名字の言 努力を続ける姿勢2024年5月1日

 「石の上にも五年」。大学時代の恩師が「石の上にも三年」をもじって語っていた言葉が、心に強く刻まれている▼かつて話題になった「一万時間の法則」。作家のマルコム・グラッドウェルさんが心理学者の調査を踏まえ、著書『天才! 成功する人々の法則』(講談社)で唱えたもの。どんな才能や技量も1万時間、練習を続ければ本物になるとの主張だ。例えば1日6時間、毎日、休まず努力した場合、1万時間に達するには5年ほどかかる▼「石の上にも五年」も「一万時間の法則」も、“やみくもに練習を続ければ一流になれる”と、単純に解釈すべきではないだろう。「一万時間」「五年」という数字も、意味するところは「実際の時間」というより「努力を続ける姿勢」の大切さである。誰しも無限の可能性があるが、その扉は努力なしには開かない▼73年前の本紙創刊の頃、ある事業家が戸田城聖先生に「まったくの素人で、なにができるか」と言って笑った。先生はきっぱりと答えた。「初めはだれでも素人である。しかし、五年も経てばだれでも玄人になる」▼日々の積み重ねに勝る力はない。風薫る爽やかな5月が始まった。今日より明日へ、新しい気持ちで、新しい挑戦を開始しよう!(革)