〈ワールドトゥデイ 世界の今〉 “二つの海”を結ぶパナマ共和国2024年3月27日

  • 池田先生の初訪問から50周年――
  • 燃え上がる情熱 新たな大航海へ

2:33

 本年3月は、池田大作先生のパナマ初訪問(1974年)から50周年。平和・文化・教育交流の道を開いた師の闘争を受け継ぎ、今、パナマSGI(創価学会インタナショナル)の友は、社会の多彩な分野で活躍し、信頼と友情の連帯を広げている。同国の首都パナマ市を訪れ、躍動するメンバーの姿を取材した。(記事=山科カミラ真美、写真=梅津賢太郎)

 アメリカ大陸の最も細長く伸びる地峡にある、中米パナマ共和国。ここには“20世紀最大の土木事業”の一つといわれ、110年前に完成した「パナマ運河」がある。

 「大地は分かたれ、世界はつながれた」(運河の紋章に記された文)との言葉に象徴されるように、パナマは太平洋と大西洋の“二つの海”を結ぶ海運の要衝であり、「世界の十字路」と称されてきた。

 気温33度を超えるパナマに到着したのは、先月中旬の夕方。カリブ海に沈みゆく大きな夕日がまばゆい光を放ち、あたり一面を黄金色に輝かせていた。

 新市街には、高層ビル群が林立し、「BANK(銀行)」の文字が数多く表示された、中米有数の金融センターもある。

 市内のあちこちでは、2027年に完成予定のパナマメトロ3号線(モノレール)の建設のつち音が聞こえてくる。パナマ市は、今も勢いよく発展を続ける街である。

太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河。手前に架かるのは「アメリカ橋」

太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河。手前に架かるのは「アメリカ橋」

 池田先生がパナマに第一歩をしるしたのは、1974年3月18日。4日間の滞在で先生は、メンバーを激励するとともに、国立パナマ大学の総長や政府関係者と会談した。その後も81年、87年と3度にわたって同国を訪れ、同志への激励を重ねてきた。

 パナマには、師弟の心を継承する大切な伝統がある。それは、先生が3度目のパナマ訪問の折に贈った長編詩「パナマの国の花」を、毎年2月に学び深めていることだ。先月17日に行われた「希望の運河」地区の座談会では、ジジオラ・オカンポさん(女子部部長)が詩を朗読した。

 オカンポさんが人生の試練に立たされたのは、4年前のこと。パナマでは近年、大学を卒業しても就職できない人が増えるなど、若者の失業率の高さが問題となっている。

ジジオラ・オカンポさん

ジジオラ・オカンポさん

 オカンポさんも建築学部を卒業し、建築士の資格を取得していたが、就職の不採用が続いた。

 そんな時、手に取ったのは、パナマSGIの機関誌「プエンテ・デ・パス(平和の懸け橋)」だった。池田先生の指導を学び、先生と“心の対話”を重ねた。さらに、両親や創価家族の励ましも追い風にして、オカンポさんは新たな挑戦を開始する。再び大学に入り、英語学科で学んだのだ。

 そして2年前に、晴れて建設事務所への就職を勝ち取った。オカンポさんは瞳を輝かせる。

 「パナマは自然に恵まれた美しい国です。環境に優しい設計を追求し、持続可能な未来に貢献したい。私も池田先生のように、多くの人々に希望と喜びを送れるように、成長していきます」

スペイン植民地時代からの建物が残る歴史地区「カスコビエホ」。世界文化遺産でもあるこの地域を、多くの観光客が訪れていた

スペイン植民地時代からの建物が残る歴史地区「カスコビエホ」。世界文化遺産でもあるこの地域を、多くの観光客が訪れていた

「世界の十字路」に輝く希望の太陽

 同地区で地区婦人部長を務めるカテリネ・ソラーノさん。池田先生の初訪問から50周年を迎える喜びを、こう語っていた。

 「ピオネーロ(開拓者)たちから受け継がれる先生との思い出は、パナマの永遠の原点なんです。この節目はゴールではなく、新たな出発点。先生と共に、新たな大航海の扉を開く時です」

 ソラーノさんは、信心強盛な母のもと、学会の庭で育った。社会に出てからは、大手銀行で、データエンジニアとしてのキャリアを積み上げた。職場で信頼を築いた秘訣は、草創の大先輩から教わった「信心即生活」「電光石火のスピード」の精神だと語る。

 だが、2021年、地区婦人部長の任命を受けた頃に、顔の皮膚炎や子宮の疾患などを発症した。

 「ずっと健康だった自分が、病気になるなんて……」

 現実を受け止められなかった。それでも「信心に無駄はない。全てに意味がある」と祈りを重ねながら、地区の全婦人部員を訪問するという目標を掲げた。

カテリネ・ソラーノさん

カテリネ・ソラーノさん

 「一人一人に励ましを送るつもりでした。でも、同志に会っていくと、私の方が励まされ、みるみる元気になっていったんです」

 全ての病魔に打ち勝って迎えた昨年、夫との間に念願の息子が誕生。職場でも、6人を率いるチームの管理職に昇進し、社内表彰を受けた。

 昨年、地区には3人の新メンバーが誕生。今回の座談会には、ソラーノさんの友人を含む3人の会友が参加した。

 そのうちの一人は、「SGIの会合は、どんな人も温かく迎えてくれます。皆さんの人柄の良さが魅力です」と、にこやかに。

 同地区では座談会のほかに、毎週、友人向けの学習会を行っており、好評を博している。そこから弘教の波動が大きく広がっているという。

「ビエンベニードス!(ようこそ!)」――座談会場のバルコニーから、手を大きく振って同志を歓迎

「ビエンベニードス!(ようこそ!)」――座談会場のバルコニーから、手を大きく振って同志を歓迎

パナマ市の「希望の運河」地区座談会。池田先生の長編詩「パナマの国の花」を学んだ感想を語り合った

パナマ市の「希望の運河」地区座談会。池田先生の長編詩「パナマの国の花」を学んだ感想を語り合った

 池田先生は小説『新・人間革命』第19巻「凱歌」の章でつづった。「新しき歴史を築く原動力は、青年の胸に燃える大志である。青年の“志”は、自身と社会の未来を決定づける」と。

 この指針を胸に、パナマの若き友も生き生きと前進する。

 ガブリエル・ピロさん(男子部本部長)は、19歳の時、母国のアルゼンチンでSGIに入会。7年前、恋人と共に暮らすためにパナマへ渡ってきた。だが、当時は国外からの移民の受け入れが厳しくなっていた時期で、永住権の取得は難航した。

 苦しい状況の中でも、ピロさんは毎日、真剣に題目を唱え、パナマSGIの友と一緒に活動に取り組んだ。憧れだった「創価班」の一員に加えてもらえた時は、心が躍った。

 交通費がなければ、歩いてでも会館へ。どんなことがあっても、創価班の任務の予定は守った。そうした中、ピロさんに協力してくれる弁護士が現れ、永住権取得への手続きが順調に進むようになったという。

 「永住権の取得と国際結婚――念願だったこの二つを、無事に果たすことができたんです。私たちは勝ちました!」

 さらにピロさんは昨年、五つ星ホテルのフロント係としての職も得ることができた。今は妻と共に、充実の日々を送る。

ガブリエル・ピロさん

ガブリエル・ピロさん

 パナマSGIは、一人一人が“平和の主役”となることを目指し、地域のため、社会のために行動してきた。19年11月に結成された「チームソウカ」は、池田先生の平和提言に基づき、「SDGs(持続可能な開発目標)」に主体的に取り組むグループだ。

 ジョバンナ・マルティネスさん(白ゆり長)は、「チームソウカ」の一員として教育の分野で活躍している。

 マルティネスさんがSGIに入会したのは、6年ほど前。離婚した元夫が亡くなり、父親を失った息子は大きなショックを受けた。息子は部屋に閉じこもるようになり、やがて大学を休学する。落ち込むマルティネスさんを、SGIメンバーである母が励まし続けてくれた。

 マルティネスさんは状況を打開したいと題目を唱えるようになり、SGIの会合にも参加。息子との会話も心がけるようになった。徐々に息子が元気に変わっていく姿を見て、題目の力を感じたという。

ジョバンナ・マルティネスさん

ジョバンナ・マルティネスさん

 インテリア会社の経営者としてすでに成功していたが、“創価の哲学を通して社会に貢献したい”との思いが芽生えた。夢は21年に実現。パナマ市の最も貧しい地域の子どもたちを支援する活動を立ち上げた。

 多くのボランティアの協力を得て、今は25人ほどの子どもを受け入れている。複雑な家庭に生まれた子や、麻薬や犯罪が蔓延する地域に暮らす子どもたちに、主に心のケアを行っている。

 子どもたちが一番、求めているものは何か――。マルティネスさんに聞くと、「それは愛です。心は心でしか動かせないのです」。

 さらに、こう力を込める。
 「『外の世界は広い』『あなたは無限の可能性を持っているんだよ』『夢を大きく持って!』と、池田先生から学んだ希望の言葉を、子どもたちに送り続けていきたい。そして、どの子も、一人も残らず幸せになってほしい。そう願っています」

仲の良さが光る青年部の友

仲の良さが光る青年部の友

 今回、紹介したメンバーは皆、池田先生と直接の出会いの経験はない。しかし、誰もが胸中で“センセイとの出会い”を重ねていた。草創期を知る友との語らいや、座談会での学習、一冊の書籍を通して――。

 半世紀前に刻まれた、池田先生のパナマ初訪問。以来、師を求める情熱は、一人また一人へと伝播し、広がっていった。そして今、地涌の陣列は、当時の4倍以上へと拡大。4支部だった組織は、12本部34支部の体制に大発展を遂げている。

 底抜けに明るく、たくましいパナマの友。美しき「世界の十字路」で、宝の友は、社会に希望の光を送る“太陽”として輝いていた。

「先生と共に、ビクトリア(勝利)!」。池田先生の初訪問50周年の喜びにわくパナマSGIの友。師弟共戦の誓いを胸に前進する(パナマ市内で)

「先生と共に、ビクトリア(勝利)!」。池田先生の初訪問50周年の喜びにわくパナマSGIの友。師弟共戦の誓いを胸に前進する(パナマ市内で)

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world@seikyo-np.jp

 

〈ワールドトゥデイ 世界の今〉 “二つの海”を結ぶパナマ共和国2024年3月27日

  • 池田先生の初訪問から50周年――
  • 燃え上がる情熱 新たな大航海へ

2:33

 本年3月は、池田大作先生のパナマ初訪問(1974年)から50周年。平和・文化・教育交流の道を開いた師の闘争を受け継ぎ、今、パナマSGI(創価学会インタナショナル)の友は、社会の多彩な分野で活躍し、信頼と友情の連帯を広げている。同国の首都パナマ市を訪れ、躍動するメンバーの姿を取材した。(記事=山科カミラ真美、写真=梅津賢太郎)

 アメリカ大陸の最も細長く伸びる地峡にある、中米パナマ共和国。ここには“20世紀最大の土木事業”の一つといわれ、110年前に完成した「パナマ運河」がある。

 「大地は分かたれ、世界はつながれた」(運河の紋章に記された文)との言葉に象徴されるように、パナマは太平洋と大西洋の“二つの海”を結ぶ海運の要衝であり、「世界の十字路」と称されてきた。

 気温33度を超えるパナマに到着したのは、先月中旬の夕方。カリブ海に沈みゆく大きな夕日がまばゆい光を放ち、あたり一面を黄金色に輝かせていた。

 新市街には、高層ビル群が林立し、「BANK(銀行)」の文字が数多く表示された、中米有数の金融センターもある。

 市内のあちこちでは、2027年に完成予定のパナマメトロ3号線(モノレール)の建設のつち音が聞こえてくる。パナマ市は、今も勢いよく発展を続ける街である。

太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河。手前に架かるのは「アメリカ橋」

太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河。手前に架かるのは「アメリカ橋」

 池田先生がパナマに第一歩をしるしたのは、1974年3月18日。4日間の滞在で先生は、メンバーを激励するとともに、国立パナマ大学の総長や政府関係者と会談した。その後も81年、87年と3度にわたって同国を訪れ、同志への激励を重ねてきた。

 パナマには、師弟の心を継承する大切な伝統がある。それは、先生が3度目のパナマ訪問の折に贈った長編詩「パナマの国の花」を、毎年2月に学び深めていることだ。先月17日に行われた「希望の運河」地区の座談会では、ジジオラ・オカンポさん(女子部部長)が詩を朗読した。

 オカンポさんが人生の試練に立たされたのは、4年前のこと。パナマでは近年、大学を卒業しても就職できない人が増えるなど、若者の失業率の高さが問題となっている。

ジジオラ・オカンポさん

ジジオラ・オカンポさん

 オカンポさんも建築学部を卒業し、建築士の資格を取得していたが、就職の不採用が続いた。

 そんな時、手に取ったのは、パナマSGIの機関誌「プエンテ・デ・パス(平和の懸け橋)」だった。池田先生の指導を学び、先生と“心の対話”を重ねた。さらに、両親や創価家族の励ましも追い風にして、オカンポさんは新たな挑戦を開始する。再び大学に入り、英語学科で学んだのだ。

 そして2年前に、晴れて建設事務所への就職を勝ち取った。オカンポさんは瞳を輝かせる。

 「パナマは自然に恵まれた美しい国です。環境に優しい設計を追求し、持続可能な未来に貢献したい。私も池田先生のように、多くの人々に希望と喜びを送れるように、成長していきます」

スペイン植民地時代からの建物が残る歴史地区「カスコビエホ」。世界文化遺産でもあるこの地域を、多くの観光客が訪れていた

スペイン植民地時代からの建物が残る歴史地区「カスコビエホ」。世界文化遺産でもあるこの地域を、多くの観光客が訪れていた

「世界の十字路」に輝く希望の太陽

 同地区で地区婦人部長を務めるカテリネ・ソラーノさん。池田先生の初訪問から50周年を迎える喜びを、こう語っていた。

 「ピオネーロ(開拓者)たちから受け継がれる先生との思い出は、パナマの永遠の原点なんです。この節目はゴールではなく、新たな出発点。先生と共に、新たな大航海の扉を開く時です」

 ソラーノさんは、信心強盛な母のもと、学会の庭で育った。社会に出てからは、大手銀行で、データエンジニアとしてのキャリアを積み上げた。職場で信頼を築いた秘訣は、草創の大先輩から教わった「信心即生活」「電光石火のスピード」の精神だと語る。

 だが、2021年、地区婦人部長の任命を受けた頃に、顔の皮膚炎や子宮の疾患などを発症した。

 「ずっと健康だった自分が、病気になるなんて……」

 現実を受け止められなかった。それでも「信心に無駄はない。全てに意味がある」と祈りを重ねながら、地区の全婦人部員を訪問するという目標を掲げた。

カテリネ・ソラーノさん

カテリネ・ソラーノさん

 「一人一人に励ましを送るつもりでした。でも、同志に会っていくと、私の方が励まされ、みるみる元気になっていったんです」

 全ての病魔に打ち勝って迎えた昨年、夫との間に念願の息子が誕生。職場でも、6人を率いるチームの管理職に昇進し、社内表彰を受けた。

 昨年、地区には3人の新メンバーが誕生。今回の座談会には、ソラーノさんの友人を含む3人の会友が参加した。

 そのうちの一人は、「SGIの会合は、どんな人も温かく迎えてくれます。皆さんの人柄の良さが魅力です」と、にこやかに。

 同地区では座談会のほかに、毎週、友人向けの学習会を行っており、好評を博している。そこから弘教の波動が大きく広がっているという。

「ビエンベニードス!(ようこそ!)」――座談会場のバルコニーから、手を大きく振って同志を歓迎

「ビエンベニードス!(ようこそ!)」――座談会場のバルコニーから、手を大きく振って同志を歓迎

パナマ市の「希望の運河」地区座談会。池田先生の長編詩「パナマの国の花」を学んだ感想を語り合った

パナマ市の「希望の運河」地区座談会。池田先生の長編詩「パナマの国の花」を学んだ感想を語り合った

 池田先生は小説『新・人間革命』第19巻「凱歌」の章でつづった。「新しき歴史を築く原動力は、青年の胸に燃える大志である。青年の“志”は、自身と社会の未来を決定づける」と。

 この指針を胸に、パナマの若き友も生き生きと前進する。

 ガブリエル・ピロさん(男子部本部長)は、19歳の時、母国のアルゼンチンでSGIに入会。7年前、恋人と共に暮らすためにパナマへ渡ってきた。だが、当時は国外からの移民の受け入れが厳しくなっていた時期で、永住権の取得は難航した。

 苦しい状況の中でも、ピロさんは毎日、真剣に題目を唱え、パナマSGIの友と一緒に活動に取り組んだ。憧れだった「創価班」の一員に加えてもらえた時は、心が躍った。

 交通費がなければ、歩いてでも会館へ。どんなことがあっても、創価班の任務の予定は守った。そうした中、ピロさんに協力してくれる弁護士が現れ、永住権取得への手続きが順調に進むようになったという。

 「永住権の取得と国際結婚――念願だったこの二つを、無事に果たすことができたんです。私たちは勝ちました!」

 さらにピロさんは昨年、五つ星ホテルのフロント係としての職も得ることができた。今は妻と共に、充実の日々を送る。

ガブリエル・ピロさん

ガブリエル・ピロさん

 パナマSGIは、一人一人が“平和の主役”となることを目指し、地域のため、社会のために行動してきた。19年11月に結成された「チームソウカ」は、池田先生の平和提言に基づき、「SDGs(持続可能な開発目標)」に主体的に取り組むグループだ。

 ジョバンナ・マルティネスさん(白ゆり長)は、「チームソウカ」の一員として教育の分野で活躍している。

 マルティネスさんがSGIに入会したのは、6年ほど前。離婚した元夫が亡くなり、父親を失った息子は大きなショックを受けた。息子は部屋に閉じこもるようになり、やがて大学を休学する。落ち込むマルティネスさんを、SGIメンバーである母が励まし続けてくれた。

 マルティネスさんは状況を打開したいと題目を唱えるようになり、SGIの会合にも参加。息子との会話も心がけるようになった。徐々に息子が元気に変わっていく姿を見て、題目の力を感じたという。

ジョバンナ・マルティネスさん

ジョバンナ・マルティネスさん

 インテリア会社の経営者としてすでに成功していたが、“創価の哲学を通して社会に貢献したい”との思いが芽生えた。夢は21年に実現。パナマ市の最も貧しい地域の子どもたちを支援する活動を立ち上げた。

 多くのボランティアの協力を得て、今は25人ほどの子どもを受け入れている。複雑な家庭に生まれた子や、麻薬や犯罪が蔓延する地域に暮らす子どもたちに、主に心のケアを行っている。

 子どもたちが一番、求めているものは何か――。マルティネスさんに聞くと、「それは愛です。心は心でしか動かせないのです」。

 さらに、こう力を込める。
 「『外の世界は広い』『あなたは無限の可能性を持っているんだよ』『夢を大きく持って!』と、池田先生から学んだ希望の言葉を、子どもたちに送り続けていきたい。そして、どの子も、一人も残らず幸せになってほしい。そう願っています」

仲の良さが光る青年部の友

仲の良さが光る青年部の友

 今回、紹介したメンバーは皆、池田先生と直接の出会いの経験はない。しかし、誰もが胸中で“センセイとの出会い”を重ねていた。草創期を知る友との語らいや、座談会での学習、一冊の書籍を通して――。

 半世紀前に刻まれた、池田先生のパナマ初訪問。以来、師を求める情熱は、一人また一人へと伝播し、広がっていった。そして今、地涌の陣列は、当時の4倍以上へと拡大。4支部だった組織は、12本部34支部の体制に大発展を遂げている。

 底抜けに明るく、たくましいパナマの友。美しき「世界の十字路」で、宝の友は、社会に希望の光を送る“太陽”として輝いていた。

「先生と共に、ビクトリア(勝利)!」。池田先生の初訪問50周年の喜びにわくパナマSGIの友。師弟共戦の誓いを胸に前進する(パナマ市内で)

「先生と共に、ビクトリア(勝利)!」。池田先生の初訪問50周年の喜びにわくパナマSGIの友。師弟共戦の誓いを胸に前進する(パナマ市内で)

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