〈座談会〉 31日は創価の原点「教育本部の日」 太陽の輝きで若き生命を照らす2024年3月28日

  • 青年の連帯が希望の未来を開く
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  • 〈出席者〉原田会長、小島教育本部長、尾高教育本部女性部長、西方青年部長、大串女性部主任部長

 西方 「何事も成功するまでは不可能に思えるものである」(ネルソン・マンデラ)、「未来の世界がどうなるかは、私たちが今どのように生きるかにかかっています」(ローザ・パークス)との言葉通り、青年の連帯が希望の未来を開きます。
  
 大串 「核兵器の廃絶」と「気候危機の打開」を目指す、「未来アクションフェス」が24日、東京の国立競技場で開催されました。若者・市民団体と共に、学会青年部もSGIユースとして参画し、平和への意識と連帯を強めました。
  
 小島 7万人の青年イベントとなり、約50万人がライブ配信を視聴。マスコミ各社でも報じられました。
  
 原田 世界が直面する課題解決へ向けた、国連「未来サミット」に先駆け、若者の力で大規模なイベントを開き、約12万人のアンケート調査を行ったことを、国連広報センターの根本かおる所長は「世界に例を見ない素晴らしい取り組み」と称賛されていましたね。
  
 大串 青年意識調査の結果を踏まえ実行委員会は、国連のユース理事会、安全保障理事会改革委員会の新設などを呼びかけた「共同声明」を発表しました。国連大学のチリツィ・マルワラ学長(国連事務次長)に手渡すと、場内からは賛同の拍手が起きました。
  
 西方 学長からは「若い人たちの声は、持続可能な未来のために不可欠です。若い皆さんこそが、世界の未来そのものなのです」と期待の言葉を頂きました。
  
 原田 SGIは国連NGOとして、さまざまな団体と連携を深めながら、平和・人権・持続可能な開発などの分野で、意識啓発や人道支援の活動を推進してきました。頼もしい青年たちを先頭に、さらに加速していきたいと思います。

子育ての悩みや苦労をありのままに語り合う、東京・板橋の家庭教育懇談会(昨年)

子育ての悩みや苦労をありのままに語り合う、東京・板橋の家庭教育懇談会(昨年)

活発に“家庭コン”

 尾高 31日は「教育本部の日」です。多様な課題に直面する教育現場で日々、子どもの幸福のために奮闘されている皆さん方に、敬意と感謝を表します。
  
 小島 先月、教育本部長に就任して以来、子どもに寄り添い、人間教育を展開する教育本部の同志の姿に感動を深めています。
  
 原田 教師の皆さんの使命は計り知れません。池田先生は小説『新・人間革命』第24巻「人間教育」の章で、「(誰しも生命の内奥には)可能性が秘められている。それを引き出し、磨き上げ、完成へと導き、子ども自身の幸福と社会の繁栄を築いていくのが『人間教育』である」とつづられています。
  
 尾高 3・4月は、卒業をはじめ進学・進級など大きな変化がある時です。開成中学・高校の校長を務めた柳沢幸雄・東京大学名誉教授は、子どもにとって学校が「楽しいと感じる。自分の居場所がある。仲間がいる。そうした子が伸びていきます」と語っています。
  
 小島 その意味でも新年度を前に、教育本部の皆さんは決意を新たにされています。
  
 西方 教育本部では今、未来本部や地元組織と連携しながら、「子育て世代」を支援する「家庭教育懇談会」(通称“家庭コン”)に力を注いでいますね。
  
 小島 重視しているのは「対話」です。“学校の先生が家庭教育を語る場”ではなく、保護者が主役になり、じっくりと耳を傾けるようにしています。昨年は全国2386カ所で行われ、1万5872人が参加しました。
  
 尾高 例えば、兵庫の西神戸総県では本部単位で定期的に開催。特に垂水総区では活発に実施されています。どの会場でも、不登校、発達の遅れ、子ども同士の人間関係など、親が不安に感じていることが話題になり、話は止まりません。参加者からは「ささいなことも安心して話せた」「悩みを聞いてもらえてスッキリした」などの声が寄せられています。
  
 原田 子どもの不登校について池田先生は、「子どもだって苦しんでいる。何とかしなければと思っている」「そこをくみ取ってあげながら、大きくつつみ込んであげるのが、親の愛情です」と語られています。どこまでも「子どもを信頼する心」を持ち続け、接していきたいものです。
  
 大串 聖教新聞を読んでいて、“不登校を何とかしたい”という祈りから、“子どもに幸せな人生を歩んでほしい”という祈りへと変わっていった時、不思議と子どもが学校に通うようになったとの体験記事を目にしたこともあります。
  
 小島 教師の皆さんも、現場で努力を重ねられています。東京の公立中学校で校長を務める教育本部のメンバーは、「対話」を重視する授業を取り入れ、不登校の生徒数が半減。その取り組みが、各種マスコミで何度も報じられています。
  
 尾高 核家族や共働き世帯が増え、多様化する時代だからこそ、子育て世代に“安心と共感の居場所”を提供する家庭コンに、さらに力を注いでいきます。

実践記録への評価

 大串 また本年は、池田先生が教育実践記録運動の推進を提案されて40年ですね。実践記録は「わが生命に光る『黄金の日記文書』」と、先生はたたえてくださっています。
  
 西方 今や国内外の教育者から高い関心が寄せられており、米ジョン・デューイ協会のラリー・ヒックマン元会長は、「教室での問題解決のための非常に貴重な事例研究」「世界各地の教師たちも読めるようにしてもらいたい」と語っていましたね。
  
 大串 作新学院大学の渡邊弘学長は「『教育のための社会』の実現に向けた大きな力になっている」と述べていました。
  
 原田 御聖訓に「妙と申すことは、開ということなり。世間に、財を積める蔵に鑰なければ、開くことかたし。開かざれば、蔵の内の財を見ず」(新536・全943)と仰せです。多難な時代に、最極の生命の宝を持つ「子どもの幸福」を祈り、温かく励ます、後継の教育本部の実践をたたえ、先生は「人間教育の太陽を赫々と輝かせ、若き価値創造の生命を照らしゆこう!」と呼びかけられています。創価の原点・教育本部の皆さんのさらなる活躍を深く祈念しています。