〈華陽*GOSHO TIME〉 ~池田華陽会 御書30編を学ぶ~2024年2月20日

  • 今回の研さん御書「乙御前御消息」

 「華陽*GOSHO TIME」では、「池田華陽会 御書30編」から御書の一節と池田先生の指導を学びます。今回は「乙御前御消息」の一節を拝します。“いよいよ強盛の信心”を学び、幸福の直道を歩んでいきましょう。華陽カレッジや日々の研さんなどでご活用ください。(隔月程度で掲載予定)

拝読のポイント
★“いよいよ強盛の信心”で、何があっても負けない自分に
★「従藍而青」の誇りを胸に、幸の輪を広げよう

本抄について

 本抄は建治元年(1275年)8月、日蓮大聖人が身延で著され、乙御前の母に送られたお手紙です。
 乙御前の母は、鎌倉に住む門下で、夫と離別し、幼い娘を一人で育てながら純粋な信心を貫きました。
 大聖人が佐渡流罪となった際も、鎌倉から佐渡へ足を運び、大聖人をお訪ねするなど、師弟の道を歩み通します。彼女のけなげな求道の心をたたえ、大聖人は「日妙聖人」という最高の称号を贈られました。
 本抄御執筆の前年、他国(蒙古)が襲来。さらに御執筆の年には、他国の使者が再び訪れるなど、日本国内は今まで経験したことのない事態に騒然としていました。まさに乱世です。行く末の見えない時代にあって、誰もが平和を求め、幸福を願ったことでしょう。
 動乱の時代だからこそ、最後まで信心を貫き、何があっても負けない“本物の一人”に――本抄には、今を生きる私たちにとっても重要な日蓮仏法の真髄が示されています。

御文

 いよいよ強盛の御志あるべし。氷は水より出でたれども、水よりもすさまじ。青きことは藍より出でたれども、かさぬれば藍よりも色まさる。(新1690・全1221)

現代語訳

 ますます強盛な信心を、起こしていきなさい。氷は水からできますが、水よりも冷たい。青い色は、藍という草から生まれますが、重ねて染めれば、藍よりも色が鮮やかになります。

解説

 本抄の前半では、法華経こそがあらゆる経典をしのぐ最も優れた教えであり、法華経を信受する人は諸天善神によって必ず守られるとの大確信を述べられます。
 その上で“いよいよ強盛の信心を奮い起こし、真の幸福を築いていくのだ”と励ましを送られています。
 度重なる社会の混乱の中で、一人、娘を育てる乙御前の母は、人一倍、不安な日々を過ごしていたでしょう。しかし、大聖人の揺るがぬ御確信と、真心あふれる励ましに触れ、「そうだ、そうだ」と、“いよいよ強盛の信心”を起こして、奮い立ったに違いありません。
 “いよいよ強盛の信心”と言っても、それは何か特別なものではありません。
 きっと、誰もが「ここまで頑張ってきたのになぜ?」「自分の祈りはかなわないのでは」と、歩みを止めてしまいそうになることがあるでしょう。その時こそ、「いよいよ」自身の信心が試されているのだと、心を決め、より深き信心で立ち上がることが大事です。
 何があっても、御本尊を疑わず、絶対勝利の信心を確信し、「昨日より今日」「今日より明日」と、自分らしく一歩ずつ前へ進んでいくこと。これが“いよいよ強盛の信心”です。その心で積み上げる日々の挑戦が、何ものにも負けない自身を築き上げていくのです。
 さらに大聖人は、水からできる氷が水より冷たくなり、また、藍の葉を使った藍染めは、何度も重ねて染めることで、より鮮やかな青色になるとの「従藍而青」の譬えを通して、仏道修行は、行学の実践を積み重ね、信心を深めていくことが肝要であると仰せです。また「従藍而青」には、“弟子は師匠以上に立派に育ちゆけ”との意義も込められています。師の心を受け継ぎ、成長していこう――これが仏法を持つ弟子の姿なのです。
 池田先生が貫かれた、目の前の一人を徹底して大切にする人間主義の連帯をさらに拡大する使命が、弟子の私たちにはあります。
 さあ、「従藍而青」の誇りを胸に、信心根本に楽しく励まし合いながら、桜梅桃李の幸の輪を世界へ、未来へ、広げていきましょう!

池田先生の指導から

 君たちは、人類の重大な分岐点の10年を担い、学会創立100周年へ先駆する若人です。
 戸田先生は青年に、「一人の強き生命力が、他の人の生命に影響を与え、変えることができる」と語られました。
 君たち一人一人が生命力を強めることが、新時代の光です。そのためには、勤行・唱題の基本を大切にすることです。また、生命力のある同志・学会家族に縁していくことです。そして、広布の組織で戦うことです。(「創価新報」2020年1月15日付「勝ちゆく君へ」)
 ◆ ◆ ◆ 
 私は、恩師・戸田先生が、故郷の厚田村で夕日に染まる海を見つめながら語ってくださった言葉が、今も耳朶から離れません。
 「世界は広い。そこには苦悩にあえぐ民衆がいる。いまだ戦火に怯える子どもたちもいる。東洋に、そして、世界に、妙法の灯をともしていくんだ。この私に代わって」と。
 私は恩師の名代として、世界広宣流布の道を同志と共に開き、妙法という平和の種を、行く国、行く地で蒔いてきました。今、私は「世界青年学会」の新出発にあたり、不二の地涌の若人たちに、恩師の「この私に代わって」との言葉を贈りたい。(2023年12月号「大白蓮華」〈世界を照らす太陽の仏法〉)

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Q.思うようにいかないことばかりで、落ち込んでいます……。