終了させ、
新たにアルバム『Six/Nine』収録の今井寿メインヴォーカル
「相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり」から命名された
ファンクラブ【FISH TANK】発足させた。
【BANKER】【FISH TANK】ともに命名は今井寿。
【FISH TANK】は「何か、金魚鉢の中に魚が一杯いて、共通の目的がある…みたいな」
という意味で名づけられた。
新事務所【BANKER】には、ヤガミトールが社長として就任した。

魂の叫びとも言えるアルバム『Six/Nine』を完成させたBUCK-TICKは、
【Somewhere Nowhere 1995】のライヴツアーも充実のパフォーマンスで終了。
心機一転、新作アルバムの制作に入る。

待望のニュー・シングル「キャンディ」は、新作アルバム『COSMOS』の先行シングルとなり、
オリコン初登場第6位を獲得。

映像の「キャンディ」ヴィデオクリップはGUNIW TOOLSの古川ともが監督した。
最初に登場する犬は「BJ」。
※BJ=今井寿のペットのビーグル犬。ちなみにブラックジャックの略。


oth32-bt-2
『oth32-bt-2』



キャンディ
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)


僕の箱庭にキャンディ しきつめて
「これが君だよ」と 優しく微笑みかける

ああ 何もない この地球にただひとり
愛する人が見えた この地球に

君は名前をLove you そう告げた
何も欲しくない 全ては目の前にある

ああ 手足を目を無くし 心が
あなたの胸に触れた その胸に

僕はいきたい 神の導くままに さあ ふたりだけで 突き抜ける

黒の悪魔が 愛 呑み込んだ
目には見えない 全てを真実とした

ああ 何もない この地球に
そう真っ赤な 花が一輪 咲いた この地球に
そう真っ赤な 花が一輪 咲いた この地球に

僕は見たい 神が微笑む場所を さあ向こう側へ
君といきたい 神の導くままに さあ ふたりだけで 突き抜ける
突き抜ける 突き抜ける 突き抜ける ・・・