Amazonプライムビデオを見ていると、お気に入りの中に入れておいた有名な映画の内、「失楽園」(1997)が「プライムでの配信は11月22日に終了」とあったので見ることにした。

 

この作品は渡辺淳一のベストセラー小説の映画化である。出版社に勤務する久木は突然、閑職である調査室行きを命じられる。これまでの人生に虚無感を覚え始めた彼の前に凜子という美しい人妻が現れ、情事を重ねるように。やがて彼らの仲は、久木の妻、凜子の夫、そして久木の会社にも知れることになる。世間から孤立し、愛を深めていく久木と凜子が辿り着いた場所とは…

 

 

『失楽園』とは、旧約聖書『創世記』第3章の挿話である。蛇に唆されたアダムとエバが、神の禁を破って「善悪の知識の実」を食べ、最終的にエデンの園を追放されるというもの。

 

私は見ていてムカムカしてきた。人はどの人も何かしら我慢しながら生きている。それを自分の快楽に溺れたいという欲望のために、社会の職場や家庭の「規範」に亀裂が生じていくのだ。男性の久木なんか自分の家族にはバレてないと楽観的に考えているが、実は妻にはとうにバレ、傷つけ、離婚届を突きつけられる。そして最後は凛子と心中。どこまで自分勝手なんだ!ムキー  だからこそ、これほどの不倫は「善悪の知識の実」であり、社会である「エデンの園」を追われることになる。

 

実は、私も人妻に魅了されて不倫したいと何度思ったことか。そこで踏みとどまったのは「神が定める禁」があったからだ。もし、周りにバレたら、家族を傷つけ、非難され、社会を追放されるのと同じような扱いを受ける。昨今、不倫騒動がメディアを賑わせているのを見ればおわかりだろう。

 

結局、みんな不倫をしたいのを我慢しているからこそ、痛烈なバッシングになるのだろう。

 

ただそれでもなお一線を越えたければ、お互いが、別次元で逢い、過ちを犯さず、証拠を全く漏らさない覚悟があるかどうかだ。それができるならば社会は口をはさむことはできないし、本来は、個人の自由と私は考えている。

 

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