メジャー第一弾シングル『JUST ONE MORE KISS』が
BUCK-TICKに及ぼした影響は計り知れない。
髪を逆立てた鋭い目つきの新人をマスコミは諸手を挙げて歓迎しているかのようであった。
その要因のひとつには『JUST ONE MORE KISS』がオーディオ機器
(当時の所属レコード会社ビクターのCDラジカセ CDian。コピーは「重低音がバクチクする」)
のCMタイアップに使われた点が大きい。
また、1988年当時はビート・ロックの頂点に君臨していたBOOWYが、
TV番組を中心とするランキング歌謡番組への出演を嫌っていたという要因もある。
しかし、視聴者は完全に刺激的なルックスのロック・バンドを渇望していた。
同時にXやZIGGYといったインパクトのあるバンドが台頭しはじめ、
ヴィジュアル系の元祖の一つとしてBUCK-TICKもアイドル的に扱われたのも事実であった。
マスコミも空前のバンド・ブームの兆しを感じ始めた時期で、
それまで、歌謡曲中心で構成されていた歌番組、
特に「ザ・ベストテン」「ザ・トップテン」といった
ランキング番組でも様々なバンドが紹介されるようになっていた。
BUCK-TICKの奇抜なファッションとアイドル的なルックスは、
このマスコミの流れとベクトルが完全に一致していた。
当然の如くにBUCK-TICKの『JUST ONE MORE KISS』はマスメディアに歓迎され、
バンドの姿は、お茶の間に露出していくことになった。
10月26日シングル『JUST ONE MORE KISS』のリリースは、
あらゆる意味でBUCK-TICKの歴史の中でエポック・メイキングな作品であった。
ファースト・シングル・カップリング「TO-SEARCH」
TO SEARCH
(作詞・作曲:HISASHI / 編曲:BUCK-TICK)
用意はできてる いつでも平気さ
目に付くものなら ONE BY ONE
うそをちらかし 下心かくし
手当たりしだい CASE BY CASE
やるなら今さ 暗がりのうちに 近寄れたら
そうさ BREAK OUT(BREAK OUT) CAUTION(CAUTION)
手をぬかねぇで 暗がりのうちに
うまくやって このまま
だまし続けて すきまをつくって
スキを与えず ONE BY ONE
合図を決めたら 話を合わせて
生かさず殺さず CASE BY CASE
やるなら今さ 暗がりのうちに 近寄れたら
そうさ BREAK OUT(BREAK OUT) CAUTION(CAUTION)
手をぬかねぇで 暗がりのうちに
うまくやって このまま
どうせやるなら 暗がりのうちに バレねぇように
そうさ BREAK OUT(BREAK OUT) CAUTION(CAUTION)
今ならできる 暗がりのうちに
うまくやって このまま
TO SEARCH TO SEARCH
TO SEARCH
しょうがねぇぜ まったく…
そして衝撃のメジャー第一弾「JUST ONE MORE KISS」
JUST ONE MORE KISS (5:04)
(作詞:ATSUSHI / 作曲:HISASHI / 編曲:BUCK-TICK)
DREAM & DREAM 胸に刻む
SLOW MOTION 一夜の夢
JUST ONE MORE KISS 横顔はまるで 刹那の美貌
JUST ONE MORE KISS むせ返る香り
薄れゆく意識だけが…
NIGHT & NIGHT 人は踊る
ILLUMINATION やがて眠る
JUST ONE MORE KISS 抱き合えば そこは架空の都
JUST ONE MORE KISS 爪立てた腰は
はかない恋に揺れて…
天使のざわめき 悪魔のささやき 月夜に甘いくちづけ
キラメキは届かない つぶやいた
I WANT YOU TO LOVE ME
I KNOW YOU LOST YOUR HEART もがき続け
トキメキは返らない 愛してる
I WANT YOU TO KILL ME
GOD KNOWS I LOST MY HEART 叫び続け
AH-AH ONE MORE KISS......
JUST ONE MORE KISS 横顔はまるで 刹那の美貌
JUST ONE MORE KISS むせ返る香り
薄れゆく意識だけが…
JUST ONE MORE KISS 抱き合えば そこは架空の都
JUST ONE MORE KISS 爪立てた腰は
はかない恋に揺れて…
天使のざわめき 悪魔のささやき 月夜に甘いくちづけ
キラメキは届かない つぶやいた
I WANT YOU TO LOVE ME
I KNOW YOU LOST YOUR HEART もがき続け
トキメキは返らない 愛してる
I WANT YOU TO KILL ME
GOD KNOWS I LOST MY HEART 叫び続け
