名字の言 今、ここから、持続可能な未来への行動を2024年3月30日

 ある壮年部員が会館に飾られている写真額が曲がっているのに気付いた。壮年は一人静かに額を水平に直した▼その光景を、居合わせた数人の青年が見ていた。振り向いた壮年と青年たちの目が合った。壮年は笑顔で言った。「ここは、わが家と同じくらい大切な広布の城だから」。壮年の自然な振る舞いに宿る心に共鳴したのだろう。その会館では、壮年の心に倣い、自発的に館内の小さなごみを拾ったり、無駄な電気を消したりする人が増えたという▼先頃、東京・国立競技場で開催された「未来アクションフェス」でのこと。演目の途中、スタンド席の一部の参加者が自分のスマホのライトを点灯させ、流れる音楽に合わせて左右に振り始めた▼これはイベントの演出にはない、想定外のことだった。皆が次々とスマホを手にして光の輪が広がっていった。夕暮れの競技場に巨大な“光の連帯”が輝いていた▼一人一人がともした光は、ほのかなものであった。それでも数万の星々のように輝いた、あの情景は、見る人の心に確かなメッセージを届けたのではないだろうか。「今、ここから、持続可能な未来への行動を」――同フェスが掲げたテーマは、私たち一人一人が実践することで世界に広がっていく、と。(白)