1995年5月15日に3ヶ月連続リリースの最期を飾ったアルバム『Six/Nine』は、
その長大な内容とは裏腹に、久々にオリコン初登場第1位に輝いたのだ!
その翌日の5月16日よりBUCK-TICKはライヴツアー【Somewhere Nowhere 1995】を開始している。
【Somewhere Nowhere 1995】ライヴツアー中の9月21日に、
シングル盤「見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ」はリリースされた。
また同時期に諸事情により回収騒ぎとなったアルバム『Six/Nine』とシングル盤『鼓動』が
再発売となっている。
※諸事情については後の記す予定。
通算11枚目のシングル楽曲となる「見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ」は、
本来はシングル・カットの予定はなかったが、
ヴォーカリスト櫻井敦司の熱望によってシングルカットされた。
シングル盤とアルバム収録ヴァージョンは、「唄」「鼓動」と違いほぼ同じミックスであったが、
イントロの語り部分を含めて全編歌詞が変更されている。
発売とほぼ同時に回収、そして廃盤となった『Six/Nine』は、
ライヴ以外の方法では、BUCK-TICKを鑑賞出来ないファン達にとって更に価値が高まったと同時に、
その姿も、以前のようにTV等のマスメディアに露出されないBUCK-TICK需要の最中であり、
ファンは誰もが彼等の姿を見たいと感じていただろう。
その心理を逆手に取るように、このシングル盤「見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ」の
ヴィデオクリップは製作されていた。
この哲学的なロックソングを奏でるBUCK-TICKは、シルエット加工された映像で、
メンバーは全員デスマスク状態!その姿を隠してしまったのだ。
これこそ脱ヴィジュアルの“反骨精神”の一部とも取れよう。
あくまでも“楽曲”で勝負するという今回のコンセプトであったかもしれない。
しかし、どこまでも天邪鬼な彼等は、反対にヴィジュアル全盛期の『惡の華』以来の
アルバム『Six/Nine』全曲のヴィデオクリップ化も実行していた。
これは全国7箇所で行われたフィルムギグ【新作完全再生劇場版】用に製作されたものであったが、
これがビクターのキャピタゴンに続くフィルムイベントで披露され話題になった。
(現在ではDVD5本組『B-T PICTURE PRODUCT』に収録)
ここらへんの出す部分と隠す部分のバランス感覚が、BUCK-TICKの神秘的イメージを確立させた。
見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
どうしたんだこの世は どうしたんだ人間は
どうしたんだ俺は 神と悪魔が歌い踊るよ
宇宙(そら)に出かけよう さあ手を繋いで
霧の朝焼けに 二人 飛び出そう
鳥は囀り 僕は君へと 歩きはじめる
籠の中の俺は 上手く鳴けるかい
いくらもがいても所詮この世だ
今夜は君と 会える約束
真実が知りたい
俺は狂いはじめる
真実が知りたい
君が狂いはじめる
真実を
夢を売って 俺は歌い踊る
踊らされて 俺は生きていける
鳥は囀り 僕は君へと 歩きはじめる
今夜は君と 会える約束
真実が知りたい
俺は狂いはじめた
真実を知りたい
君が狂いはじめた
真実を知るには
此処にいても見えない
真実を知るなら
此処にいてはいけない
真実を あなたと わたしに
俺は狂いだした
