間違いなく櫻井=今井コンビの生み出しだ傑作中の傑作だ。
特に疾走感がハイエナジーで迫りくる今井寿のギター・ソロ・パートは絶品のフレーズである。
櫻井敦司の絶叫でスピード感が増す。
アルバム『悪の華』の個性的な収録曲に圧されてインパクトが少ないかと思われたが、
終盤に配置されたBUCK-TICK流正統派ロックが鳴り響くと逆に良さが目立つ。

そして耳にした皆が思うのだ
「BUCK-TICKが帰って来た」と。

復活の狼煙を上げた先行シングル・ヴァージョンでは
シンセサイザーがまったく入っていないのは、純粋なバンドサウンドでいこうという意図で、
アルバム『悪の華』製作時、この楽曲をシングル・カットに選んだのは全員一致であったらしい。
逆に他には候補はあがらなかったという。

櫻井によるデカダンな歌詞も
漆黒の絶望の淵から這い上がってくるようで最高の出来だ。


ヴィデオ・クリップも秀逸な作品で、
後に跋扈するヴィジュアル系の雛形を造り出したといっても過言ではない。
このパフォーマンスのカッコ良さが、他のアーティストをエナジャイズし
LUNA SEAの「ROSIER」などの秀作クリップを生み出したといえる。
このクリップを見せ付けられると
BTの影響を受けていないとは誰も言えないはずだ。

文句なく「カッコイイ」。



悪の華
作詞:桜井敦司/作曲:今井寿/編曲:BUCK-TICK


遊びはここで 終わりにしようぜ
息の根止めて Breaking down
その手を貸せよ 全て捨てるのさ
狂ったピエロ Bad Blood

夢見たはずが ブザマを見るのさ
熟れた欲望 Fallin' down
サヨナラだけが 全てだなんて
狂ったピエロ Bad Blood

燃える血を忘れた訳じゃない
甘いぬくもり が目にしみただけ
Lonely days
あふれる太陽 蒼い孤独を手に入れた Blind-Blue-Boy

燃える血を忘れた訳じゃない
甘いぬくもりが 目にしみただけ
指の隙間で この世界がまわる
熱くキラメク ナイフ胸に抱きしめ
Lonely days
あふれる太陽 蒼い孤独を手に入れた Blind-Blue-Boy
Lonely nights
凍える夜に叫び続ける 狂いだせ Blind-Blue-Boy
Lonely days
あふれる太陽 蒼い孤独をたたきつぶせ Blue-Boy
Lonely nights
凍える夜に叫び続ける 狂いだした Blue-Boy