〈世界青年学会 開幕キャンペーン〉 ルポ 福井を訪ねて2024年1月19日
- ■若い力を育むために――
- 総県男子部の会合参加者が2倍に
- 会いたくなる三方支部の創価家族
福井希望圏の男子部メンバーらが楽しく語らう(福井平和会館で)
実は近年、福井県への移住者が増えているんです。理由の一つが自治体による充実した支援制度なのだそう。2022年度に制度を利用した移住者は1229人で、07年度の集計以来、過去最多。その約6割が20代から30代です。一方で「少子高齢化」に伴う「人口減少」の課題は他府県と変わりません。福井総県の創価学会の友は、課題とどう向き合っているのでしょうか。この2年で会合参加者が2倍になったという総県男子部や、人口1万4000人弱の若狭町を舞台とする三方支部の創価家族を取材しました。(記事=大宮将之)
JR福井駅周辺の町並みを望む。かなたには、雪を冠した白山連峰が青空に映(は)えて
先生から学ぶ 青年から学ぶ
正月三が日が明けた4日夜、オンラインの画面上に次々と男子部員の顔が映し出されました。仕事から一目散と分かる友の姿も。福井総県男子部が毎週木曜に開催している「小説『新・人間革命』の読み合わせ会」です。この日、47回目を数えました。
始めた理由があります。「池田先生は福井の同志に『郷土のルネサンス(蘇生)を』と期待されました。福井を愛して行動する“新時代の山本伸一”を陸続と誕生させるには、『新・人間革命』を通して先生の心と振る舞いに触れ、学ぶ以外にないと決めたんです」(総県男子部長の大上信樹さん)
福井総県男子部が実施しているオンラインの読み合わせ会
当初の呼びかけは「各自で毎月1巻を読了しよう!」。すると、若いメンバーから“ホンネ”が届きました。「ただ『本を読もう』と言われても、それができるのは一部の人だけ。僕には無理です」
詳しい話をと、大上さんは友のもとへ。聞けば、趣旨は理解するものの「今の若い人は仕事や家庭のことで忙しい。その中で一人で本を読むのは……」と。大上さんは“上から目線の打ち出し”だったことを猛省。「どうすればいいかな」と率直に意見を求めたそうです。彼が提案したことこそ「読み合わせ会」でした。「みんなで一緒に行い、励まし合い、意義を確認し合いながらであれば、頑張れそうです」と。
各圏が持ち回りで読み上げを担当。その模様を録画し、仕事などで参加できない友と共有する。回を重ねるごとに参加者は増え、個人で読了を進める友も次々と。運動に伴い、日常の訪問・激励や対話拡大の熱量が高まりました。
若い世代の意見を反映した例は、これ以外にも。昼間の男子部の集いに家族連れで参加できるようキッズスペースを設けたり、会合の企画にゲームやスポーツの要素を取り入れたり。行政の賛同を得て、町の清掃活動も行うようになったのです。
昨年8月に福井市で実施した清掃活動。パートナーや子どもも一緒に参加して、楽しく
先月に敦賀市で行われた清掃活動
「地域の課題」は
「未来の可能性」でしかない
男子部の新しい挑戦を壮年・女性部のリーダーが最大に応援し、「青年から学ぼう」としていることも福井の強み。座談会における工夫をはじめ、若い世代との関わり方にも、“よりよい変化”をもたらしているといいます。男子部の会合参加者は2年で2倍に拡大しました。ある友は言います。「学会活動のことはもちろん、仕事や子育て、結婚や趣味のことまで、何でも話せる創価家族の存在がありがたい」
若者人口が減少する中で、どうすれば若者が住みたくなる地域をつくれるか。「地域の課題は“未来の可能性”でしかない。私たちが“課題解決のモデル”になればいい。郷土の幸福建設の主体者を育てることこそ、福井男子部の存在意義だ」――意気高く皆で語り合っています。
福井総県男子部の総会に集った友。会合は各圏が工夫を凝らしたアピールあり、バンド演奏ありと、にぎやかに(先月、鯖江平和会館で)
“本物の家族”以上に
福井県は「ふく育県」――“日本一幸福な子育て県”と掲げています。子育て支援の充実は当然として、地域全体で子ども・若者を温かく育む風土を、いかに守っていくか。ここにも一つの課題があります。
福井の景勝・三方五湖。若狭町と美浜町にまたがる五つの湖の総称である
本年1月1日の新年勤行会に参加した三方支部の友が記念のカメラに(敦賀文化会館で)
若狭町を舞台とする三方支部を取材すると、誰もが「未来部が一番大事!」と口をそろえます。まず理屈抜きで「子どもたちが大好き」。それと「私たちも未来部の頃に大切にしてもらって、今がある」という感謝があるからです。
支部で毎月、未来部員会を開き、7割以上のメンバーがきょうだいのように集います。毎年のように創価大学・女子短大に進む友がいるのも、こうした背景があるからかもしれません。
笑顔で輪を組み、カメラに向かって「いえーい!」(若狭町で)
池田華陽会の友に未来部時代の思い出を語り合ってもらいました。
「とにかく座談会が楽しくて」
「ちょっとしたことでも頑張ったり挑戦したりすると、地区の学会員さんがめちゃくちゃ喜んで褒めてくれた。本物の家族以上に(笑)」
「そうそう。みんな家族みたいだから、未来部コーナーでクイズを私たちで考えて出した時も、遠慮なしに関西弁でツッコんでくる。誰も答えられないと『難しすぎやわ!』。その逆だと『簡単すぎやで!』って(笑)」
敦賀圏・三方支部の池田華陽会の友が朗らかに(若狭町で)
つらい時、くるしい時に、必ず「会いたくなる創価家族」がいるというのも、三方の青年世代に共通した実感。親に勝るとも劣らない愛情で共に泣き、寄り添ってくれるのです。
青年部になって信心に消極的になることがあっても「あの“おっちゃん”、この“おばちゃん”から座談会に誘われたら断れない(苦笑)」という友も少なくありません。そして座談会に参加し、“懐かしい温かさ”に触れて再び発心するのです。
県外に進学・就職したものの、コロナ禍で職を失い、郷里に戻って再就職したという華陽会の友も「三方の変わらない安心感と居心地の良さ」を感じ、信心根本に頑張れるようになったと言います。
三方支部・五湖地区の座談会の大書き。子どもたちが毎月、作っている
仲良く楽しく愛情深く
青年を育てるには? 支部女性部長で、ヤング白ゆり世代でもある山本泰子さんに尋ねると「『育てよう』とするよりも、まず『仲良くなろう』『学んでいこう』とすることが大事じゃないでしょうか」と。
未来部も青年世代も同じ。共通の話題を見つけておしゃべりしたり、食事をしたり、楽しい時間を共にする中で仲良くなれる。相手から学んでいこうとするから、相手も学ぼうとする。そこに心が通う。その行動の根っこに「幸せになってほしい」との祈りと愛情深さがあるからこそ、励まし合える信頼関係も生まれていくのです。
池田先生が福井の友に贈った言葉があります。「夫婦 仲良く! 兄弟 仲良く! 同志 仲良く! 福井 仲良く!」――世界青年学会をわが地域に構築する出発点も、ここにあると思えてなりません。
三方支部の未来っ子たちと。創価家族の皆が「地域の子どもと青年は全員が“わが子・わが孫”」との思いを共有している(若狭町で)。この温かさに触れ、結婚を機に入会した女性部や男子部の友も。その男子部員は隣接する小浜市で、男子部大学校6期生として奮闘している
記念撮影を終えた後のひとコマ。スマホゲームも食事も、未来部員は仲良く一緒に
カレーライスと唐揚げを、おいしそうに
三方支部の広布の会場に集まった子どもたちが暖(だん)をとる
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