「この世で偉大とされることは、われわれがどこにいるかではなく、
むしろ、どの方向に向かってということに関係している」

                (オリバー・ウェンデム・ホームズ)


恐らく現存するライヴでの「TABOO」は、この映像がベスト・テイクだろう。
「MY FUNNY VALENTINE」から続くエロスの極みが、「TABOO」で全開になる。
バラを手に舞う櫻井敦司はデカダンなロックを唄う娼婦のようだ。
引き続きジャジーな雰囲気は樋口“U-TA”豊のアダルトなベース・プレイが味を増す。
イントロのフレーズで今井寿との掛け合いも最高の出来だ。

思えばこの楽曲のタイトルで3THアルバム『TABOO』リリースされ、
BUCK-TICKの変容が、初めて試みられたのである。
初のチャート1位を記録を始め、初の外人プロデューサー(ウィル・ゴスリン)を迎え、
英ロンドンにての海外レコーディングを敢行した作品だ。
前作『SEVENTH HEAVEN』からの進化を見れば、
初期の中で最も大きな収穫を得た作品となったのは自明である。
BUCK-TICKのダークなイメージと路線がこのアルバムによって確立した。

今井寿は、

「見えなかった部分にすぎないというか、見せなかったというか」

と語ったが、


櫻井敦司は、もっとストレートに

「俺は変わりたかったんです、義務でも戦略でもなくて、
俺自身の我がままでね。
『SEVENTH HEAVEN』を録音してる頃から、自分のやりたい事がハッキリしてきてて、
漠然としてたものが形になったのが『TABOO』だった。
ダークでハードな事をやりたくて、それが出来た。
変えたいとかひっくり返そうとか、まわりの状況を変化させたくて変わったんじゃなくて、
俺は自分のやりたい事をやるために、俺が変わりたかっただけ」

とその気持ちを訴えていた。



そしてこの『Climax Together』では、
『殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits』のアレンジでプレイされ、
アルバム同様に次のオリエンタルな「HYPER LOVE」へと続く。
『殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits』で更に変化を遂げた「TABOO」は、
今井寿のギター・シンセの導入と櫻井敦司のデカダンな雰囲気が編み出す、
アヴァンギャルドなサウンドへと進化していた。
勿論、エロティックなテイストは原曲のままリアレンジにも封印されている。
“SEX”や“EMBRYO”等の禁句を包括する【ことば】。

合言葉はTABOO・・・。



TABOO
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿(Interlude melody taken from "TABOO" by Lecuona Margarita) / 編曲:BUCK-TICK


くちづけ 肌を焦がす
熱い背筋 爪を走らす お前は誰?
傷口 ワインこぼす
鈍い痛み けしの花びら 赤く甘く

A-mour oh You say "Please never love me"
お前が好きさ I say "NO" ステキだよ

”サヨナラ・・・” 魔性の人
夢想の誓い 悪夢の神秘 愛の幻想

Au-revoir oh I say "Still I love you"
死ぬ程好きさ You say "LOVE" キレイだよ

静かに静かに 最後の曲流れ出す
A-mour A-mour A-mour ふたり TABoo・・・TABoo
涙が涙が この世界の悲しみが
Au-revoir Au-revoir Au-revoir 消えて TABoo・・・TABoo

Au-revoir oh I say "Still I love you"
死ぬ程好きさ You say "LOVE" キレイだよ

静かに静かに 最後の曲流れ出す
A-mour A-mour A-mour ふたり TABoo・・・TABoo
涙が涙が この世界の悲しみが
Au-revoir Au-revoir Au-revoir 消えて TABoo・・・TABoo
”サヨナラ・・・” 魔性の人
夢想の誓い 悪夢の神秘 愛の幻想
"SAYONARA・・・" 愛の幻想
TABoo・・・ TABoo・・・ TABoo・・・