「死は、お互いの関係を時間と供に希薄するというより、
かえって関係を深く、親しくするものかもしれないわね」
(フジ子・ヘミングウェイ)
『狂った太陽』に隠された最後のキーワードは“コレ”であった。
“さくら”なんて一言も、花に関連する単語すら歌詞には登場しない。
しかし、この楽曲では暗闇の中でさくらが舞い散るイメージ。
この楽曲のパフォーマンスは間違い無くこのBSサテライト・サーキットがベストだ。
星野英彦の名作「JUPITER」にも繋がる楽曲となるが、
この作品も櫻井敦司の母親に対する鎮魂歌としての想いが込められている。
「クスリは虚しいだけ・・・」
櫻井敦司の母親に対する愛情を考えれば、
悲報を受けた後の行動がリアルに描写されている点が話題となるが、
歌詞から受ける印象は、どこまでも哀しく美しく救われない。
クスリに逃げて見ても・・・
結局はそんな事母が悲しむだけ、意味がない、
と悟ったのだという点にショックすら受ける。
何かに偽わる必要なんてない。
“時間”は取り戻せない。
最後は“愛”と納得すればいいのだから。
『狂った太陽』最後のピースは“愛”であったのだ。
これ以降の櫻井敦司の作詞は最愛の母に対する想いが随所に見え隠れするようになる。
帽子でよく確認出来ないが櫻井敦司の涙が映像から零れ落ちそうなくらい
感動的な記録となった。
そして、この後にリリースされる『狂った太陽』第三弾シングル
「JUPITER」のカップリングは、この楽曲しか考えられなかった。
さくら
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
さあ 安らかに 眠るように瞳閉じておくれよ
もう疲れたろ 演じる事 夢見ることも全て
枯れた指が落ちる ずっと見つめてる
声にならないけど そっと呟いた
「すぐに行くよ・・・」 蒼い部屋で逃れる術も知らず
月が満ちる前に そっと舞い降りて
波がさらって行く ずっと「永遠さ」
ちぎれた体に救いはない
クスリは悲しいだけ
もう一度 ここで眠るなら
今度は上手に歌うから
キラメク星が消えたなら
最後は愛と泣けるから
さあ安らかに 眠るように瞳閉じておくれよ
もう疲れたろ 演じる事 夢見る事も全て
月が満ちる前に そっと舞い降りて
波がさらって行く ずっと「永遠さ」
ごまかす痛みに涙はない
嘘つき 苦しいだけ
もう一度 ここで会えるなら
こんどは上手に笑うから
キラメク海が枯れたなら
最後は愛と笑うから
太陽ニ殺サレタ
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
夜の舞台 幕が上がる 瞬間(とき)をとめて
立ち上がれない 動けもしない 俺を見ないで
ああ お前のための死化粧 はがれ落ちる
耳がちぎれそうな拍手の中で
『綺麗だろう 醜いだろう 答えてみてよ』
笑えもしない 涙もしない 発狂してた
黄昏時 暗闇時 息を殺す
ああ 影絵の中で独り 置き去りのまま
さまよう 夢と指が 腐りかけた
『幻覚だろう 薄弱だろう 教えてくれよ』
『そんな 嘘だろう 真実だろう どうでもいいさ』
太陽ニ
殺サレタ・・・
サヨナラヲ
言ウ前ニ・・・
やがて幕が閉じる 憂鬱の中で
『死ぬんだろう? 生きるだろう 何を捜して』
『そんな 嘘だろう 真実だろう どうでもいいさ』
太陽ニ
殺サレタ・・・
サヨナラヲ
言ウ前ニ・・・
太陽ニ
殺サレタ・・・
サヨナラヲ
言ウ前ニ・・・
