NHKの番組によるこの「悪の華」のパフォーマンスには余裕を感じる。
せわしなく動き回る櫻井敦司が、
同番組で先にプレイした「MISTY BLUE」と好対照である。
今井寿のギター・プレイもこの名フレーズに色々なニュアンスを加えている。
星野英彦もドライヴ感たっぷりに掻き鳴らす。
このBUCK-TICK始まって以来の大ヒット曲は、
この番組が収録される頃には、バンドの代表曲になってしまった。
1989年の復活時のライヴ東京ドーム【バクチク現象】の映像と見比べると
面白いだろう。
逆毛で登場した「JUST ONE MORE KISS」のイメージから、
ダーク・ゴシックを掻き鳴らす怪しげな光を放つカルト・ロック・バンドとして、
他のバンドとの差別化に成功したと言ってよかろう。
ただに人気者ではなく、アイデンティティを持って創作活動を行うアーティストとして、
その存在を“力”ずくで認識させたのだ。
そして、この妖気漂うアルバム『悪の華』ですら、
進化を続けるBUCK-TICKにとっては、通過点。
もしくは、再スタートの切欠に過ぎなかったのだ。
彼等は次作以降の暗黒三部作を始め、
誰にもマネ出来ない世界観へと突き進んで行く。
あるいは、この行為は、BOOWY継承者のビート・ロック・バンド。
または、アイドル・ロック・バンドという認識であったファン達を振るい落とす
猛烈な“スピード”での疾走となったのだ。
あくまで、『TABOO』『悪の華』は、序章に過ぎなかった。
そう思わせる程の大作が次に待っていた・・・。
悪の華
作詞:桜井敦司/作曲:今井寿/編曲:BUCK-TICK
遊びはここで 終わりにしようぜ
息の根止めて Breaking down
その手を貸せよ 全て捨てるのさ
狂ったピエロ Bad Blood
夢見たはずが ブザマを見るのさ
熟れた欲望 Fallin' down
サヨナラだけが 全てだなんて
狂ったピエロ Bad Blood
燃える血を忘れた訳じゃない
甘いぬくもり が目にしみただけ
Lonely days
あふれる太陽 蒼い孤独を手に入れた Blind-Blue-Boy
燃える血を忘れた訳じゃない
甘いぬくもりが 目にしみただけ
指の隙間で この世界がまわる
熱くキラメク ナイフ胸に抱きしめ
Lonely days
あふれる太陽 蒼い孤独を手に入れた Blind-Blue-Boy
Lonely nights
凍える夜に叫び続ける 狂いだせ Blind-Blue-Boy
Lonely days
あふれる太陽 蒼い孤独をたたきつぶせ Blue-Boy
Lonely nights
凍える夜に叫び続ける 狂いだした Blue-Boy
