〈華陽*GOSHO TIME〉 ~池田華陽会 御書30編を学ぶ~2024年6月18日

  • 今回の研さん御書「千日尼御前御返事(雷門鼓御書)」

 「華陽*GOSHO TIME」では、「池田華陽会 御書30編」から御書の一節と池田先生の指導を学びます。今回は「千日尼御前御返事(雷門鼓御書)」の一節を拝し、師を求める弟子の信心について学びましょう。華陽カレッジや日々の研さんなどでご活用ください。(隔月程度で掲載予定)

拝読のポイント
★師弟の絆は距離や時間を超える
★真っすぐに師匠を求める信心に、一切の勝利の要諦がある

本抄について

 本抄は、弘安元年(1278年)閏10月、日蓮大聖人が、身延の地から遠く離れた佐渡の女性門下である千日尼に与えられたお手紙です。
 千日尼は、夫・阿仏房と共に、佐渡流罪中の大聖人に帰依し、命を懸けて大聖人をお守りした純真な門下です。佐渡の厳しい寒さの中、食べる物も満足にない大聖人の身を案じ、用意した食料を阿仏房に託して届けるなど真心で支えました。流罪人を助けたことを理由に、夫妻は、住まいを追われ、罰金を科せられるなどの難を受けましたが、それでも揺るがぬ信心を貫きました。
 千日尼は、大聖人が身延に入山された後も、一層の求道心を燃やし、毎年のように阿仏房を大聖人のもとへ送り出し、御供養を届けました。その真心あふれる千日尼を最大に称賛し、師弟の絆は、距離や立場を超えると教えられたのが本抄です。
 池田先生は本抄について、「遠く離れた師と弟子による心と心の交流のドラマを凝縮した、一幅の名画のようなお手紙」であるとつづられました。
 今回は、永遠に変わらない勝利の要諦である「師弟」について、学んでいきましょう。

御文

 御身は佐渡国におわせども、心はこの国に来れり。仏に成る道もかくのごとし。我らは穢土に候えども、心は霊山に住むべし。御面を見てはなにかせん、心こそ大切に候え。(新1746・全1316)

現代語訳

 あなたの身は、佐渡の国にいらっしゃいますが、心はこの国に来ています。仏に成る道もこれと同様です。私たちは穢れた国土におりますが、心は霊山浄土に住んでいるのです。お顔を見たからといってどうなりましょう。心こそ大切です。

解説

 当時、千日尼は“もう一生涯、大聖人とお会いすることはできない”という寂しい思いを抱えていたようです。大聖人が、その心中を深く思いやり、“心は常に私と共にあるではないか”と確信を込めて述べられたのが、この一節です。弟子が師匠を真っすぐに求める時、師弟の心は、物理的な距離も、時間も、瞬時に超え、通じ合っていきます。大聖人は、仏法における師弟の根本は、どこまでも心の絆にあることを教えられました。
 そして、師弟の道と同じように、仏に成る道も、「心こそ大切」であると述べられているのです。
 私たちは、悩み多き青春時代にあって、自信をなくしたり、未来に希望を見いだせなくなったりすることもあるでしょう。しかし、絶対勝利の信心を確信し、強き心で立ち向かう時、あらゆる課題や困難を、自身の成長のチャンスとし、現状を変えていくことができるのです。その強き心を引き出す源泉が師弟です。
 池田先生は、「『戸田大学』で恩師から一対一の薫陶を受けたように、日本中、世界中の青年たちと、この書を通して命と命の対話を交わしたい」との思いで、小説『新・人間革命』をつづられました。
 悩んだ時、小説『新・人間革命』を開き、先生の心に触れていくこと。決意に燃える時、「先生だったらどうされるか」と思いをはせ、真剣に祈ること。私たちが、日々の生活の中で、師匠の心を感じ、行動に変えていくことこそ、一切の勝利を開く師弟不二の戦いと言えます。
 さらに、先生は常に、池田華陽会に対して「一人も残らず幸福に」と願い、呼びかけてくださいました。私たちが、この信心で幸福になり、周囲にも希望を広げていくことが、師匠の心に応えていく直道です。
 「池田華陽会 永遠の五指針」には、「永遠に師弟勝利の門を開く」とあります。師匠の名前を冠する池田華陽会の誇りを胸に、一人一人が師弟の絆を確信し、桜梅桃李の使命の華を咲き薫らせていきましょう!

池田先生の指導から

 「師と共に、広宣流布に尽くそう!」
 「師と共に、皆に励ましを贈ろう!」
 そのように“誓う”心の発露には、立場も役職も関係ない。距離も関係ない。池田華陽会の歌「華陽の誓い」に込められた「誓い」の二字。今の皆さん方が、青春の、わが誓いを果たし抜いていくなかで、いかに壮大な広宣流布の勝利の劇が織り成されていくことか。
 そして、皆さんの「青春のスクラム」が、未来永遠の希望の鑑として仰がれていくことは、絶対に間違いないのである。(『華陽の誓い』)
 ◆ ◆ ◆ 
 たった一輪の花でも、すさんだ空気を一変させる。大事なのは、自分の環境を、「少しでも変えていこう」「よくしていこう」という「心」であり「決意」です。
 いわんや、真剣な信心の「心」で戦った人の人生が、生き生きと変わらないはずはない。幸福に、裕福にならないはずは絶対にない。それが仏法の方程式です。
 「心一つで変わる」。それは、人生の不思議です。しかし、まぎれもない真実です。(『方便品・自我偈講義』)

池田華陽会 励ましカード

 池田華陽会の友の疑問や悩みに答える「励ましカード」が、こちらからダウンロードできます。メンバーや友人に渡すなど、“つながるプロジェクト”の推進等にご活用ください。

Q.師弟の絆をさらに深めていきたいです!

Q.ついネガティブに考えてしまいます。悩みを前向きに捉えるには、どのようにしたらよいのでしょうか?