〈社説〉 2024・6・12 絶対に無事故で!2024年6月12日

過信を排し、危険に備える

 警察庁によると、小学生以下の子どもの交通事故(2019~23年)では、5~6月の死亡・重傷者の数が最も多かったという。また、発生時刻については、午後3~5時が多く、下校の時間帯と重なっている。
 
 かつての交通標語に「青だけど 車はわたしを 見てるかな」とあった。残念ながら、信号に従っても事故に遭いかねない現実がある。家庭内で交通ルールを改めて確認し合うとともに、周りをよく見て行動することが大切だ。
 
 ある路線バスの運転手は入社以来、無事故を貫いている。高齢者を含む乗客の乗り降り、自転車や歩行者の動きなど、さまざまな状況を想定しつつ、日々のバス運行に取り組んでいる。事故を起こさないよう、何を心がけているかを尋ねたところ、運転手は①体調を管理する②できるだけ危険予測を立てつつ、経験を積む③小事が大事と捉え、小さなミスを必ず修正する④感情的にならない――との具体例を挙げた。
 
 多くの交通事故がヒューマンエラーに由来するという。それゆえ「日頃から、危険を回避できるよう注意を重ねていくことが重要です」と運転手は語った。
 
 安全を守る上で、一般のドライバー、歩行者にも必要な心得であるとともに、火災や他の事故の防止にも通じよう。
 
 御書に「賢人は安きに居て危うきを欲い」(新1323・全969)とある。安全な場所にいるときから危険に備えることが、賢人の行動である。
 
 また、日蓮大聖人は門下への励ましの中で、「心にふかきようじんあるべし」(新1600・全1176)、「さきざきよりも百千万億倍御用心あるべし」(新1590・全1169)など、度々、油断を排するよう仰せである。
 
 無事故への注意を喚起するためには「声をかけること」が大切だ。創価学会の会合等では「絶対に無事故で」と呼びかけている。
 
 「絶対」とは「断じて。どんなことがあっても必ず」(広辞苑)との強い意志を表す。多忙な日々の中でも「絶対に事故を起こさない」と強い意識を持つことが肝心である。「これぐらいなら大丈夫」と過信しない。“魔”につけ入る隙を与えない。その一念が事故を未然に防ぐ行動につながる。
 
 無事故・安全が日々の勝利の礎であることを肝に銘じたい。