〈インタビュー〉 玉木宏さん主演 「ジャンヌの裁き」2024年1月18日

  • テレ東系 金曜 午後8時
  • 検察審査員となった少女漫画家・越前剛太郎役 玉木宏さん

 「検察審査会」を舞台にした、テレ東系で放送中の連続ドラマ「ジャンヌの裁き」(金曜、後8・0)。同審査会では、日本国民の中からランダムに選ばれた11人の審査員が、裁判所の任命を受けて、検察による不起訴処分が正しい判断だったかを審議する。本作では、その一員となった主人公の少女漫画家・越前剛太郎が、事件に隠された巨悪に立ち向かう姿が描かれる。主演の玉木宏さんに、作品の見どころなどを聞いた。

ヘアメーク/渡部幸也(riLLa) スタイリスト/上野健太郎

ヘアメーク/渡部幸也(riLLa) スタイリスト/上野健太郎

◆あなたは一人じゃないと思わせてくれる作品

 「検察側でも、法律の専門家でもない、一般人として演じるので、僕自身が疑問に思うことを“そのまま役柄とリンク”させています」
 
 検察審査員には、剛太郎の他、お高く止まる“ペルシャ猫”のようなネイルサロン経営者・甲野美弥(高岡早紀)や、すぐに他人の意見にかみ付く“犬”のような看護師・神山わこ(糸瀬七葉)など、個性豊かな登場人物がそろう。初めは皆、早く終わらせたい空気だったが、事案の進捗に伴い、徐々に変わっていく。
 
 「審査会のみんなが、一つの事案に対して一丸となっていくのかどうかの“心の揺れ”も楽しんでいただけると思います。地に足の着いた考えを持った人たちが集まり奮闘する姿に、勇気づけられる作品です」

 剛太郎は、かつてヒーロー漫画を描いていたが挫折。その後、少女漫画を描き始め、名が売れるようになる。家庭では、2人の子どもを育てるシングルファーザーだ。
 
 「少女漫画の世界を描ける人は、心優しい性格なのかと想像します。剛太郎はとても気は穏やかですが、優柔不断。自分のことなのに決められない臆病さには共感できないのですが(笑)。子ども思いで、他人にも優しいので、僕自身も“こうあれたらいいな”という思いはあります」
 
 そんな剛太郎だが、審査員として事件の真相に迫る時、「正義は今です!」との“決めぜりふ”を放つ場面もある。
 
 「非常に強い言葉なので、そこまで正義感の強くない剛太郎がすぐ使える言葉ではないと思っていて。監督と相談して、せりふのニュアンスも少し変えさせていただいたり、被害に遭われた方に寄り添うような落ち着いたトーンで言ったり、着地点を探りながら演じています」

 スマートさの中に“強さ”と“優しさ”を漂わせる玉木さん。長年にわたり、幅広い役柄を演じてきたが、俳優として常に心がけることがある。
 
 「ドラマを撮っていれば視聴者の方がいて、映画であれば見に来てくれるお客さんがいる。作品を通して“何を伝えたいか”を俯瞰して考える先に、“自分の役”というものがあると思っています」
 
 検察審査会は、不起訴処分となった事件の被害者の遺族らにとっては、最後に残された希望となる存在。本作では、審査員のそれぞれが仕事を持ちながらも“誰かのために”と労を惜しまず審議に臨んでいく。そんな姿を通して、玉木さんが訴えたいこととは――。
 
 「苦しいことがあったとしても、“自分は独りじゃないんだ”と思わせてくれるような作品として、見終わった後に心強い気持ちになってもらえたらうれしいです」

◆第2話(1月19日放送)あらすじ

 剛太郎(玉木=写真㊥)は、弁護士の近藤ふみ(桜井ユキ=同㊧)から、検察審査会で取り上げてほしい事件を告げられる。
 ――瀬川隆之(田島亮)は、自宅で首をつった状態の妻・しのぶ(朝見心)を発見。首に巻かれたロープは、瀬川が購入したもので、血液などが付着していたことから瀬川に嫌疑がかかる。しかし、しのぶの近くにあった遺書の筆跡などにより、自殺とみられ、不起訴に。それに対し、しのぶの母・榎本照美(藤田朋子)は再審査を申し立てていた。
 そんな中、剛太郎は帰宅途中に突然、東京地検特捜部長である桧山卯之助(田中直樹)から食事に誘われる。

©「ジャンヌの裁き」製作委員会

©「ジャンヌの裁き」製作委員会

◆プロフィル

 たまき・ひろし 1980年1月14日生まれ、愛知県出身。ドラマ「せつない」(98年)で俳優デビュー。2001年の映画「ウォーターボーイズ」などで注目を浴び、「雨鱒の川」(04年)で映画初主演を果たす。その後、歌手、映画監督など幅広く活躍。主な出演作に「のだめカンタービレ」シリーズ、「極主夫道」シリーズなど。あす19日に映画「ゴールデンカムイ」が公開。

 【記事】鈴木将大 【写真】工藤正孝 

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