〈インタビュー〉 「明治座 松平健 芸能生活50周年記念公演」2024年5月23日

  • 7月6日(土)から ※10月に大阪、来年1月に福岡を予定

 江戸幕府の8代将軍・徳川吉宗を演じたドラマ「暴れん坊将軍」シリーズは、若い世代を中心に時代劇の視聴者層を広げるきっかけになった。歌と踊りのパフォーマンス「マツケンサンバⅡ」は“マツケン旋風”を巻き起こし、今も幅広い年代から人気を集めている。そんな代表作を生み出してきた松平健さんが、東京・明治座などで芸能生活50周年を記念する公演を行う。同公演の見どころや、これまでの活動について聞いた。

◆つらい時期は誰にでも。
努力は“何か”の役に立つ

 ――本公演は芝居とショーの2本立てで、これまでの多彩なキャリアをギュッと詰め込んだ、ぜいたくな舞台ですね。

 50周年といっても、これまでと何も変わらず、お客さまに楽しんでいただくのが基本です。最初に私が世に出るきっかけとなった「暴れん坊将軍」を(1部の演目で)感謝の思いで改めてやらせていただく。それが、私の“50年の節目”になります。

 2部は「歌と踊りのショー」ですから、お客さまにもリズムに乗っていただき、みんなで盛り上がりたいと思っています。
 

 ――暴れん坊将軍の普遍的な魅力とは?

 大人が見ても、子どもが見ても害がない(笑)。悪いことをすると最後は“成敗”される、という教えもあります(笑)。

 嫌いだった歴史が好きになったとか、親・子・孫と3世代で見てきたという方もいらっしゃいますが、日本人の好きな“思いやり”や“人情”がたっぷり込められていることが、人気につながっているのかもしれません。
 

 ――「マツケンサンバⅡ」は、今もリバイバルブームが続いています。

 元々は、「リオのカーニバルを着物でやったら面白いのでは?」と発案したことがきっかけでした。当初、キラキラの衣装を見たお客さまは引いていましたね(笑)。今の時代は、YouTubeにアップすると、若い人が中心になって広げてくれて、こんなにも話題になるのかと驚いています。
 

 ――芸能活動を50年にわたって続けてこられた原動力とは?

 “お客さまに喜んでいただける”というのが一番です。俳優として、いろんな役の人生を生きられるというのも、やりがいです。こんなすてきで、楽しい仕事はないなと。

 つらい時期は誰にでもありますが、私はそんな時、“これは人生の修行だ”と決めてきたので、あまり落ち込むことはなかったです。母親の影響かな。ずいぶん苦労をしていましたが、文句一つ言わず、耐える人だったので。

 今は、“将軍様”のブランドイメージがあった頃と違いますし、こだわらず、何でもやらせていただこうと思っています。
 

 ――松平さんのご経験から、若い世代にアドバイスを。

 小さくてもいいから、目標を持つということですかね。目標に向かって努力することが大切です。私自身、努力して無駄だったことはないので、必ず“何か”の役には立つと思うんです。

 そして、目標を成し遂げたら、次の目標を見つけてほしい。経験は全て身になりますから。
 

◆プロフィル

 まつだいら・けん 1953年11月28日生まれ、愛知県出身。78年、テレビ時代劇「暴れん坊将軍」の主役に抜てきされ、約25年にわたって演じた。テレビのほか、映画や舞台など活躍の場を広げ、2004年にリリースした楽曲「マツケンサンバⅡ」が大ヒット。近年では、公式YouTubeチャンネル「マツケンTube」を開設し、老若男女を問わず人気を集める。

【記事】木村英治 【写真】宮田孝一
 

◆公演情報

 第1部は芝居「暴れん坊将軍」、第2部はショー「マツケン大感謝祭~歌って踊って~オーレ!」。「“上様”と一緒に“踊り明かそう♪”」とのキャッチコピーの通り、ゲストに演歌歌手の市川由紀乃、辰巳ゆうとを迎え、華やかな“お祭り公演”を届ける。

 【日時・会場】7月6日(土)~31日(水)11時/16時30分開演 東京・明治座 ※9日(火)、18日(木)、19日(金)、20日(土)、22日(月)、25日(木)は貸し切りのみ。16日(火)は休演。日により公演回数は異なる。
 
【料金】S席1万3500円、A席6500円(税込み)
 
【一般発売】5月25日(土)から
 
【問い合わせ】明治座チケットセンター 03(3666)6666
 
公演の公式ホームページはこちら
 
※同公演は、10月に大阪・新歌舞伎座、来年1月に福岡・博多座でも開催予定。