名字の言 ピンチこそ新たな可能性を開く好機2024年5月12日

 会社で人事を担当する知人が、面接の際に心がけていることを教えてくれた。それは「ピンチの時にどうしたか」を聞くこと。華麗な成功談ではなく、苦しかった時の経験を聞く方が、その人の実像に迫ることができる、と▼ある男子部員は4年前の春、会社を辞職。上司から「君は期待外れだった」と吐き捨てられ、ひどく落ち込んだ▼彼は“題目しかない”と、御本尊に向かった。祈る中で新たな専門性を磨き、母校であるアメリカ創価大学で培った語学を生かせるキャリアを目指そうと決意。米国公認会計士の資格取得に挑戦することにした▼だが、それは前職とは畑違いの分野。参考書を開いても、なかなか理解が進まない。“すぐに再就職すべきだったのでは”と思い悩んだ日もあったという。それでも題目で不安を打ち破り、必死に学ぶこと2年。ついに難関の試験を突破し、さらに大手監査法人に就職を果たした。彼は面接でこう語った。「苦労は財産だと学びました。何事も率先して挑戦します」▼御書に「わざわいも転じて幸いとなるべし」(新1633・全1124)と。苦難の時こそ、力を磨き蓄え、新たな可能性の地平を開く好機だ。信心の火を燃やし続ける限り、逆境は大成の“母”となる。(藍)