〈第1回本部幹部会〉 海外活動体験 韓国SGI 金孝鎮青年部長(要旨)2024年1月8日

  • 5万人の結集で師弟のバトンを継承

 一、このたび、韓国SGIの青年部長に任命いただいた金孝鎮です。SGI発足50周年の2025年、学会創立100周年の2030年に向け、「立正安世界」の実現へ全力で走り抜いてまいります。

 私は祖母から純粋な信心を受け継いだ母、地道な活動を貫く父のもとに生まれました。父が営んでいた縫製工場は順調で何不自由ない生活を送っていました。

 ところが、取引先の倒産で父の事業が破綻。自宅へ借金取りが押し寄せる状況に暮らしは一変しました。

 父と母は飲食業、清掃業など、さまざまな仕事をしながら、宿命転換のために一歩も引かずに信心に取り組みました。弟も含めて家族4人、広い家から1部屋だけのアパートに引っ越すことになりました。

 経済的には大変でしたが、それでも御本尊を真ん中にした、いつも温かく幸せな家族でした。

 10年の苦節の末、新しい家に引っ越すことができ、笑い合いながら晩ご飯を食べた日の喜びは、今も胸に焼き付いています。

 一、私自身も信心で、さまざまな困難を乗り越えてきました。韓国は受験競争の厳しさが有名で、受験生は塾通いが当然です。ところが、私は経済的な理由から塾通いはおろか、参考書の購入もままならない状況で、大学受験に失敗。浪人生活を経験しました。

 それでも絶対に環境のせいにはしたくないと、朝は唱題から出発し、昼は図書館での勉強、夜は男子部“1年生”としての学会活動、牙城会の任務に全力で挑戦しました。小説『人間革命』も学び、山本伸一と共に戦う思いで全巻を読了した1年後、見事に志望校に合格することができました(拍手)。

 大学卒業時も、若者の就職難が深刻で不採用が続きましたが、常に唱題根本で取り組みました。

 そんな中、大学の専攻分野を生かせる知的財産権を扱う業界ナンバーワンの特許法人の書類選考にパスし、採用面接にこぎつけました。面接会場にいたのは大学院卒や海外留学経験者ばかり。気後れしそうになりましたが、“ここは学会の座談会の場だ”と自分に言い聞かせました。

 すると、面接官がブロック長や白ゆり長に見えてきて、明るい笑顔で受け答えすることができました。

 面接では「人生の価値観はありますか」と質問されました。「私には池田大作という人生の師匠がいます。池田先生から教わったことは『誠実』と『3倍努力』です」と答えました。

 1週間後、部員宅へ家庭訪問に向かう道すがら、採用の連絡をいただくことができました(拍手)。しかも配属先は、花形の海外担当部署でした。勤務はフレックスタイム制で、会社は会館のすぐ近く。男子部の活動にも思う存分、取り組むことができました。

 採用の理由を人事担当の方に伺うと、「『今どき、人生の師匠がいて、3倍努力と言い切れる青年は少ない。彼を選ぶべきだ』と社長が言ったからですよ」と教えていただきました。

 師弟と広布に生き抜く人生に限界の壁などない――このことを深く実感しています。

韓国をはじめ、来日したSGIのリーダー。アメリカやブラジルは「青年10万人」の結集を目指して前進。欧州、アジアでも青年が躍動する。5月には日本の青年部が韓国・済州島を訪れ、青年交流を行う(東京戸田記念講堂で)

韓国をはじめ、来日したSGIのリーダー。アメリカやブラジルは「青年10万人」の結集を目指して前進。欧州、アジアでも青年が躍動する。5月には日本の青年部が韓国・済州島を訪れ、青年交流を行う(東京戸田記念講堂で)

 一、昨年は、池田先生が韓国SGI本部を訪問されてから25周年でした。この節目を勝利で飾ろうと各部一体で戦い抜き、2万7000人の新入会者が誕生しました。広宣流布大誓堂完成10周年の「11・18」を目指して、新入会者と共に大座談会運動を展開。新たな青年が一人参加するだけで、地区には、こんなにも歓喜と前進の息吹がみなぎるのかと、皆が学会伝統の座談会の素晴らしさを改めて実感しました。

 そうした中で池田先生の訃報を伺い、韓国青年部にも驚きと深い悲しみが広がりました。しかし、時を経るごとに、その思いは大きな感謝と一人立つ決意へと変わっていきました。“永遠に指揮をとる”と言ってくださった先生と共に、断じて世界青年学会を築こうと皆が奮起しました。

 韓国社会からも尹大統領をはじめ、名だたる識者・要人から続々と先生への真心こもる弔意が届けられました。韓国を「文化大恩の国」と語り、人間主義の哲学によって友情を広げてくださった先生のおかげで、偏見と迫害の中で戦った草創の同志の労苦は、一切が栄光の広布史と花開きました。この栄光の広布のバトンを私たちは決然と受け継いでいきます。

 バトンを渡すランナーと受け取るランナーの呼吸がぴったり合った時、最高のスピードが出るように、どこまでも先生に呼吸を合わせ、全速力で使命の舞台を駆けていきます。

 一、「世界青年学会 開幕の年」、韓国青年部は師弟不二の前進で、1万人の青年世代の折伏を成し遂げ、必ずや世界の模範となる青年の連帯を構築します。さらに池田先生の青年部の室長就任70周年の3月には「世界青年座談会総会」を開催。5万人の青年部・未来部を結集し、師弟と信心を厳然と継承していく決意です。

 韓国はどこまでも永遠の師匠と共に戦い、勝利の実証を示し切る弟子の報恩の大道を、決然と歩み抜いていきます(拍手)。