名字の言 励ましの慈雨2024年6月5日

 梅雨の沖縄。豪雨には警戒が必要だが、渇水状況が続いた沖縄では、恵みの雨といえるかもしれない▼雨を題材にした童謡といえば「あめあめ ふれふれ かあさんが じゃのめで おむかえ うれしいな」で始まる北原白秋の「アメフリ」が有名だ。そこに描かれる、母親が迎えに来るうれしさ、雨にぬれる友に傘を差し出す友情……。雨も捉え方次第ということか▼那覇市に住む50代半ばの壮年部員は昨年秋、妻を病で亡くした。葬儀には女子部時代の友をはじめ、多くの同志の姿があった。“これだけの人に愛されていたのか”。温かさが心に染みた▼葬儀が終わり、壮年は孤独感にさいなまれたが、その後は週3回、壮年部の友とオンラインで結んで題目を唱えるように。その中で育まれた絆が支えとなった。彼は今、地区内を歩き、メンバーに励ましを送っている▼10年、20年と雨が降らない砂漠に、たっぷりと雨が降ると、一夜にして花園になる――かつてこの話を通して、池田先生は沖縄の地で語った。「人間社会にも『励ましの慈雨』を待ち続けている心がたくさんあるにちがいない。決して砂漠の中に放っておいてはならない」と。さあ今日も決意に燃え、励ましの慈雨をあの友、この友に!(結)