「死と太陽は直視することは不可能である」
                (ラ・ロシェフーコー)



本当に眩しい赤であった。
BSサテライト・サーキットでの「惡の華」からMC「スピード」への流れ、
僕は鳥肌を立てながらTVを見ていた。
このキーワードは、間違いなく“限界突破”。
限界は指針にこそなれ、赤信号にはならない。

サテライト・サーキットでのGIG後にBUCK-TICKは【狂った太陽Tour】を控えていた。
櫻井敦司は、その抑え切れない思いをMCで伝えている。
「今度は生でセックスしましょう」
ライヴ・ツアーへの熱い意気込みを電波の向うのメッセージに載せた。
「誰にしゃべってんだか...」
気持ちを上手く伝えられず【ことば】を呑むようなMCであった。
しかし、恐らくこの熱い想いは、次のナンバーに乗せて、
いざ、戦場(ライヴ・ツアー)へ。
そして、無人スタジオでの「スピード」パフォーマンスは、
そういった気合十分の演奏となっている。
鮮血の如きトレンチコートはその決意だ。
“新世界”はもうそこまで来ている。


スピード
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)


人差し指を頭に突き立て ブッ飛んでいる
いつでも頭ギリギリ 噛み砕いて
ためらいをとめて 摩天楼 ダイブするのさ

今夜も頭ギリギリ 骨まで透けて見えた
安らぎをとめて 今宵の共犯者達へ

女の子 男の子 一筋 傷と涙を
痺れた体 すぐに楽になるさ
蝶になれ 華になれ 何かが君を待っている
愛しいものに全て 別れ告げて

-イカレタノハオレダケ キミハスコシマトモダ-

スピードをあげて 摩天楼 ダイブするのさ
ボリュームをあげて 今宵の共犯者達へ

女の子 男の子 君には自由が似合う
これが最後のチャンス 自爆しよう
蝶になれ 華になれ 素敵だ お前が宇宙
愛しいものを全て 胸に抱いて
君が宇宙

目覚めは今日も冷たい 月夜のガラスケース
今夜も頭ギリギリ 骨まで透けて見えた