BUCK-TICKそして今井寿としては、
『殺シノ調ベ This is NOT Greatest Hits』の作成に対して、
最新のシングル楽曲を収録するのは躊躇した嫌いがあるが、
レコード会社のセールスの思惑があったことは別としても、
人気シングルのリアレンジは、
ファンにとって嬉しい出来事であったのは間違いない。
(今井寿自身としては、初期のマイナーな楽曲を並べたかったらしい、
 もし、それが実現していたら・・・それはそれで凄い事になったであろう!)
一方の「MAD」は原型を留めないほどの変化を象徴としたが、
この「スピード」始め、人気シングルは、そのポテンシャルに更に凄味をつけての
リアレンジとなった。

「これもシングルとして発表した曲だから、
やり方としては『惡の華』や『JUST ONE MORE KISS』と同じ。
ただ、シングルよりテンポが速いんですよ。
でもテンポが上がった印象を与えないんじゃないかな。
おもしろいのは、今までライヴで演ってたテンポはシングルよりも遅いのに、
今回ではテンポが速くなってることじゃないっすかねぇ」

と語るBUCKーTICKのエンジンを担当するヤガミトール。

やはり結論から言って『殺シノ調ベ This is NOT Greatest Hits』に
「スピード」は必要であったと供に、
このライヴ・ツアーで観衆を“新世界”に連れて行く楽曲は、
「スピード」以外になかった。

映像のステージでは、曲の始まりを告げる演出の“爆発”が大きすぎて、
今井寿、星野英彦のギター音が所々消えてしまっている。
しかし、それを感じさせない迫力で疾走する「スピード」のパフォーマンスは、
【狂った太陽 Tour】を通じて格段にレベルアップしたバンドポテンシャルによる。

そして、BUCK-TICKのパワフルなステージ演出は、
この【殺シノ調ベ This is NOT Greatest Hits Tour】を通じ
【Climax Together】へと繋がっていく。



スピード
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)


人差し指を頭に突き立て ブッ飛んでいる
いつでも頭ギリギリ 噛み砕いて
ためらいをとめて 摩天楼 ダイブするのさ

今夜も頭ギリギリ 骨まで透けて見えた
安らぎをとめて 今宵の共犯者達へ

女の子 男の子 一筋 傷と涙を
痺れた体 すぐに楽になるさ
蝶になれ 華になれ 何かが君を待っている
愛しいものに全て 別れ告げて

-イカレタノハオレダケ キミハスコシマトモダ-

スピードをあげて 摩天楼 ダイブするのさ
ボリュームをあげて 今宵の共犯者達へ

女の子 男の子 君には自由が似合う
これが最後のチャンス 自爆しよう
蝶になれ 華になれ 素敵だ お前が宇宙
愛しいものを全て 胸に抱いて
君が宇宙

目覚めは今日も冷たい 月夜のガラスケース
今夜も頭ギリギリ 骨まで透けて見えた