〈未来アクションフェス〉 “12万人の声”を集めた「青年意識調査」から(要旨)2024年3月26日

 未来アクションフェス(今月24日、東京・国立競技場)の席上、実行委員会が実施した「青年意識調査」の結果が発表された。昨年11月20日から本年2月29日まで、日本在住の40代以下の個人を対象として、WEBや対面でのアンケート調査の形式で行われ、合計で11万9925人が回答。質問には、「社会について」「気候変動について」「核兵器について」「青年と社会構造、国連について」の項目が設けられた。結果の要旨を紹介する(詳細は後日、未来アクションフェスの公式ホームページで発表)。また、参画したSGIユースの共同代表である西方光雄さん、大串博子さんの声も掲載する。
  

【問】未来についてどのように感じていますか?

年代別の回答

 「希望を持てる」側の回答をした人の割合は43・5%。一方で「希望を持てない」側の割合は56・5%と、やや多い。年代別だと、10代では「持てる」側の割合が50%を上回ったのに対し、20代以降は「持てない」側の割合が多い。
  

【問】平和な世界は実現できると思いますか?

年代別の回答

 平和な世界を「実現できると思う」と回答した人の割合は全体で50%を超えたが、40代→30代→20代→10代と世代が若くなるにつれて下がる傾向が見られた。10代では「実現できないと思う」人の割合が27・3%となり、全世代で最も高かった。
  

【問】気候変動を解決するための行動をしている または意識していますか?

年代別の回答

 年代別の比較では、40代において、気候変動への関心が高いことがうかがえる。一方、20代は「意識していない」と回答した割合が33・7%で最も高く、10代では「興味がない」と回答した割合が8・4%で最も高い結果となった。
  

【問】核兵器は必要だと思いますか?

年代別の回答

 全体の82%の人が「核兵器は必要ない」と答え、「今は必要だが将来的には廃絶すべき」と回答した人の割合は12・5%だった。一方、年代別で見ると、若い世代ほど「必要だと思う」と回答する割合が高くなる傾向となった。
  

【問】全般的にみて、国や地方自治体の政策に若者の声がどの程度反映されていると思いますか?

年代別の回答

 「かなり反映されている」「ある程度反映されている」と回答した割合が、合わせて19・4%にとどまった。年代別の結果では、「反映されていない」と思う側の割合が、10代と比べて20代・30代・40代の方が高い傾向が見られた。
  

未来アクションフェスの会場となった国立競技場の場外には、協力団体・後援団体等によるブースが設置された(国連広報センターが出展したブース)

未来アクションフェスの会場となった国立競技場の場外には、協力団体・後援団体等によるブースが設置された(国連広報センターが出展したブース)

国連大学が出展したブース

国連大学が出展したブース

国連UNHCR協会は、難民支援の現場で使用しているテントを設置。中にはキッチンセットやソーラーランタンなども展示され、難民の生活を“疑似体験”できるレイアウトに

国連UNHCR協会は、難民支援の現場で使用しているテントを設置。中にはキッチンセットやソーラーランタンなども展示され、難民の生活を“疑似体験”できるレイアウトに

〈SGIユースとして参画〉

西方共同代表

西方共同代表

大串共同代表

大串共同代表

限りない“変革の可能性”がここに

 青年意識調査をはじめ、未来アクションフェスに向けたさまざまな取り組みにご協力いただいた皆さまに、まず心から感謝を申し上げます。集まった“約12万人の声”を、実行委員会として国連に届けます。
  
 未来に希望を持てない人の方が多く、若い世代ほど「平和な世界を実現できない」と思っている傾向がある――この調査結果を悲観的・固定的に捉えて、諦めてしまうのか。それとも、ここに「社会と世界の“伸びしろ”があり、限りない“変革の可能性”がある」と捉えて、具体的な行動を起こすのか。
  
 同調査において、社会に「貢献したいと思う」「どちらかと言えばしたいと思う」との回答が93%を占めたことを踏まえ、この青年の思いを具体的な行動へと結び付けられるかどうかが“鍵”となります。
  
 今回のフェスは“ゴール”ではなく、核兵器や気候危機の問題解決に向かって、一人一人が「行動変容」を起こす“スタート”にほかなりません。今いる場所から、「行動の連帯」を広げていきたいと念願します。