〈社説〉 2024・4・19 きょう「食育の日」2024年4月19日

「食」への感謝の念を大切に

 先日、数人の男子部の友と語り合っていた時のこと。「野菜や果物は、あそこのスーパーが安い」「国産の商品が置いてあるのは、あそこのお店だ」など、食材に関する話題に。家族構成はさまざまだったが、野菜を摂取しようと意識したり、食材の産地を気にかけたりするなど、一人一人の「食」への関心の高さを肌で感じた。
 
 きょう19日は「食育の日」。2005年に制定された「食育基本法」の前文には、「今、改めて、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに(中略)健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている」とうたわれている。
 
 料理評論家の服部幸應さんが監修した書籍『新食育入門』には、食育における三つの柱として、「選食力」「共食力」「地球の食を考える」が提示されている。
 
 「選食力」とは、「自分や家族を健康にしてくれる食べ物を選ぶ力」。「共食力」とは、家族や他者と囲む食卓での交流を通して食事の作法やマナーを学んでいくこと。ひいては「食に対する感謝」や「相手を思いやる気持ち」を育んでいく。「地球の食を考える」は、地球が抱えている環境問題や食の問題に関心を持ち、その知識を日頃の行いに生かしていくことを指している。
 
 同書の結びには、食育の大きな目的について、“人に寄り添うことができる「心のある人」に育てること”とある。それは、食を提供する人々への感謝の心を持つこととも言えるだろう。
 
 池田先生は、生産者の尊き苦労をたたえた上で、「『いただきます』――その一言を、生産者の方々へ感謝合掌の心で発していくことが、大切な『食育』の出発点ではないだろうか」と述べている。
 
 創価学会では、「食」への関心を高め、“命を大切にする心”を育むことをテーマに、「ごはんといのちのストーリー展」を順次、各地で行っている。今月は23日に名古屋市中区で、5月18日には東京都足立区で開幕する。同展が、正しい「食」の知識を広め、食に関わる全ての人々に光を当てるきっかけとなることを期待したい。
 
 日々の「食」に感謝を忘れぬ、充実した生活が、より豊かな人生を築いていく。共々に、食を通じて健康な心身の維持を目指そう。