〈THIS IS SOKA! 世界市民の絆〉第6回 タイ・シーチャン島2024年4月4日
心つながり あふれる喜び
使命の天地で躍動するSGIの様子を、各地の写真を通して紹介する「THIS IS SOKA!――世界市民の絆」。今回はタイの首都バンコクの南に位置するシーチャン島からお伝えします。
「シーチャン島でも座談会が開かれてるんだって」「この前までメンバーはいなかったよね」
そんなやり取りを耳にし、タイでの行事取材のさなか、首都バンコクから一番近い島というシーチャン島を訪れた。
港をドローンで撮影
バンコクから車で2時間、船に乗り換えて45分。降り立った港には、色鮮やかな漁船がずらり。観光客を乗せるトゥクトゥク(三輪自動車)が所狭しと並んでいた。
出迎えてくれたのは地区婦人部長のアンカナ・ナリタさん。「十数年前にメンバーが誕生し、7、8年前から島で座談会ができるようになったんです」
人口4500人ほどの島で、18世帯の学会員が活動する。
観光客が多く、日本では珍しいレンタルバイクもある
アンカナ・ナリタさん(右端)の案内で取材へ
取材はトゥクトゥク(三輪自動車)を使って移動した
透き通るブルーの海。子どもたちの歓声に、思わず入りたくなる
3月23日の座談会には25人が参加。直前に御本尊授与式も行われ、口々に信仰体験を語っていた。
アンカナさんが近年の歩みを振り返る。「島の方々は信心がとても純粋で、功徳をたくさんいただいていました。皆、その喜びをありのままに友人に語るんです。ただ、なぜ幸せになれるのかを説明する際には、やはり師弟と教学が欠かせません。ですから機関誌を一緒に学ぶことから始めました」
3月23日に行われた座談会。参加者のおよそ半数が青年部だ
座談会終了後の記念撮影。広布への誓いに燃えて
シーチャン島の未来部は仲良し
しかし最初は、仏法を学ぶということが理解されず、“門前払い”もしばしば。小学校を出て働き始めた人も多く、活字を読むことに慣れていないメンバーもいた。
対話を重ねるうち、一人また一人と教学に取り組む輪が広がり、今では、座談会等での教学の時間が待ち望まれるように。
毎月の座談会では御書を研さん。3月は「報恩抄」を学んだ
未来部のパンヤコン君が機関誌を読み上げる。将来の夢は牙城会か創価班になること
地区副婦人部長のメティニ・ムンシーさんは、“地域の姉”と慕う知人から信心を勧められた。経済問題の解決と一家和楽を懸けて2016年に入会するが、夫のプラカーン・セータンさんは信心に大反対。反発は御書の通りだとメティニさんが祈りを深めると、漁師である夫の漁獲高が不思議に右肩上がり。一方でメティニさんは、飲食店の食べ残しを釣りの餌などに変えて販売するビジネスを始める。環境にも良い点から、このプロジェクトが全国に広がった。「漁とは別に安定した収入を得ることができ、夫も驚いていました」
メティニ・ムンシーさんは自宅を広布の会場として提供。訪問・激励はバイクに乗って
メティニさんの仕事の様子。飲食店の食べ残しを活用
メティニさんが始めたビジネスを夫のプラカーンさんも一緒に
そうした変化を目の当たりにしてきた夫のプラカーンさんは、昨年、学会に入会。島の男性が出稼ぎで大陸に渡ることが多い中、プラカーンさんは島でただ一人となる壮年の活動者として、仏法対話にも能動的に励んでいる。
漁師であるプラカーン・セータンさんと息子のパンヤコン君が船で談笑。いつも親子で漁に励む
一家和楽の喜びをかみしめるメティニさん一家
友の幸福を願い、一緒に研さんを重ねる中で広がる、語らずにはいられないほどの大歓喜――。
目の前の一人を励まし抜く創価の精神が、このシーチャン島でも熱く息づいていた。
取材が終わるや、海へ飛び込む未来部員
シーチャン島からの帰りの船で。美しい夕日が辺りを照らす
〈取材後記〉
今回の取材にあたり、タイの「文化班」に多大なる協力をいただいた。「文化班」とはタイ青年部の写真や動画撮影を担当するチームのこと。撮影だけでなく編集や音響など裏方として、今やタイ創価学会の活動には欠かせない存在だ。メンバーは15人ほどで、プロカメラマンや映像ディレクターなど、社会で活躍するメンバーも多い。
文化班の写真撮影チーム
“今という瞬間は2度とこない”―――真剣なまなざしで撮影する文化班メンバー
何よりすごいのは実践で培われた臨機応変な対応。暑い中の記念撮影ではメンバーのために飲み物を用意し、雨の予報と聞くやカッパや傘の準備もぬかりない。車のタイヤがパンクした時だって何のその。一切慌てることなく対応してしまう。本業の撮影もさすがの一言。
記念撮影を終え、休憩するメンバーに飲み物を配る
タイヤがパンクするというまさかのトラブル。予備の車があらかじめ準備されていて、事なきを得た
タイでの行事取材の行程も半ばに差し掛かった頃、文化班の指導会に参加した。今年から機関誌の表紙を撮影することになったという。どのような写真にすればメンバーが喜んでくれるのか、広宣流布をより進めていけるのか。真剣な協議に込められた、広布への情熱に感動した。聖教カメラマンも負けていられない。読者に希望と歓喜をおくれるような写真を、と決意を深くした。
“広宣流布のためなら何でもしたい”――熱き求道の心で挑む文化班メンバー
取材協力=ピヤラット・サンティスックさん、スパコン・ターウォンポンさん、パリワット・タンパドゥンスックさん、ピーラポン・コータラスさん
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