「LOVE ME」ファニーでメロウな夢を見ているうちに
叫ぶようなヴォーカルが勢いのある「地下室のメロディー」に変わる。
今井寿と櫻井敦司の掛け合いヴォーカルの“狂気”の世界に我々を引き戻す。
ヤガミトールのドラミングは一曲通して非常にハードで、
「ニゲロニゲロ」「コワセコワセ」煽り立てる今井寿に追い詰められるが如く、
櫻井敦司が突っ走りながら自我と闘い、そして“自己破壊”を試みるかのように楽曲は展開していく。
ドラムがまさにロック調に激しく打ならされ、かなり速い曲調かと思いながら、
実はギターはそんなに激しいプレイではない。むしろ掛け合いのコーラスのほうが激しい。
考えてみるとBUCK-TICKはツインギターのはずなのに、
基本的にギターで引っ張る楽曲が多くない。
それにも関わらずBTナンバーにスピード感(疾走感)があるのは、
そうバンドのエンジンはこの二人存在が大きい。
BUCK-TICKはヤガミとU-TAの兄弟のドラムとベースが、楽曲のスピード感をコントロールする。
「地下室のメロディー」、題名からしてダークだが、
歌詞もこの頃から櫻井お得意の直接的な自己破壊の【ことば】ばかりが並ぶ。
しかも歌詞が全てカナ表記になっているこの楽曲には、さまさまな解釈がされてきた。
アルバム『狂った太陽』のジャケットにある地下室っぽい写真も
この楽曲のイメージがトレースされての事だろう。
ひんやりと背筋が凍るようなゴシック・フレイバーは、
アルバム『悪の華』の「sabbat」を思わせるが、
この「地下室のメロディー」は更にスピーディーで、進化している。
“時”は“恐怖”すら待ってはくれないということか?
地下室のメロディー
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
ココハドコダ ソシテコノオレハダレダ
ニゲロニゲロ ドアヲカケロ
ナゼニワラウ ソンナアレマヨウニミルナヨ
コワセコワセ キミガワルイ
マヒルニココヘナガラ
オシエテクレ イッタイナニヲソレバイイ
ニゲロニゲロ ナニガデキヌ?
ワルイユメサ ダレモカオモキズダラケテ
コワセコワセ セケンデクレ
ハキキニフルイナガラ
チクドヲハク モットキズヲワカクワカク
ニゲロニゲロ ナミダナガセ
コドウヲヒケ ハハニデジャラテシヌガイイ
コワセコワセ スベテカワル
ネムリタイオマエノナカデ
オレヲコワセ スベテコワセ
スベテコワル スベテオワル
