〈未来部育成のページ〉 未来部が大人を巻き込む座談会2024年7月4日

  • 子どもの意見を聞き続けて

福岡県筑後市
赤坂地区の取り組み

 企画「Start! 未来部ファースト」では、全国の創価家族が“今から”“ここから”スタートできる“未来部ファースト”の知恵と心に迫ります。今回の舞台は福岡県筑後市。先月20日に行われた赤坂地区の座談会は、内容の立案も運営も未来部員が担いました。「自分たちでやってみたい」と未来部員が言った、その経緯とは? もう一つの企画「記者も学び始めたこの一冊」では、未来部員との関わりを本格的に開始して3カ月の青年記者が、池田先生の書籍を巡るエピソードを自らの挑戦とともにつづります。

 座談会について自分の意見を言う。それが今や赤坂地区の未来部員にとって“当たり前”になったのは、大人たちが毎月、丁寧に声を聞き、一緒に考えてきたからかもしれない。
 そんな関わりを続けること、かれこれ10年になるという。
  
 「どんなことをやりたい?」。2014年に支部女性未来本部長に就いた鶴川輝美さんは毎月必ず、未来部のもとへ2度3度と足を運び、そう尋ねてきた。最初から明確な返答があるわけではない。子どもたちの興味・関心や頑張っていることなども聞き、それを発表できないか、相談しながら進めてきた。
  

昨年6月に鶴川輝美さん(左端)が未来部員のもとを訪ねた時の一枚

昨年6月に鶴川輝美さん(左端)が未来部員のもとを訪ねた時の一枚

 出てくる意見も、できることも少しずつ増えていく。少年少女部歌の合唱やダンス、司会、楽器演奏、詩の朗読……。皆が心から喜び、たたえてくれる。それが未来部員にとって誇らしくてたまらない。学校の悩みを抱えたメンバーが、座談会で自信を取り戻したこともある。

訪問・激励の際に活用している手作りの勤行表。少年少女きぼう新聞に掲載された池田先生の励ましの言葉を添えて

訪問・激励の際に活用している手作りの勤行表。少年少女きぼう新聞に掲載された池田先生の励ましの言葉を添えて

 こうした達成感を、東内拓夢さん(中学2年)は小学1年の頃から得てきたという。一昨年秋の座談会では、「十界論」を分かりやすく伝える紙芝居を大人と一緒に企画・制作した。未入会だった父・一等さんが参加することになったからである。
  
 父は、未来部員たちが座談会で生き生きと活躍する光景に、感じるものがあったのだろう。その後、「自分も一緒に成長したい」と入会した。

昨年6月、野球の練習に励む東内拓夢さん(中央)のもとへ。入会して間もない父・一等さん(右端)も

昨年6月、野球の練習に励む東内拓夢さん(中央)のもとへ。入会して間もない父・一等さん(右端)も

 未来部員の意見は率直だ。本年5月の座談会終了後、ある少女部員が中原房子さん(地区女性部長)にこう言った。「担当幹部の人の話、分かりづらくて長かったな……」。その人は、日頃から何でも安心して話せる壮年リーダーでもある。
  
 中原さんは、地区部長の岩本直人さんにも相談し、「座談会をより良くするには」という観点から、少女部員の感想も含めて壮年リーダーと共有した。
 壮年は笑顔で一言。「“未来部手づくり”の座談会を一度、やってみるのはどうでしょう? 形式にとらわれず、大人の発想をガラッと変えるためにも」
  
 赤坂地区ではこれまでも、座談会の開催日を二つ設け、そのうち一つを「未来部員が参加しやすい日時」「未来部員向けの内容」にしてきた。しかし企画を一から十まで任せたことはない。未来部員たちに提案すると「やってみたい」。機は熟していたのである。
  
 未来部員同士で、意見を出し合った。大人は決して口を出さずに、見守るだけ。祈るのみ。さて、いかに――。
  
    

司会はもちろん、未来部員!(先月20日)

司会はもちろん、未来部員!(先月20日)

 迎えた当日。未来部員による司会と題目三唱から始まって、VODの教学アニメ「雪山の寒苦鳥」を視聴した。目隠しをして触った物を当てるゲームは、大盛り上がり。「雑談」と題したコーナーは、未来部員が用意した質問に答える形で進んだ。

ピンと背筋を伸ばして

ピンと背筋を伸ばして

目隠しをして触った物を当てるゲームで、少女部員が大正解!

目隠しをして触った物を当てるゲームで、少女部員が大正解!

「雑談」コーナーでは進行役の未来部員が“変装”して会場を盛り上げる

「雑談」コーナーでは進行役の未来部員が“変装”して会場を盛り上げる

 “お互いをもっと楽しく知れるように”との狙い通り、それぞれの発言に笑いあり、「そうだったんだ!」と驚きの声もあり。少年少女の描いた絵画の紹介や、手品の披露に笑顔が広がる。誕生日を迎えた女性部の友に、くす玉を割る“サプライズ”も。あっという間の45分。「大成功!」とピースサインを掲げる未来部員に、参加者全員から大きな拍手が送られた。

テンポよく進む語らいに、思わず声を上げてアッハッハ

テンポよく進む語らいに、思わず声を上げてアッハッハ

笑顔また笑顔

笑顔また笑顔

少年部員が自ら描いた絵画について説明。みんな興味津々

少年部員が自ら描いた絵画について説明。みんな興味津々

参加者の中には生後間もない“未来の未来部員”も

参加者の中には生後間もない“未来の未来部員”も

誕生日おめでとう!

誕生日おめでとう!

「大成功!」――赤坂地区の座談会で、未来部員がピースサインを掲げて(先月20日)。中等部の東内拓夢さんと中原恵子さんは、座談会の準備を進めながら教学部任用試験の勉強も重ねてきた。2人とも見事に合格! 拓夢さんの父・一等さんも合格を果たした

「大成功!」――赤坂地区の座談会で、未来部員がピースサインを掲げて(先月20日)。中等部の東内拓夢さんと中原恵子さんは、座談会の準備を進めながら教学部任用試験の勉強も重ねてきた。2人とも見事に合格! 拓夢さんの父・一等さんも合格を果たした

 企画を担った未来部員たちが別室に移動して、輪になった。「楽しかった!」「うれしかった!」等と、弾む声が次々と。女子中等部員が言葉を継いだ。「でも、ちょっと“お楽しみ会”っぽくなっちゃったかな」
  
 そもそも、座談会って何だろう。やる目的って何だろう。新しい挑戦をしたからこそ、新しい問いが生まれたに違いない。
  
  

先月23日に行われた、赤坂地区のもう一つの座談会。新来者も参加して楽しく

先月23日に行われた、赤坂地区のもう一つの座談会。新来者も参加して楽しく

 その3日後、赤坂地区のもう一つの座談会が開かれた。雰囲気がこれまでと少し違う。リーダーの話も一方的にならないよう、参加者に頻繁に声をかけ、やりとりしながら進めていく。子どもたちも楽しそう。
  
 未来部員が語っていた言葉がある。
 「うちの座談会って学びがあるよね」

赤坂地区の座談会に集った友が朗らかに(先月23日)

赤坂地区の座談会に集った友が朗らかに(先月23日)

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