〈インタビュー〉 「福田こうへい特別公演」2024年1月11日

  • 2月に大阪・新歌舞伎座、3月に東京・明治座

座長を務める福田こうへいさん

座長を務める福田こうへいさん

 今年、年男の民謡・演歌歌手の福田こうへいさんが、2月に大阪・新歌舞伎座、3月に東京・明治座で「福田こうへい特別公演」を行う。同公演は、芝居とコンサートの二本立て。過日の取材会で、座長として舞台に立つ心境や、ファンへの思いなどを語った。(記事=木村英治、写真=伊野光)

◆笑わせて、魅せて、泣かせたい

 「今ほど、お客さまが(舞台や音楽を)見ること、聴くことに長けている時代はないのではと思います。特に、私のお客さまは年配の方が多く、“見慣れ”“聴き慣れ”されている。お客さまでありながら、審査員のよう(笑)。だから当然、“怠け”は通じないんです」

 第一部は、股旅物の時代劇として知られた名作「鯉名の銀平『雪の渡り鳥』」。福田さん演じる主人公・銀平の成長のほか、自己犠牲の尊さ、はかなさなどを描く。福田さんの殺陣さばきも見どころの一つ。

 「殺陣は、一昨年の公演が初めて。不安の中で稽古を重ねていたのですが、(緊張のあまり)寝ながら立ち回って部屋の壁に頭をぶつけていました(笑)。でも、そういう緊張感は、上達してからも大事。慣れてはいけないと思います」

 第二部のコンサートでは、代表曲「南部蝉しぐれ」や、今月1日にリリースした新曲「庄内しぐれ酒」などを披露する予定。民謡日本一にも輝いた、その確かな歌声は、年を重ねてより一層、味わいと深みを増している。

 「曲順が大事なので、構成には気を配っています。歌い方では、こぶしや抑揚、それに“押し引き”。同じ歌い方では、3曲で飽きてしまう。だから“絶対に飽きさせない”と心に期しています」

 福田さんが演技や歌と同様に力を入れているのが、観客との触れ合いだ。

 「お客さまの中には、付き添いの方と来られ、『今日が最後かもしれない』と言われる人もいらっしゃいます。たとえ、一期一会であったとしても、“もう一度、来たい”と思っていただける『種』を持ってお帰りいただきたい。そのために、懸命につとめてまいります。笑わせて、魅せて、泣かせたい」

 取材中に幾度も「お客さまのために」との言葉が。そして、最後に「いつもお客さまを見つめながら歌っています。お顔を覚えると、大変に喜んでくださるんです」と、柔和にほほ笑んだ。

 ふくだ・こうへい 1976年9月21日生まれ、岩手県出身。2012年に「日本民謡フェスティバル」でグランプリを受賞。同年、「南部蝉しぐれ」でメジャーデビュー。13年、「NHK紅白歌合戦」に初出場。20年に「輝く!日本レコード大賞」最優秀歌唱賞を受けた。
 
 

◆公演情報
 

 
【大阪公演】日程・会場=2月9日(金)~23日(金・祝) 新歌舞伎座 ※日により公演回数は異なる。15日(木)は貸し切りのみ。16日(金)は休演。
料金〈昼の部〉=1階席1万2500円、2階席6000円、3階席3500円、特別席1万3000円(税込み)
問い合わせ=新歌舞伎座テレホン予約センター 06(7730)2222

【東京公演】日程・会場=3月8日(金)~31日(日) 明治座 ※日により公演回数は異なる。12日(火)、15日(金)は貸し切りのみ。18日(月)、25日(月)は休演。
料金〈昼の部〉=S席1万2500円、A席6500円、B席3500円(税込み)
 
問い合わせ=明治座チケットセンター 03(3666)6666

※両公演ともに〈夜の部〉あり(別料金)

 【大阪公演】公式ホームページはこちら

 【東京公演】公式ホームページはこちら