先日、栄パルコ上のセンチュリーシネマで映画を観る。

BIUTIFUL ビューティフル

$5感をケリアゲロ!!!

バルセロナを舞台に、闇社会に生きる男が末期がんで
余命2ヶ月である事を宣告され、
愛する子供達の為に精一杯尽くそうと奮起する感動作。
『バベル』の名匠アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが監督を務め、
現代社会の病理をリアルに扱いながら、
闇の中から一筋の光を見いだそうとする人間の強さと美しさを描く。
主演は『ノーカントリー』のハビエル・バルデム。

スペインの裏社会で生計を立てるウスバル(ハビエル・バルデム)は、
あらゆる闇取引に手を染めながらも、
愛する2人の子供と情緒不安定の妻を支えて暮らしていた。
ある日、自分が末期がんであることを知ったウクスバルは、
やがて訪れる死の恐怖と闘いながらも、
家族との愛を取り戻すために新たな決断を下すのだが...。

いや~なんとも、いい意味で感想というか説明し難い作品だ。

主演のハビエル・バルデムの演技・存在感が半端ない。
スペイン・バルセロナを舞台に、
ヨーロッパ社会の底辺に渦巻く薄汚い闇を描いていて、
テーマ的にとてつもない暗く重たい。
巨匠イニャリトゥ監督はこの作品を
黒澤明監督作の『生きる』にオマージュとして作ったとの事らしい。
生と死、肉体と精神、罪と罰といった二律背反する要素を
これでもか!とばかりに観る側の心に突き刺してくる。
霊能者の力も持っている主人公ウスバル(ハビエル・バルデム)は、
裏社会で生計と立てているにも関わらず、
子供達の未来を模索しながら、
周りの悲惨な生き方をしている親しい身内を救おうとするが救えず、
心と体の痛みに耐えながら街を彷徨う彼の姿は
まるでイエス・キリストのような悲痛な苦悩さえも感じるのである。

色々な闇社会の問題提議を詰め込み過ぎていて、
尺(作品時間)が長過ぎる。

観終わった後の疲労感というか開放感が半端ない。

クリント・イーストウッド監督の『ヒア・アフター』に
若干通じるモノがあるが、
こちらの作品の方が、もっとリアリスティックかつ
文学的・哲学的だと思う。

人生がいかに苦悩に溢れ、
残酷かという事を
恐ろしい位に訴えかけてくる。

巨匠イニャリトゥ監督の頭の中って、
表現したい事で溢れかえっているんだろうなぁ~。

一切、気軽な感じで観れない作品なので、
これから観る人は、心得ておいて欲しい。

人間の命・人生なんて、
この広い宇宙を基準にしたら、
蟻んこと同じに過ぎないんだよな。。。

星4つ半★★★★☆

とにかく、この監督は凄いです。