〈師弟の絆 我らの誓い〉 パナマSGI マイレス理事長 ゴンサレス婦人部長2024年7月2日

  • 池田先生「持続の信心こそ大願成就の力」
  • 青年を先頭に社会貢献

旧・パナマ文化会館に集った同志に万感の励ましを送る池田先生。師との出会いに、友の歓喜があふれた(1987年2月)

旧・パナマ文化会館に集った同志に万感の励ましを送る池田先生。師との出会いに、友の歓喜があふれた(1987年2月)

 本年は、1974年3月18日の池田先生の中米パナマ初訪問から50年。“パナマの平和の主役に”との先生の励ましの言葉を胸に、同国の友は若き力を先頭にして、全国各地で希望のスクラムを広げている。カルロス・マイレス理事長、エディルダ・ゴンサレス婦人部長に、地域に開かれたパナマSGIの取り組みについて聞いた。

カルロス・マイレス理事長

カルロス・マイレス理事長

エディルダ・ゴンサレス婦人部長

エディルダ・ゴンサレス婦人部長

 ――池田先生の初訪問50周年という重要な節目を迎えました。

 カルロス・マイレス理事長 渾身の励ましを送り続けてくださった池田先生、そしてパナマ広布に尽力してくださった草創の同志に、最大の感謝をささげたいと思います。私たちは今こそ師匠への報恩の誓いを果たすとの思いで、かつてない弘教拡大に挑み、自身の人間革命の実践に挑戦しています。

 エディルダ・ゴンサレス婦人部長 本年1月に、池田先生の初訪問50周年を記念する展示がパナマ文化会館でオープンしました。池田先生とパナマ各界の指導者や教育機関との交流、パナマの広布史を紹介する内容になっています。パナマ大学など、全国各地でも展示を開催する予定です。

 ――池田先生は1974年、81年、87年と3度にわたってパナマを訪問されました。

 ゴンサレス婦人部長 初訪問は、“夢がかなった瞬間だった”と草創の先輩方は口々に語っています。先生は、パナマの初訪問の様子を小説『新・人間革命』第19巻「凱歌」の章でつづってくださいました。小説で山本伸一会長はこう語っています。

 「一時は、華やかに活躍していても、迫害に負けたり、あるいは、わがままになって慢心を起こしたりして、退転する人もおります。大聖人も『受くるは・やすく持つはかたし・さる間・成仏は持つにあり』(全1136・新1544)と仰せです。信心の肝要は持続にこそある。持続は力であり、持続のなかにこそ、大願の成就があります。どうか、パナマの皆さんは、一生涯、地道に信心を貫き通していただきたい」

 この言葉は今も深く、私たちの心に刻まれています。
 87年の訪問の折には、長編詩「パナマの国の花」を贈ってくださいました。私自身の信心の原点であり、この時の感動は、今でも忘れられません。

池田先生のパナマ初訪問50周年から、さらなる飛躍を!――師への誓いを胸に前進する青年部の友

池田先生のパナマ初訪問50周年から、さらなる飛躍を!――師への誓いを胸に前進する青年部の友

 マイレス理事長 私は84年、家族に信心を勧められて入会しました。最初は懐疑的でしたが、先生の書籍を読む中で、「人間革命」や「宿命転換」の哲理に触れ、「この仏法は決して“おすがり信仰”ではなく、理にかなった宗教だ」と確信しました。
 池田先生が87年に訪問された際、諸行事の運営に役員として携わりました。この時、先生は、私たち運営役員のグループを、著名な探検家の名を冠した「バルボア・グループ」と命名してくださいました。どこまでも同志を励まし抜く先生の姿に心から感動し、先生の弟子として生き抜こうと決意しました。
 その後、私たちパナマSGIは大きな困難に直面しました。91年の第2次宗門事件で、何人かの幹部が退転するなど、師弟の絆を分断しようとする宗門の圧迫に苦しめられたのです。しかし、3度の訪問で刻まれた先生との原点を胸に、「大切な同志を必ず守り抜くんだ」と、マルティネス前理事長(故人)を中心に、異体同心の団結で苦難を乗り越えました。

 ――パナマの同志は師弟の絆を胸に、「持続の信心」で社会に信頼と共感を広げてきました。これまでの池田先生の平和・文化・教育への貢献にも、高い評価が寄せられています。

 ゴンサレス婦人部長 先生は名門学府であるパナマ大学へ3度の訪問を重ね、総長や学生たちとの交流を通して、日本とパナマの友好の道を開いてくださいました。2000年には、池田先生に、パナマ大学からアジア人初となる「名誉博士号」が授与されています。また同大学のキャンパス内には、「池田大作公園」「池田香峯子庭園」が広がり、池田先生が作詞された「母」の歌詞が台座の銘板に刻まれた「母子像」が立っています。
 本年3月には、先生の初訪問50周年の記念コンサートに、パナマ大学交響楽団も出演するなど、同大学との交流は今も続いています。

パナマ大学のキャンパス内に広がる「池田大作公園」

パナマ大学のキャンパス内に広がる「池田大作公園」

同大学の「池田香峯子庭園」

同大学の「池田香峯子庭園」

池田先生の「母」の歌詞が台座に刻まれた「母子像」が立つ(パナマ大学のキャンパスで)

池田先生の「母」の歌詞が台座に刻まれた「母子像」が立つ(パナマ大学のキャンパスで)

 ――パナマSGIとして現在、特に力を入れていることは何でしょうか。

 マイレス理事長 青年の声を大切にし、青年が中心になって企画する取り組みに注力しています。青年部のメンバーが成長できる、さまざまな新しい機会をつくれないかと、常に考えています。

 例えば、池田先生の平和提言をもとに社会問題等について議論する場として、毎年、青年部主催の「平和フォーラム」を行ってきました。

 その中で、「平和提言から学んだことを実践で示したい」「より多くの若者を巻き込みたい」「家族も気軽に参加できるようなイベントを行いたい」といった声が寄せられるようになりました。こうした青年部の声を結集して生まれた取り組みが、「平和の行進」です。

 17年から3年連続で、平和への連帯や非暴力を訴えるカードを掲げて、パナマ市の海岸沿い通り「シンタコステラ」をはじめ、三つの都市で行進を実施しました。

 参加者に池田先生の平和提言の冊子を配布したり、青年部のブースを設置したり、環境問題やジェンダー平等を考えるワークショップを行ったりしました。これには、多くの市民が参加し、各種メディアにも取り上げられました。

青年部が始めたパナマSGIの「平和の行進」。「私が平和をつくる」「あなたも変革の行動を」――連帯を呼びかける横断幕などを掲げて首都パナマ市の海岸沿いを行進した(2019年3月)

青年部が始めたパナマSGIの「平和の行進」。「私が平和をつくる」「あなたも変革の行動を」――連帯を呼びかける横断幕などを掲げて首都パナマ市の海岸沿いを行進した(2019年3月)

 ゴンサレス婦人部長 その取り組みがさらに発展し、19年には「チームソウカ」というグループが発足しました。「チームソウカ」は主に青年部で構成され、池田先生の平和提言やSDGsをテーマに、環境団体やNGO、大学教授などを招待したワークショップを開催。コロナ禍にあっても、「チームソウカ」はオンラインイベントを開催し、SDGsの目標ごとに学び合ってきました。

 また“私たちができるSDGs”をキーワードに、さまざまな実践に挑戦しています。

 例えば、パナマ文化会館で、リサイクルできるものを回収して、ボランティア団体に届けたり、周囲の住民にも呼びかけ、家庭や公園などで瓶や缶、ダンボールを集め、リサイクル業者に持ち込んだりなどしました。メンバーの中には、自主的に地域の人と海岸沿いのゴミ拾いに取り組んだり、家庭菜園を始めたりしている人もいます。こうした運動が各地で繰り広げられていることに、喜びでいっぱいです。

 これからも、時代を動かす青年たちの声を、私たちの活動に反映させ、より良い社会の実現に貢献していきたいです。

 マイレス理事長 パナマSGIは今、池田先生の初訪問の時から4倍の陣列に拡大し、12本部34支部に発展を遂げました。私たちは、人材拡大の結果をもって初訪問50周年を荘厳しようと、会員や友人など5万人への励ましの対話運動に取り組んでいます。

 また池田先生の指導に学び、“会合と個人指導の比率を2対8に”との指針のままに、最前線のグループ(日本のブロック)に焦点を当てた活動を推進しています。

 ここまで前進することができたのは、池田先生の励ましがあったからです。今度は弟子である私たちが後を継ぎ、新たな道を開く番です。2030年を目指し、パナマ広布のさらなる飛躍へ、皆で信心の実証を示していく決意です。