20年とちょっと前

僕が行きつけのバーで

コーヒーを飲みながら

マスターと話をしながら

マスターの好きなマイルスの話を聞いていた

しばらくして25年ほど前に出会った

音仲間の先輩で恩人の『G兄』がやってきた


あんまり元気そうじゃない

そしてもう出来上がりそうな顔

いつものジャックのロックが

G兄に出てきて、僕の隣りに座った

僕「ダイジョブすか?何かあったっすか??」

G兄「ぉぉい、お前…今の相手は好きかぁ?」

あぁ。完全にできあがってた…

僕「うん何とか…7歳上の人はやめなさいってオカンに言われたんだってさ…でもまぁ普通に上手く行ってるよ。G兄はどーしたの?出来上がっちゃってんじゃん。」

G兄

「どうもこうも…ハァ、2週間も前に別れたのに、あいつ出て行かねえんだよ!」と

机を叩く…もぉドラマみたい。

別れ話が完結した相手が家を出ていかなくて、ものがどんどん増えているらしい

マスター「あぁ。それはキツイな…しばらくウチ来るか??」

僕はその様子を歌にでもしようと

しめしめとノートとペンを出し

僕「じゃー。少しここでボヤきまくってスッキリしたらいーよ。聞く聞く!今夜は聞くよ」

マスターもそーだそーだ!と…


しばらく聞いて人落ち着きすると

G兄「Mちゃんに会いたい。隣りにいるだけでいい…ズズっ」

はっ!泣き出した!これは面倒クセェ!

でも違う方の歌かけるかも…と

と思い…聞く…書く…聞く…書く…

G兄「もぅなにが起きてとも一緒にいたいとかさ、思うわけよ…わかるかぁ?」

僕「わかるよ!わかる!守ってあげたいよね〜♫」

G兄机を叩く…

「そうなんだよ!俺があのちっちゃいのを守ってあげたいんだよ!ズズズズズ(泣)」

僕「G兄。もうMちゃんに伝えたの??」

G兄「まぁだだよ…あいつが出ていかないから、言えねぇんだよ(泣)」

僕「そっかぁ…でもMちゃんにはG兄の気持ちは伝わってるよ。ちゃんとしたいんだね、ダイジョブだよ、Mちゃん逃げないよ。」

G兄「こないだお前と一緒にウチ来て鍋やっただろ?あん時Mちゃん前の日寝てなかったから、こたつで寝ちゃったじゃんか、あの時は俺お前がどかないかなぁって思って…(泣)」

僕「(笑)あ~ゴメンよwwあー!そーね、言ってたね、『Mちゃん、横になったら?首疲れちゃうよ?』ってね〜♫」

G兄「言ったっけぇ?………可愛かったんだよな…こーんなちっちゃくってさ」

僕「見守ってたね…」

「そーいや、Tさんとこのバーベキュー行った時も雨降ってきて、G兄シャツで傘代わりしてたもんね♫ダイジョブだよ。、伝わってるよ。手も繋いだし♫」

G兄「もー、死んでも一緒にいたい…ウウ(泣)」とジャックを飲み干して頬杖つく…


マスターと私は普段そんな話をほとんどしないG兄に驚きながら、

マスター「次何聴く?ウェザーリポートとかどー??」

僕「ジャコの時の♫いーすね♫歌詞進むかも。あと、アパッチください、アツアツの…」

…そうやって聞きかじったG兄の本音と、

前から僕が見ていた、くっつくのが時間の問題の2人のエピソードやMちゃんの想い(実はG兄を思っていた事を知っていた)も含め

アレコレG兄にカマをかけては酔っ払いながらも素直にボヤく言葉を引き出して

ウェザーリポートを聞きながら

歌詞が一晩で出来上がった…


後日、相方の付き合いで出掛けた運転免許センターに、ギターのメンバーを呼び出し、相方が講習を受けている間に歌詞を見せて

90分で曲が出来上がったのが


「In the end」

今日のお披露目は

G兄と、Mちゃんの結婚パーティーで(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)

アコースティックで披露したんだよ…

アコギ、アコベ、コンガ?ジャンベ??でさ…

G兄は気付いてなかったから

「G兄!お前のことだよ!」と

指を指したのがきっかけで

今の指差しに続いてるんだよね…


何か…思い返すと、

僕はちゃんと生きてたよ

毎日死ぬ気でいたのに

ちゃんと生きてたよ…

良かった…生きてて。