「どうして生きているのか この俺は」


人間の普遍的な、疑問。
何故?何の為に生きているのか?
人生最大の哲学をいきなり問い質すBUCK-TICKのこのニューシングルは、
久々のリリースということもあって、初登場4位のセールスを記録する。

映像はTVK系音楽情報番組「ミュージックパーク」出演時のもの。

BUCK-TICKは、1995年、3月24日の「唄」の発売から、
3ヶ月連続で新譜をリリースすると発表していた。
その第一弾「唄」が発売されると、
4月17日からは全国7箇所を周るフイルムギグ【新作完全再生劇場版】がスタートした。
その間の第二弾シングル「鼓動」を発売。
5月14日のリハーサル的なライヴ【Six/Nine'95.5.14】を新宿リキッドルームにて行ない、
明くる5月15日にオリジナル7枚目のアルバム『Six/Nine』のリリースに至る。
更に明くる日5月16日よりライヴツアー【Somewhere Nowhere 1995】開始という、
怒涛な活動再開となった。

やや長いオフ期間に、様々の経験をしたメンバーは、
本家BUCK-TICKで、それを実行段階に入ったのだ。

このメンバーで創作することの喜びは、
そのまま、新アルバムの主題“生命”へ悦びと昇華していったのかも知れない。
今井寿は、藤井麻輝とのSCHAFT活動等の為、
メンバーの中では唯一ほとんどオフなしに『Six/Nine』のレコーディングに入ったが、
次から次へと溢れ出す創作意欲に、レコーディングは長期化したと言われる。

この「唄」にも、インダストリアルなSEがイントロと間奏に挿入され、
今井寿本人も間奏でエフェクティヴなヴォーカルを取っている。
これはSCHAFT活動からの影響も大きい。

メンバーのメイクも衣装もフイルムギグ【新作完全再生劇場版】からの様子で、
タキシードでへヴィ・グランジを唄う櫻井敦司も凛々しく、ドラキュラ伯爵のようだ。
逆に、皮パンにロッカースタイルの今井寿とロカビリー風リーゼントの星野英彦。
休暇中に長髪だった樋口“U-TA”豊のスーパーリーゼントも復活し、
ヤガミ“アニイ”トールは、帽子を突き破る逆立った髪の毛と髭がクールだ。

サウンドは『darker than darknessーstyle93ー』同様ダークでへヴィだが、
より現実社会をリアルに抉るような作風に進化した。


「神経は落ちてくばかりで “鼓動”はずっとあばれ出しそうだ」




 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)



どうして生きているのか この俺は
そうだ狂いだしたい 生きてる証が欲しい

神経は落ちてくばかりで 鼓動はずっとあばれ出しそうだ

深い森に迷い お前の名を呼ぶ

逃げ出すことも出来ない 立ち止まることも知らない
聞いてくれこの声 お前を愛しているのに

抱いて慰めてくれ そう甘く
だめだ溺れてしまう 優しい君の中

誰も泣きたいはずだろ 優しくきっとされたいはずさ

熱い肉の軋み お前にこの愛

生きる事はできる 消えていくすべを知らない
この手伸ばしている お前を愛しているのに

ああ この世で美しく ああ 限りないこの命
ああ この世で激しく ああ 燃えろよこの命

どうして生かされてるのか この俺は
そうだ叫びだしたい 生きてる証が欲しい

神経は落ちてくばかりで 鼓動はずっとあばれ出しそうだ

熱い皮膚の裂け目 吹き出すこの愛

消える事はできる 生きてゆく意味知らない
この手伸ばしている

逃げ出す事もできない 立ち止まる事も知らない
聞いてくれこの声 お前を愛しているのに

ああ この世で美しく ああ 限りないこの命
ああ この世で激しく ああ 燃えろよこの命