「恐怖の数のほうが、危険の数より常に多い」
                  (セネカ)



BS放送サテライトサーキットでの映像。
真っ赤なトレンチコートで登場した桜井敦司が印象的なGIG。
変革期を飾ったアルバム『狂った太陽』リリース後に、【狂った太陽 Tour】を控え、
電波試験のBS放送で、観客無人のガレージコンサートの型で行われた。

アルバムに収録されている通り、最初、櫻井敦司のヴォ-カルは、
わざと低いキーで歌い出し、2小節目から急にキーを高く上げハイテンポに歌い上げる。
新アルバムは「スピード」で始まるを告げるが、先行シングルですでに多くのファンは、
このサウンドを十分過ぎるほど聴いていたので、2曲目に収録されるこの楽曲で、
本当の意味で、『狂った太陽』の進化の扉を開けることになる。

充分に時間をかけて製作されたアルバム『狂った太陽』に捨て曲的な楽曲は存在しなく、
この「MACHINE」も強烈な個性を放つ一曲に仕上がっている。
疾走感に関しては「スピード」以上にスピード感があるサイバー・ハード・ロックだ。
ギターソロでは今井寿がフラットレスのダブルネックの緑マイマイに持ち変え、
アームプレイを披露してくれる。
「ギリギリまで皮膚がちぎれるまで走る」
と刹那的快楽がグイグイとリスナーをアルバムの世界へ誘う。
櫻井の眼光が光り、今井がニヒルにニヤリと笑う瞬間だ。



MACHINE
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)


真夜中過ぎTVを飛び出した俺は
どこへ向かう満たされちゃいない
何が見えた光と闇の群れ君は
泣くのをやめ機械(MACHINE)に溶け込んだ

ギリギリまで皮膚がちぎれるまで走る
息を止めてこの世を飲み込む
ガラスの雨電飾のビルディング見つめ
正気のままここで夢見るの?

TVモニターが (Who are you?) サヨナラを告げている

飛び込んで行く光速に まぶし過ぎる星になるまで
信じるものは神じゃない 沸きあがる血の匂いだけ

ギリギリまで皮膚がちぎれるまで走る
息を止めてこの世を飲み込む
バカゲテイル奴らちぎれるまで走る
正気のままここで夢見るの?

TVモニターが (Who are you?) サヨナラを告げている
スピードが全て 恐怖だけ感じている

飛び込んで行く光速に まぶし過ぎる星になるまで
信じるものは神じゃない 沸き上がる血の匂いだけ

飛び出して行く光速に 冷た過ぎる風になるまで
信じるものは夢じゃない 走り出すこの俺だけさ