環境省から各自治体に対し、

 

 「災害が頻発する時期を前にしての注意喚起と対応依頼について

 

という事務連絡が出されている。

 

 

       ※一部抜粋※

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 最近の災害対応の教訓を踏まえて、本年5月29日に「防災基本計画」が修正されました。動物愛護管理の面からは今回、特に市町村が行う努力義務として、必要に応じ、指定避難所における家庭管理動物のための避難スペース確保等に努めることに加え、獣医師会や動物取扱業者等から必要な支援が受けられるよう、連携に努めることが追加された。

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 政府もこれまでの被災地でのペット同行(同伴)避難の状況を踏まえ検討し、

 防災基本計画にも加えてくれている。

 

 みんな気づいていると思うが、文章にするのは簡単だが、実現するのは

 かなりの努力が必要。

 

 自治体に全て丸投げ、全てお任せではかなり厳しい。

 

 決して自治体が怠慢なわけではない。

 実現するためには、住民の理解と協力が必要不可欠なのである。

 

 ペット飼養者、非飼養者、動物好きな人、嫌いな人。

 多くの人の理解が必要。

 

 自分の家族を守る為、自分ができることを。

 

 そして、そのためにはまず知ってもらう必要がある。

 

 啓発活動が重要だと考える。

 

 このブログだけでは全然足りない。

 

 全国で既に多くの方が、多くの団体がSNSなどを駆使し発信をしているが、

 なかなか浸透していない。

 

 多くの人を集めての啓発が難しい現状、他にどのような方法があるか。

 もっともっと考えていかなければ。

 

連絡事務の中に、下記一文がある。

 

東日本大震災ではペットを連れて避難できなかった方々が負った心の傷が長く続いたという記録もあり、逆にペットと同行避難された方は、発災当初こそペット連れによるストレスも強かったものの、その後の回復が、ペットを飼養されない方よりも早く、ペットの存在が励みになったという事例もあります。

 

確かに解決しなくてはならない課題は多い。まだまだ山積み。

でも、絶対に必要だと伝えていかなくては。

 

そして、啓発していく上で、一緒に考えてくれる人と出会いたい。

災害時の備えと聞いて、一般的に浮かぶのは

 ・食料、飲料 ・充電器 ・マスク、軍手 ・ガスボンベ ・簡易トイレ

 

ペット関連で言えば、

 ・フード、おやつ ・リード・首輪の予備 ・キャリー ・トイレシート

 ・飲ませているものがあればクスリ

等々。

 

そして、寒さ対策として毛布などの備えには考えが及ぶ。

 

しかし昨今の夏は異常な猛暑。

 

昨年の台風19号。千葉県では大規模停電が発生し、数日間復旧できなかった。

これが、たくさんのペットが熱中症で命を落とすことに繋がってしまった。

 

自宅は無事で、避難生活可能。生活用品もある。

だけど、エアコンが使えない。

 

熱中症で体調を崩したペットを動物病院に連れて行くも、ほとんどの

動物病院も同じように停電していて、処置できるのは自家発電のある病院のみ。

 

ボランティアの方々が氷の支援を呼びかける事態にまでなった。

 

ペットの熱中症の処置は緊急を要する。

 

エアコンの稼働が可能な発電機は決して安いものではない。

しかし、もし可能なら検討しておくのも良いかもしれない。

避難者トリアージ

 

聞いたことはあるだろうか。

大規模災害、特に大地震などで多くの被災者が出た時、避難所不足が想定される。

実際大規模地震などが発生し、被災者の数が避難所の収容可能人数を

大幅に超えた時、被災者の健康状態などを考慮して、受け入れるかどうか

選別せざるを得なくなる可能性もある。避難者の選別、それが

避難者トリアージ だ。

 

実際に行われるかどうかはわからないが、

身を守るためにも、家の防災・減災対策をしておくのは

とても重要だ。都会に住んでいる人は特に。

 

建物の耐震補強・家具の固定・戸棚の開き戸に留め具を着ける・

窓にガラス飛散防止フィルムを貼る、、等。

 

まずは出来ることから。

現場で混乱が生じていると書いた昨日の記事にある『同行避難』と『同伴避難』

について改めて記したい。

 

以前こちらのブログで記したが、環境省がガイドラインに明記しているのは

下記の通り。

 

 同行避難 = ペットと共に移動を伴う避難行動をすることを指す

 同伴避難 = 被災者が避難所でペットを飼養管理すること

        但し、同室で飼養管理することを意味するものではなく

        飼養環境は避難所等によって異なることに留意が必要

 

【同行避難とは】

環境省が推奨しているのはあくまでも『ペットと共に避難する(逃げる)こと』。

当然この避難行動には避難所に行く事も含まれてはいるが、避難所が受入不可で

ある場合、被災者は避難所への同行避難を選択肢から外し、他の場所に

避難しなくてはならない。

この同行避難を『ペットと避難する行動を推奨しているのだから、避難所に

ペットと行くのもOK』と誤解され広まっているのだ。

これは多くの方が、避難する=避難所に行くこと と理解しているからだろう。

 

 避難するとは、危険(難)から逃れる(避ける)行動 である

 

例えば、川が氾濫し水が迫ってきた時に1階から2階に移動するのも避難だ。

最近よく耳にする、垂直避難というもの。

 

環境省がペットと一緒に逃げるよう(同行避難)推奨しているにも関わらず、

避難所にペットが入れないとなると、被災者は途方に暮れてしまう事になる。

その為、避難所でもペットを飼養出来るスペースを確保する同伴避難の必要性を

訴えるようになったのだ。

 

【同伴避難とは】

避難所内にペットの飼養スペースを確保し、同行避難してきたペットも受けられる

ようにする(同伴=同じ避難所)という意味で同室で飼養という意味ではない。

この同伴避難が同室と誤解され広まっている。

同伴避難=同室避難と思っている飼い主さんも多いのだろう。

 

同伴避難については、各自治体が方針を決めており、今では多くの自治体が

同伴避難を推奨してはいる。

 

しかし、同伴避難の方法については各避難所毎に委ねられる。

先日も述べたが、それぞれそこに住んでいる住民の、地域性があり一律に

ルールを決めるのは難しく、その避難所を利用する人々で決めてもらう

必要があるのだ。

避難した後のトラブル回避の為にも。

外に係留なのか、被災者たちとは別室にした屋内なのか、ペット飼養者だけを分けて

別室で同室避難になるのか・・・

 

私の住んでいる地域には、同伴避難を可とし、ペット飼養者は避難所の校庭に

車で避難させる、という方法を取られている避難所があった。

素晴らしいと感じたが、ここまでのルール作りをするのには計り知れない苦労も

あったと思う。

それだけ運営委員、また地域住民の努力が必要になる。

 

自分の大切な家族を守るため、大切な家族と同伴避難出来るよう、

飼い主さん、そして地域のみんなで力を合わせていきたい。

そう願っている。

昨年いろいろ調べているうちに九州の方では

 「九州・山口9県災害時愛護動物救護応援協定 ←クリックで飛びます

というのが締結されているのを知った。

 

台風銀座と呼ばれ台風の上陸で被害に遭うことが多く、関東と比べる

防災意識が高い。ペットの災害対策についてもここまでしっかりと

検討されているのだと非常に驚いた。

 

しかし、本日Yahooで西日本新聞のこんな記事が取り上げられていた。

 

 災害時、ペットはどうすれば・・・飼い主を困惑させる「同行避難」と「同伴避難」

 

 ↑ クリックで元記事にとびます

 

記事の中にこうある。

 

 市は「142カ所の全指定避難所にペット飼育場を設ける」としているが、

 実態は避難所によって違っており、飼い主たちの困惑は今後も続きそうだ。

 

 飼い主の理解を難しくしているのが「同行避難」と「同伴避難」の違いだ。

 

自治体がこれだけ一生懸命ペットの災害対策に取り組んでいる九州でさえも、

まだこちらと同じ混乱が生じている。市民への周知が充分ではない。

 

危機感を持っている自治体

まだそこまで危機感を持っていない市民

 

意識の差なのだろうか。

 

昨年、区主催の災害時のペット対策のセミナーを二度受けた。

そこでは職員さんから

 ・区としては市の方針に基づき、全避難所でペット同行避難可の方針を取っている

 ・但し、受入るかどうかの最終判断は各避難所の運営委員に委ねられている。

  この為、自分たちで積極的に運営委員に働きかけてほしい

と説明された。

後日、同じセミナーに参加した飼い主さんと話をする機会があったのだが

その飼い主さんの気持ちは、

「結局は自分たちでなんとかしろって事でしょ。無理ね。」

 

積極的に働きかけよう!ではなく、逆に、諦めだった。

 

意識の差だけなのだろうか。 

伝え方なのだろうか。

 

これまで災害による大きな被害がなかったこの地域。

家族を守るために本当に大切なこと、どうやったら伝わるのだろうか。

犬との暮らしに役立つ情報を発信されている「わんちゃんホンポ」さん。

 

本日、災害が起きた時に犬の飼い主さんが困ること、困らない為の備えについて

大変わかりやすく紹介されています。

 

 

「災害時に犬の飼い主が困りがちなこと3選! 起こる前に準備しておくべきこととは」

 

 

 (↑クリック頂くと、元記事に飛びます)

 

 記事より一部抜粋 :

  災害時に犬の飼い主が困りがちなことについて、

    ✔愛犬の居場所(避難場所)がない
    ✔愛犬のための生活用品がない
    ✔愛犬が迷子になってしまった

 この3つを取り上げましたが、実際に災害を経験した飼い主さんがとくに困ったと

 される3つです。愛犬の命にも関わる3つですので、じっくり考えてみましょう。

 事前の情報収取と準備が重要です。

 

事前の情報収取、とても大事だ。

しかし、日々仕事などで忙しい中「地域に限定した情報」を収取するのは

思ったより難しい場合がある。

 

我が家のように子供がいない共働きだと、ご近所付き合いがなく

聞ける相手がおらず、かと言ってその地域に限定した情報はネットでは

見つけられない。

 

そのような情報も発信できるようにしていきたい。

全ての飼い主さんが災害でペットと離れ離れになる事のないように、

その想いで取り組みを開始した災害時のペット対策だが、

飼い主さんの中でも特に心配なのが、一軒家にお住いのご高齢の飼い主さん。

特に我が家の周りは多い。

 

マンションなら突然水が来ても階段で上に避難する事が可能だ。

一軒家でも若いご家族であれば、まだ自力でなんとか出来るかもしれない。

しかし、一軒家にお住まいのご高齢の方は取り残されてしまうのではないか。

 

昨年の台風19号の際、

  「猫たちと一緒に避難出来ないから自分はここに残る」

そう言って、亡くなった飼い主さんがいた。

今回の令和2年7月豪雨でも、犬と猫を避難所に連れて行けないからと

避難をためらった為に孤立した飼い主さんも居たとニュースで見た。

 

周りの飼い主さんにペットの同伴避難について話を聞いてみると殆どの方が、

諦めている。

 

昨年9月に地元で行ったアンケートでは下記のような結果。

 

 

「その時は自力で何とかする」と考えている飼い主さんも多い。

それは、自力で何とか出来る可能性があるから(予想外の事が起きる

可能性も勿論ある)。

 

そして災害時のペット対策について話を聞いた時、圧倒的に多いのが

「それだったら、ペット同伴避難専用の避難所を設けてもらうのがベスト」

という意見。

 

だけど、実際昨年の台風19号の時、

  「避難所に連れて行こうとしたら断られた」

そういった内容のクレームが殺到したことからも、地元でペット同伴避難を

望む飼い主さんも居る。

 

もしペット同伴避難専用の避難所を設ける事が出来たとしても、

何か所も設置できるわけではない。

徒歩で行けるような距離でなければ、結局は諦めることにだってなる。

 

だから、地元の徒歩で行ける地域の避難所をペット同伴避難受入可に

するのは重要なのだ。

 

誰も取り残されないように。

災害時のペット対策、昨年の台風19号の時から大きくは変わっていない。

今の状況下、啓発活動等もなかなか難しい。

 

そんな中、災害が近日中に起きることを想定した時、

今すぐに何なら出来るのか、何をしておくべきかを考えてみた。

 

 1.自分の住んでいる場所の指定避難所のペット同伴避難の可否を確認

 

 2.NGだった場合、万が一の時はどのように対応(避難)するか検討しておく

 

 3.ペットの避難用品をまとめておく

   フード・水(最低5日分)・薬予備のリード、首輪・トイレシート

   服用中の薬があれば薬など

 

 4.自宅地域のハザードマップを確認しておく

 

災害時の備えとして、普段から言われていること。

だけど、「いつかやらなきゃ」と考えて、まだ備えていない飼い主さんも

多くいると思う。

 

いつか、じゃなくて、すぐにやってほしい。

 

自分と大事な家族を守るために。

まったく知識のなかった私が1から取り組んだこと、学んだことを記す事で

少しでも誰かの参考になることがあれば・・

そんな気持ちで自身が学んだことを書いてきたが、先日の令和2年7月豪雨、

そして間もなく到来する台風シーズン。

悠長に、自分が気づいた事を記しているだけでいいのだろうか。

そんな焦りが生じている。

 

昨年の台風19号。

私が住んでいる地域でも5万1千世帯、10万人超えの住民を対象に避難勧告が

出され、開設された34か所の避難所には2800人超えの住民が避難。

その際のペットとの同伴避難について、

 ・14か所の避難所でペットが同伴避難

 ・体育館の軒下、或いは外に係留と言われ避難を断念

 ・ケージを持参してなかった為、同伴避難を断られた

 ・半数以上の避難所では最初からペット同伴避難を断られた

上記は把握しているもので、他にも断られたり、トラブルになったケースが

あるかもしれない。

後日、区役所に同伴避難を断られた住民からのクレームの電話が殺到したと

職員さんから聞いた。

 

もし今年も台風が直撃することがあったら、去年と同じ事が起きる可能性が高い。

 

先日も書いたが、避難所はその地域住民によって運営される。

避難所の運営方法はその地域住民によって決定され、ペット受入についても

その地域の住民で受入の可否、また受け入れる場合のルールを決める必要が

ある。

 

本来であれは、地域の防災訓練の際に啓発活動や話し合いが行われる時も

あるらしいのだが、今年は防災訓練自体が出来るのか。

 

そもそも、防災訓練が開催される前に台風シーズンを迎えてしまう。

 

何が出来るか。何を発信すべきか。

自分で自身を守る自助、これが基本

 

先日そう述べた。自助が一番大事。

しかし不測の事態が多々発生する災害時、一人の力だけでは限界がある。

 

昨年、防災士の資格を取るため2日間の講習を受けた時、特に印象に残った

元NHK社員の講師の方の話がある。

 

災害時、テレビで自衛隊やレスキュー隊による救助シーンが流れる。

この映像を多く見ている我々は、

 「災害時は、自衛隊やレスキュー隊の人たちが助けてくれる」

そう思ってはいないだろうか。確かにそれは間違いではない。

ただ、テレビで我々が見ているものだけが全てではない。

 

レスキュー隊などによる救助シーンばかりが放送されるのは、取材班が

現地では必ず彼らと同行しなくてはならないからで、実際その救助数は

全体の2割程度。

テレビで流れない残りの8割、つまり救助のほとんどは家族や隣人同士で

行われているのだ。

 

改めて考えたら当たり前のこと。

発災直後、レスキュー隊が到着するのを待っていられないような状況は

多くあるのだから。

 

その時必要となるのが 

  共助 

これも文字通り、共に助け合うこと。

 

それは、避難所でも必要となる。

 

同じ避難所に避難してきた人同士での共同生活。

長期にわたる時はもちろん、例えそれが一晩の事であっても。

「共同生活」なのだから「共助」が必要。

人任せなのではなく、助け合わなくてはならない。

 

以前は、国が法律で、或いは自治体が条例で「ペット同伴避難可」と

定めてくれたら一発で解決するのに、と考えていた。

でも、地域住人の生活スタイル、都心のような人口密集地、地方のように人口が

密集していない場所、ペットの飼い方、対する考え方。同じ市内であっても、

場所によって全然違い、それぞれ地域性がある。

 

政府や自治体が一律に運営ルールを定めず、何故

 「各避難所の運営方法は、地域住民で決めてください」

という方針を取っているのかが理解できた。

 

その地域で出来る方法を考えていかなくてはならないのだ。

改めて、自分が住んでいる地域はどうなのか、考えるきかっけとなった。