〈教学〉 4月度座談会拝読御書2024年4月2日

  • 生死一大事血脈抄

拝読御文

 相構えて相構えて、強盛の大信力を致して、南無妙法蓮華経臨終正念と祈念し給え。生死一大事の血脈、これより外に全く求むることなかれ。煩悩即菩提生死即涅槃とは、これなり。信心の血脈なくんば、法華経を持つとも無益なり。(御書新版1777ページ1行目~3行目、御書全集1338ページ8行目~10行目)
 

〈池田先生の指針から〉 苦難をもバネに

 日蓮大聖人の仏法を正しく持ち、正しく行じ、現実に大聖人の仰せ通りに世界に広宣流布して、大聖人から生死一大事血脈を受け継いでいるのは創価学会以外にありません。それゆえに、広宣流布に戦う私たち学会員一人一人の生命それ自体に、妙法の無限の力があふれんばかりに開かれてくるのです。
 妙法の当体であるがゆえの生命の奥底からの大歓喜を事実として我が身に現せば、いかなる牢固たる悩みをも智慧に変え、自在に価値創造の力としていくことができるのです。
 自身の生命の大地には、「もう限界だ」という局面を、いくらでも打開していける本源的な力が、本来、厳然と秘められています。いかなる苦難をもバネにして、絶対的な幸福を成就しゆく「変毒為薬」の力を確信すれば、恐れる必要はもう何もありません。
 妙法は、自身が本来もっている無限の力を引き出すための根本法則です。その無限の力用で、火が薪を燃やして光に変えるように、煩悩を智慧に変えていくのです。さらにまた、春の陽光が氷雪を溶かして流れに変えるように、生死の苦悩に固まっていた自身を、躍動する大歓喜の境涯に変えていくのです。
 「自身が変わる」――これが仏法の根本主題です。日蓮大聖人の仏法は、「自分自身」の生命を現実に変革するための宗教です。どこまでも「私自身」であり「あなた自身」の人間革命から出発する。この一点を忘れては、日蓮仏法は存在しません。創価学会の実践も成立しません。(『生死一大事血脈抄講義』)
 

広布に戦う生命に妙法の無限の力が

キーワード① 「即」とは変革の法理

 「生死一大事」つまり、誰しもが直面する生死の苦悩を根本的に解決する法は、万人成仏を明らかにした妙法をおいてほかにありません。
 日蓮大聖人は本抄で、「強盛の大信力」を起こし、南無妙法蓮華経と唱え抜くことによって開かれる仏の境涯を「煩悩即菩提」「生死即涅槃」と示されています。
 それぞれ、相反するような言葉を結ぶ「即」の一字には、どのような意味が込められているのでしょうか。
 池田先生は、次のように講義しています。
 「『即』とは変革の法理です。生命の真実の姿を仏の智慧の眼で見れば、煩悩と生死の苦悩に支配された境涯にも、菩提・涅槃という覚りの境涯が内在しています。つまり、九界の衆生にも仏界が必ず具わるからこそ、煩悩を菩提に、生死を涅槃へと転換でき、即身成仏、凡夫成仏が可能になるのです」
 苦境の真っただ中にいる時、“もうだめかもしれない”と、自身の可能性を見いだせないことがあるかもしれません。しかし本来、万人の生命には無限の勇気と智慧が具わっています。その力を引き出すことで、あらゆる困難や試練を乗り越えられるのです。
 大聖人は「即の一字は南無妙法蓮華経なり」(新1021・全732)と仰せです。
 直面する悩みも、立ちはだかる壁も、御本尊に真剣に祈り抜き、自身の内にある仏界の生命を開くことで、飛躍のためのバネへと大きく転換していくことができます。日蓮仏法は、究極の希望の哲理なのです。
 

キーワード② 創価三代の師弟に連なる

 「信心の血脈がなければ、法華経を持っても無益である」――本抄の末尾で、日蓮大聖人はそう断言されました。
 法華経を身で読み、生涯を広布にささげられた大聖人が示す通りに実践することで「信心の血脈」を受け継ぐことができます。
 本抄を頂いた最蓮房は、佐渡の地で何らかの圧迫に遭いながらも屈することなく、信仰に励んでいたようです。
 “私に続き、信心の血脈を受け継ぐのだ”との大聖人の熱情に触れた最蓮房は、いよいよ強盛に師匠直結の信心に励んでいったことでしょう。
 では、現代に生きる私たちが、日蓮仏法の信心を継承するためには、どのような実践が必要でしょうか。
 池田先生は指導しました。
 「『信心の血脈』は、広宣流布の祈りと拡大なくしては、ありえません。この『信心の血脈』を身命を惜しまず受け継いできたのが、創価の師弟です。したがって、師弟不二と異体同心の創価の信心に徹していく限り、地涌の使命の人材は澎湃と涌現するのです」
 大聖人が願われた通り、世界中に日蓮仏法を広げ、人々を幸福境涯へと導いてきたのは、創価三代の師弟にほかなりません。
 私たちもまた、創価三代の師弟に連なり、日々、たゆまぬ祈りと広布の実践に挑戦することが大切なのです。
 激動する社会にあって、行く先の見えない不安を抱えている人も多いでしょう。今こそ、私たちは広布の師匠の闘争に学び、励ましの対話を広げながら、信心の血脈を継承していきましょう。

 
 
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