名字の言 若い社員が見ているのは…?2024年5月21日

 東京商工会議所が、本年度の新入社員の意識調査の結果を発表した。就職先でいつまで働きたいかとの問いには「チャンスがあれば転職」との回答が26%となり、「定年まで働きたい」の21%を上回った▼では実際に辞めていく人は、数年間でどのくらいいるのか。3年以内の離職率は大卒者で約3割。「最近の若者は……」との声が聞こえそうだが、この数字は、実は十数年の間あまり変わっていない▼いつの時代も、自分の将来は安泰だと思えれば辞めようとはしない、と言うのは起業家の坂井風太さん。その上で終身雇用の維持が難しい現代は“いざ転職を迫られた時、今の会社でしか通用しない自分では困るという危機感を抱く若者が多い”と指摘する(「潮」6月号)▼そんな若者が見ているのが「半径5メートル以内の人間関係」。身近な先輩が実力を磨き、輝く存在でなければ“自分はここで働いていていいのか”と不安になるという。先輩の姿が鍵ということだ▼私たちが目指す「人間革命」は、まず自分が変わり、周囲を変えていく運動である。この挑戦を貫く人には、常に成長があり、充実がある。先輩が後輩に模範を示し、人材を育む学会の庭。そこで培われる力は、社会でも光を放つはずである。(教)