〈民音ハートフル・インタビュー 明日へつなぐ芸術の力〉 歌手 和田アキ子さん2024年4月4日

  • 「ありがとう」を歌声で!

 ――和田さんは「あの鐘を鳴らすのはあなた」など、数々の名曲を歌われ、幅広い層から愛されています。最近は、若手アーティストが手がけた「YONA YONA DANCE」や「KANPAI FUNK」がSNSでも人気を集めました。
 
 若い方から「コラボしたい」と言ってもらえるのはうれしいですね。でも、言葉のテンポが速くて少し苦戦しました。「YONA YONA DANCE」のレコーディングでは「踊らにゃ」と歌うところがうまくいかず、「踊らな」になっちゃって。プロデューサーから「“な”でいいですよ」って言われたんですが、逆に燃えちゃって(笑)。“にゃ”で歌えるまで練習しました。
 
 「音楽に国境はない」って言うけど、私は「音楽に年齢も関係ない」と思うんです。だから若い人に限らず、一緒に音楽を作るのは楽しい。
 
 ――昨年は、歌手デビュー55周年を迎えられましたが、右膝の手術もありました。
 
 2年ほど前、股関節を痛めて「変形性股関節症」と診断されました。だましだましやってきましたが、昨年は股関節をかばって右膝が悪化して。立ち座りがつらいし、足が踏ん張れない。発声する時も腹筋に力が入らず、これではとても歌えないなと。春からのツアーをやむなく断念しました。ただメモリアルイヤーなのに何もできないのはつらくて……。リハビリも頑張って、手術から1カ月後の昨年10月、東京のNHKホールでラストツアーをスタートできました。
 

Evoto

Evoto

 ――頑張れた原動力は何だったんでしょうか。
 
 それは、待ってくれている人がいるからです! 私は口が悪いので「ババアばっかり」って言うんですけど(笑)、たくさんの方に支えられてきました。14歳でファンになった人が、今では孫がいたり……。
 
 特にデビュー40周年の時の、ニューヨーク・アポロシアターでのライブは忘れられません。時間もお金もかけて、ファンの皆さんがわざわざ日本から来てくれました。ブラックミュージックの聖地にファンと共に立った瞬間、「一緒に頑張ってきたんだな」って実感して本当にうれしかった。
 
 ――本年7月には、民音主催のラストホールツアーが大阪のフェスティバルホールで開催されます。
 
 私の地元・大阪というのもありますが、ラストホールツアーのファイナルですから、気合いが入りますね。
 
 ホールでのコンサートでは、いつも最後にマイクを通さず、生声で歌う歌があります。加藤登紀子さんが作ってくれた「今あなたにうたいたい」です。
 
 私の歌は希望や勇気を送る歌が多い。その中でも、感謝の気持ちを一番ストレートに伝えられる曲が「今あなたにうたいたい」だと思います。ホールで歌うからこそ、伝わるものってあると思うんです。声の響きとか。
 
 今の私があるのは、ファンをはじめ、応援してくださる人たちがいるおかげ。「ありがとう」の言葉でも伝わるけれど、“歌手・和田アキ子”として、歌声で感謝を届けたい。支えてくださっている全ての“あなた”のために、力の限り歌いたいと思っています。
 
 わざわざ足を運んでくださるんですから、皆さんに「来てよかった」と思ってもらえるように、精いっぱい、勇気と元気と愛を届けるつもりです。皆さんからもらった、たくさんの愛を歌でお返ししますよ!

◆公演案内◆

 民音公演「和田アキ子 ラストホールツアー in OSAKA」が7月23日に行われます。
 【日時】7月23日(火)午後6時半
 【場所】大阪・フェスティバルホール
 
 ※公演案内はこちらから