〈ONE GOSHO この一節とともに!〉 三世諸仏総勘文教相廃立2024年5月26日

  • 一人の勝利が皆の勇気に

男子部教学室編

 今回は「三世諸仏総勘文教相廃立」を研さんします。全ての人に無限の可能性があり、万人が平等に成仏できることを説いた仏法の哲理を学びます。

御文

 この十法界は一人の心より出でて、八万四千の法門と成るなり。一人を手本として一切衆生平等なること、かくのごとし。(新714・全564)

通解

 この十界は一人の心から生み出されて八万四千の法門となるのである。そのようにして、この法門は、一人を手本として、いかなる人にも等しく当てはまるのである。

背景

 本抄は、弘安2年(1279年)に著されたとされますが、詳細は不明です。略して「総勘文抄」とも呼ばれます。
 題号にある「三世諸仏総勘文」とは、“三世のあらゆる仏の総意で決めた文言”という趣旨です。
 「教相廃立」とは、釈尊が衆生に説いた教えの違いを立て分け、方便を捨てて、真実を取ることをいいます。ここでは、方便の権教を廃し、実教の法華経を立てることを指します。
 本抄ではまず、仏が九界の衆生の機根に応じて説いた随他意の教えである「化他の経」と比較し、仏の内心の覚りをそのまま説いた随自意の「自行の法」である法華経こそ、真実の教えであることが示されます。
 そして、諸仏がこの世に出現した究極の目的は法華経を説くことであり、仏法流布の国土に生まれた門下に、必ずこの一生で成仏するよう励まされ、本抄を結ばれています。

解説

 拝読御文では、“十法界(十界)は一人の生命(一念)から生まれ出て、八万四千の法門となる”とあります。
 八万四千とは具体的な数を示したものではなく、釈尊が万人成仏という最極の法理を明かすために、一生のうちに説いた全ての法門を指します。その膨大な法門の一切が、一人の人間の生命におさまっていることを教えられています。
 続いて、「一人を手本として、いかなる人にも等しく当てはまる」と仰せです。私たち衆生も、日蓮大聖人の闘争を手本とする中で、自身の胸中に仏の生命を開き顕せることを明かされています。
 全ての変革は、無限の可能性を秘めた一人の心から展開されていきます。それは、個人の内面だけにとどまるものではなく、「一人」の成仏が、「万人」の成仏につながることを示されています。
 大聖人が説かれた、この原理を、現実に証明してきた唯一の団体が創価学会です。とりわけ、牧口常三郎先生、戸田城聖先生、池田大作先生の創価三代の会長は、万人を幸福に導くために、いかなる迫害の嵐にも屈することなく、不惜身命の大闘争を貫きました。
 全国・全世界の同志は、その姿を模範と仰ぎながら、日々、行学の実践に挑戦しています。強盛な信心を根本に、悩みや課題を乗り越えた“勝利のドラマ”は、枚挙にいとまがありません。
 聖教新聞をはじめ、世界の機関紙誌には、奮闘輝く友の信仰体験があふれています。その内容は多彩ですが、共通して描かれているのは、師匠や同志の激励を支えに奮い立ち、たくましく前進し続ける姿です。
 一人の雄姿が、多くの人々の胸に希望の灯をともし、勇気が伝播していく――。互いに触発し合う創価の善の連帯は、今や192カ国・地域に広がっています。
 かつて池田先生は、後継の友につづりました。
 「一人の生命が、いかに偉大な光を放つか。全人類を包含する十界互具一念三千の普遍の法理を掲げ、人間革命の実証を世界中で示しているのが創価の師弟である。広布の地平を開くのは若き地涌の熱と力だ。誠実に一人の若人の心をつかむことは、万人に通ずる。わが男女青年部よ、新時代の勇敢なる開拓を頼む!」
 師匠の限りない期待に応える時は今! 7・11「男子部結成記念日」に向けて、広布拡大を勢いよくリードする“模範の一人”になるべく、自身の境涯革命を懸けた勇気の折伏と真心の訪問・激励に挑み抜いていきましょう!