僕達は何処から来て何処へ向かっているのだろう?
「Somewhere Nowhere」は『Six/Nine』レコーディングの最後に録られたSE。
トラックダウン直前になって今井寿が即興で作り出したと言われている。
その経緯はどんなものだったのだろう?
以下、B・PASS誌より抜粋。
●ふむ。そういう色んな意味を含めて本作(『Six/Nine』)は、最初に言ったように突き抜けた感がありますが、
図らずも「Somewhere Nowhere」の中のセリフの
“分かったぜ、こっちだ!”というセリフが凄く象徴的な感じがするんですけど。
櫻井「これは今井ちゃんが」
●今井ちゃん(笑)
(【注】この当時のみ櫻井だけが、何故か今井寿を“今井ちゃん”と呼んでいた。どのメディアでも・・・)
櫻井「今井ちゃんが(笑)、このタイトルというか、キーワード出して。
どこか、どこでもない、ここでもない、どこかというか・・・・・・う~ん、
最後の音入れというかダビングだったんですよ。え~と、お任せだったんだっけ?」
今井「そう、最初はその言葉だけだったんだけど、
話をしてて、あ、日本語の方がいいかなと思って、どこだ、どこでもないって感じで。
こっちだとか、アドリブっぽく。
最後は抜けるというアイデアが出てきて。
で、そのまま一発で録れたから」
●でも、かなりインパクトはありますよ。これは。
櫻井「やっぱり(レコーディングの)一番最後だったので、
そういう抜けた感じが大きく出たんじゃないかなって思ってます」
以上、抜粋。
『Six/Nine』完成後のメンバーの感想は一様に、「突き抜けた」「やり遂げた」
という達成感がまずあがった。
それをマニピュレーターの横山和俊と今井寿でSEに込めたのが「Somewhere Nowhere」だった。
作詞も珍しく今井&櫻井の共作で、アイデアを今井寿が出し、櫻井敦司のアドリブで完成を見た。
アルバムも中盤に差し掛かった曲順で、折り返し地点となる今井寿の傑作
「相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり」のSEともされ、
この楽曲を中心に対称に曲順が構成されたと噂された『Six/Nine』のもうひとつの主題が、
「Somewhere Nowhere」であり、1995年のライヴツアーのタイトルにも採用された。
同じSE的な役割の「Loop」「Loop MARKⅡ」の“輪廻”とは表裏一体、
“混沌”(カオス)が充満しているこの世界に、一線の光りが見えた。
そう、どんなに長いトンネルにも出口はあるのだ。
映像のヴィデオクリップも象徴的で、上下左右に揺れる視線が、
やがて催眠術を懸けるような「相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり」の
クリップの導入部へと誘っていく。
コンセプトアルバム『Six/Nine』の完成度の高さ再認識させられる瞬間だ。

『bp113-bt-2』
Somewhere Nowhere
(作詞:今井寿・櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:今井寿・横山和俊)
何処だ・・
何処なんだよ・・・
どっちだ!?
チェッ!
・・・わからねぇ・・・
完全に迷った、クソッ
ドッチダ・・・
寒い・・・・
どうすればいい・・・
ドッチダココハ・・・ココハドコダ
ドッチダ・・・
何処だ・・・
ダレカ・・・
誰か・・・!
ああ、もしかして・・・
もしかして・・・?
わかったぜ!
コッチだ!!
