〈SUA卒業式〉 フィーゼル学長の祝辞2024年5月26日

創立者の実践を受け継ぐ決意で

 卒業生の皆さん、おめでとうございます。
 
 コロナ禍のただ中にあって、学部生の皆さんと初めてオンラインで顔を合わせたことが、昨日のことのように思い起こされます。あの時、大変な時期でしたが、皆さんの明るい声や、将来の夢を聞き、私自身、大きな刺激を受けました。今日まで、懸命に勉学に励みながら、SUAの発展に貢献してくれた皆さんに心から感謝します。
 
 また、真摯に知識を追究し、教育という真の価値を創造しようとする大学院生の皆さんの姿勢に、私は多くのことを学ばせていただきました。
 
 昨年11月、創立者・池田先生が、95歳でご逝去されました。この重要な時期にSUA生として学んでいたことは偶然ではないと確信します。私たちはSUAの一員として、池田先生がこれまで進めてこられた実践を受け継ぐ決意を新たにしました。
 
 皆さんは今、世界市民になるという私たちの使命に基づき、これから地域社会の平和のチャンピオンになるための、次なる挑戦を開始します。
 
 20期生が入学した際のメッセージで、池田先生は「『何があろうと学び抜く』と決めた青春は、断じて負けません」と訴え、次のように語られました。
 
 「アフリカの人権の大英雄ネルソン・マンデラ翁と、私は若き世界市民による平等と尊厳の連帯を展望しました。非暴力の対話によって歴史を変革したマンデラ翁は、人生において最も困難なことの一つとして、“自分自身を変革すること”を挙げておりました」
 
 また、大学院生の皆さんが入学した際には、「尽きることのない希望も勇気も智慧の泉も、一人一人の生命の中にある。それを涌現させていくならば、個人の幸福も、社会の平和と繁栄も必ず実現できる」と呼びかけ、アフリカの環境運動の母であるワンガリ・マータイ博士の次の言葉を紹介されました。
 
 「希望は花のようである。どんな状況においても、誰が見ていようがいまいが、花は精一杯、咲き誇る。人間もまた同じである」と。
 
 今後、皆さんが夢の頂へと登りゆく時、こうした言葉に立ち返ることを願っています。