〈社説〉 2024・5・4 「共戦」「正義」の揮毫から45年2024年5月4日

師と共に、同志と共に前進

 先日、神奈川文化会館の見学に訪れたアメリカSGIの女性メンバーたち。ある展示の前で、一人の友が声を上げた。
 
 「これが、あの『共戦』の書ですね。なんと力強い!」
 
 真剣に見つめる一行。詳しい説明は必要なかった。小説『新・人間革命』で学んでいるという。
 
 案内役のスタッフに、青年世代の友が笑顔で語った。
 
 「“共戦の弟子”である日本の同志がいたから、私たちは仏法に出合えたのですね」――。
 
 45年前、学会は悪侶と退転者らの策謀の嵐にさらされていた。1979年4月24日、池田先生が第3代会長を辞任。5月3日、八王子での本部総会は実質的な会長辞任式となった。会場を出た池田先生の元に、「先生!」と涙を浮かべて駆け寄った女性たちもいた。
 
 その直後、先生は書をしたためる。「大山」そして「大桜」。広布への揺るぎない決意と同志の幸福への祈りを込めて。
 
 同日夜、先生は神奈川文化会館へ。そこでしたためたのが「共戦」の書である。脇書には「生涯にわたり われ広布を 不動の心にて 決意あり 真実の同志あるを 信じつつ 合掌」と記した。
 
 そして5日、先生は同会館で「正義」と揮毫を。「われ一人正義の旗持つ也」と脇書をした。
 
 会長を辞任してなお、先生はあらゆる障魔の矢面に立って同志を守り、広布の道なき道を開いた。当時したためられた書は、すぐに発表されたわけではない。しかし先生の心に呼応し、「真実の同志」たちが陸続と立ち上がった。師と弟子の、戦う魂の結合によって世界広布は開かれたのだ。
 
 「共戦」の書の発表は、2009年4月の全国代表協議会。30年を振り返りつつ、先生は語った。
 
 「私は、牧口先生、そして戸田先生が命を懸けてつくられた学会だけは絶対に守らねばならないと、深く決意をしていた」「少しでも長生きをして、もう一度、本当の学会をつくり、未来に残すのだ。その思いで立ち上がり、ここまで頑張ってきた」「私の心を知り、私と同じ心で、戦ってもらいたい」
 
 『新・人間革命』の主人公・山本伸一のごとく、師の誓いをわが誓いとする弟子の群像が今、日本や世界で躍動している。
 
 さあ永遠に胸中の師と共に、世界の誉れの同志と共に、新たな正義と共戦の前進を開始しよう。