超大作アルバム『Six/Nine』も終盤に差し掛かり、
活動再開の3か月連続リリースの先頭を切って発表された「唄」がここに来る。
この手法は、アルバム『惡の華』での先行シングル「惡の華」の曲順を思わせる。
遠大な『Six/Nine』の世界観に泳ぎ疲れたら、そこにBUCK-TICKロックが待ち受けているだ。
この“感覚”なんだ!! 僕たちが求めていたものは…!
【新作完全再生劇場版】でのヴィデオクリップは、
シングル『唄』発表時のBUCK-TICKコスプレ・パフォーマンスの合間に、
挿入されていたnexus versionの完全版である。
本編では、コスプレの仮面でほとんど素顔を見せてくれないメンバーが、
本格グランジ・ロックに挑んだ「唄」をパフォーマンスするのだ。
まさにBTファンの欲望を叶えたヴィデオになっている。
暗闇から伸びる櫻井敦司の腕に魂を捕えられそうになる。
『Six/Nine』を通して聴いたリスナーは、恐らく、上げられらり下げられたり、
時には、捻じられたり、封じ込められたりしながら、
自分は、こんな現代に生きながら、まだ…こんなにも感情を揺さぶることが出来たのか?
と自己認知を深めながらこの“長いトンネルのような”「Loop」を潜り抜けてきたが、
この「唄」に至り、やっぱり羨望していたのは、このBTサウンドだった!と気付くのだ。
“ロックとはなんぞや?”という陳腐な質問の答えは、
ひょっとするとこういった「やっぱり!コレだった!!」という気付きにあるのかも知れない。
また彼らをして、自ら苦悩させられるロックこそが、
「熱い皮膚の裂け目 吹き出すこの愛」そのものであり、
アルバム『Six/Nine』のメインテーマ“生命”そのものであった。
そういった観点から見ても様々な要素の凝縮された『Six/Nine』の
先行シングルが「唄」であったのは正しい。

『bp113-bt-ad1』
唄
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
どうして生きているのか この俺は
そうだ狂いだしたい 生きてる証が欲しい
神経は落ちてくばかりで 鼓動はずっとあばれ出しそうだ
深い森に迷い お前の名を呼ぶ
逃げ出すことも出来ない 立ち止まることも知らない
聞いてくれこの声 お前を愛しているのに
抱いて慰めてくれ そう甘く
だめだ溺れてしまう 優しい君の中
誰も泣きたいはずだろ 優しくきっとされたいはずさ
熱い肉の軋み お前にこの愛
生きる事はできる 消えていくすべを知らない
この手伸ばしている お前を愛しているのに
ああ この世で美しく ああ 限りないこの命
ああ この世で激しく ああ 燃えろよこの命
どうして生かされてるのか この俺は
そうだ叫びだしたい 生きてる証が欲しい
神経は落ちてくばかりで 鼓動はずっとあばれ出しそうだ
熱い皮膚の裂け目 吹き出すこの愛
消える事はできる 生きてゆく意味知らない
この手伸ばしている
逃げ出す事もできない 立ち止まる事も知らない
聞いてくれこの声 お前を愛しているのに
ああ この世で美しく ああ 限りないこの命
ああ この世で激しく ああ 燃えろよこの命
