名字の言 野球界のために――ダルビッシュ投手の挑戦2024年6月15日

 日本人で3人目となる日米通算200勝を達成した大リーグのダルビッシュ有投手。先発登板による勝利だけで大台に到達したのは、史上初の偉業である▼彼の武器は、球界随一の多彩な変化球。その投げ方を動画サイトなどで惜しげもなく公開してきた。苦労してつかんだ極意。それを明かすことは、勝負の世界では不利に働く場合もある。だが“共有しないと他の選手の可能性の芽を摘んでしまい、野球界のためにならない”と断言する▼一方、37歳のベテランとなった現在も、後輩たちの投法を学び、時には彼らに質問しながら、新たな変化球を探究し続ける。そうした姿勢が、選手間で最新の技術を伝え合う“成長の好循環”を生み出している▼自分の経験を伝えることで周囲を高める。そして周囲から学ぶことで自身を高める。この切磋琢磨は、学会の人材育成の伝統でもある。その上で何より大切なのは「まず自分自身が挑戦すること」だろう。自らを鍛え、磨き上げていく向上心がなければ、周囲との触発も生まれない▼かつて池田先生は語った。「まず自分が戦う。まず自分が見本を示す――私も青年部時代から、その決心でやってきた」と。我らも主体者の自覚で、広布の新たな一ページを!(幸)