名字の言 被災地を駆け回る石川の男子部リーダーが感じたこと2024年1月19日

 被災した能登半島の同志のもとを救援物資を手に駆け回る石川の男子部リーダーが語っていた。現地の惨状を目の当たりにし、何と言葉をかけていいのか深く悩んだ。この状況下で訪れることが、かえって迷惑にならないかとの葛藤もあった▼しかし、ひとたび同志に会うと、「顔を見ただけで、ほっとしました」と。目に涙を浮かべる友もいた。彼は“苦しむ一人のもとへ行く。それ自体が、言葉を超えた励ましなんだ”と自分も勇気づけられたという▼戸田先生は戦後、「一人への励まし」から学会再建の歩みを開始した。2年間の獄中生活は、恩師の体を著しく衰弱させた。左目はほとんど見えない状態になった。それでも、この世から悲惨の二字をなくすため、一人また一人へと信心の確信を訴えた▼座談会では、誰よりも早く会場に到着し、駆け付ける友を励ますことが常だった。戸田先生は座談会について、こう語っている。「たった一人でもよい。一人でも心から話し合い、感激し合って帰ればよいんだ」▼各地で新春の座談会が開かれている。被災地では救援活動とともに、被災者への励ましが続けられている。今いる自分の場所で、相手の心に徹底して寄り添う“同苦の対話”を重ねたい。(轍)