名古屋放送系TV番組「5時SATマガジン」での映像。
この時期、先行シングル「スピード」と
当時待望の5THアルバム『狂った太陽』がリリースされたばかりで出演となった。

オープニングではメンバーが同番組500回記念にちなんで
「もし500万円あったらどうするか?」
という質問に答えているが個性が出ていて面白い。
答えはお楽しみ・・・。

ロック界のカリスマ達もお金に関しては、意外と素朴な意見だったか?

またBTメンバーが畳みにコタツというセットでみかんを目の前にしている。
このセットに緑色の頭をした今井寿(やはりほぼしゃべらないが・・・)が異様な雰囲気である。

アルバム『狂った太陽』の印象は・・・
「変わりました。色々と・・・」
(櫻井敦司)

だけである。

この偉大なる傑作アルバムを前にして、この謙虚さ?は自信の表れだったのだろうか。
いずれにしろ少しシリアス過ぎるアルバム『狂った太陽』のプレスリリースで、
音楽雑誌を始め、様々な評論が飛び交ったが、
BUCK-TICK本人達は、変わらずマイペースな一面をこの番組では披露している。
そんな姿を見てファンは、バンドとの距離感を思い胸を撫で下ろすのだ。
そう、これも現実。
リアルな実生活は、止まることなく進んでいるのだ。
そして、この両面はどちらもBUCK-TICKの姿であることは正しい。





またこの映像では、デビュー当時の映像を見て、
櫻井敦司は恥ずかしそうの笑っているが、
ヤガミトールは
「今見ると勢いあったナァー」
と感想を述べている。

これまた貴重な映像である。
過去を回顧している過去を見ていると
不思議な感覚にとらわれる。

この時期、恐らくはもう後戻りできないところまで自分を追い込んで、
変革を続けてきたBUCK-TICKの、ひとつ解答となった作品が『狂った太陽』であった。
間違いなく彼等自身も自信の一枚であったはずであるが、
ここにも、その道筋の過去に敬意を払う様子がうかがえる。
ほんの2~3年前の自分達なのであるが、もの凄い“スピード”で進化したことを、
彼等も認識していたようである。
しかし、過去の自分達があってこそ現在がある。


また、櫻井敦司の愛車情報や
樋口“U-TA”豊には、いかにも的な女性ファンへのサービスも...。
とにかく今となっては興味深い質問に答えている。

今井寿の受け答えを見ると、この人はやっぱり芸能人ではなく芸術家なのだなと痛感する。
彼にとっては、これで最大限の努力なのだろう。
やはり、もう少し酒を入れてくるべきだったのだろうか?

当時は色々な仕事をこなしたものだと思う。
しかし、突き抜けた世界で創作活動を続ける彼等も、
意外と話を聞くと、とても素直で素朴な一面を見せるのが逆に魅力的に映った。