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創価大学学生訪中団リポート2023年10月22日

 9月2日から8日まで、創価大学の学生代表訪中団が、中国の北京市、上海市、天津市を訪れた。これは、中日友好協会の招へいによるもので、創大生や短大生、教職員らの代表約100人が参加。現地の学生との交流などを行った。ここでは、訪中団に参加した2人の学生の声を掲載する。 

岡田伸夫さん 理工学部4年
本質を見極める見識をつけたい

 今回の訪中では、万里の長城や周恩来鄧穎超記念館の見学、上海での東方明珠遊覧船への乗船など、多くの思い出を築かせてもらいました。その中でも特に二つの出来事に心が揺さぶられました。 

 一つ目は、「中国人民抗日戦争記念館」を訪れたときです。記念館には、日中の悲惨な戦争の歴史、また想像を絶する写真などが展示されており、生命を軽視する戦争の悲惨さをまざまざと感じました。そうした歴史を踏まえ、創立者・池田先生は、日中友好そして世界平和のための行動を続けてこられました。記念館の見学を通して、創立者がどれほど深い決意で日中友好を進めてこられたかを改めて考える契機になりました。創大生の一人として、生命尊厳の思想を広めゆこうと思います。
 
 二つ目は、中日友好協会歓迎会での同協会の程永華常務副会長のお話です。程常務副会長は、日中国交正常化後の1975年、中国政府が日本に派遣した初めての国費留学生の一人です。2010年から19年までは駐日大使を務められました。講演で程常務副会長は、現在の日中関係の背景には「新型コロナウイルス等により情報が正しく伝わらない状況」があると指摘。「百聞は一見に如かず」を忘れず「真実の中国を見てほしい」と語られていたことが印象的でした。
 
 現在、インターネットには真偽の定かでない情報があふれています。そうした情報に踊らされず、物事の本質は何かを自分で考え、行動する。そうした姿勢は、池田先生が日中友好のために常に大切にされてきた姿勢でもあると思います。私自身もさらに見識を深めていこうと決意を新たにしました。
 
 残念ながら日中関係には、いまだに多くの課題があります。創立者が築いてこられた“金の橋”をより強固にしていくには、私たち青年世代が英知を磨き、行動を起こしていくことが不可欠です。
 
 これからも、日中関係のさらなる発展をはじめ、世界平和に貢献する人材になるべく、目の前の課題に挑戦していきます。
 

芳村梨沙さん 文学部4年
目の前の一人を大切にする精神学ぶ

 創立者が必死の思いで開いてこられた日中友好の道を、より堅固なものにしたいと考え、大学入学後から中国語の学習を続けてきました。大学2年時からは、2年間北京に留学する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響によりオンライン留学に。1度も現地で学ぶことができないまま終えました。
 
 そのような中での念願の訪中でした。見るもの、聞くもの、食べるもの全てから中国の文化を感じ、留学中に画面上で学んだことを現地で体感し、“点と点が線でつながる瞬間”も多くありました。
 
 今回の訪中では、北京大学、上海師範大学、南開大学、天津外国語大学の四つの大学の学生との交流が一番印象に残っています。日中関係が不安定な状況下での訪問だったため、私自身、少なからず不安や緊張感がありました。しかし、交流を深める中で、お互いに夢を持って勉学に励んでいる学生同士であり、“国の違い”が“人の違い”ではないことを強く実感しました。
 
 また、中国舞踊の鑑賞や、お互いの国の歌を披露する機会を通して、言語の違いを超えて、人の心を動かす文化の偉大さを感じました。国という大きな単位で判断して自分の目の前にいる人もこういう考えなのだろう、と安易に決め付けず、目の前の一人との心と心の交流が自分たちにできる最高の平和行動だと確信しました。短い期間ではありましたが、別れを惜しむほど話が盛り上がり、帰国後もSNSでの交流を続けています。
 
 1968年、創立者は学生部総会の席上で日中国交正常化提言を発表され、その後も周恩来総理をはじめ中国の多くの方と対話されてきました。創立者の日中友好の軌跡を通し、どこまでも目の前の一人を大切にする精神を学びました。これからも語学をはじめ学び続ける向学心を持ち、そして、国籍や人種に関係なく、目の前の一人を幸せにできる人に、そして日中友好の金の橋をより堅固なものにしゆく人に成長します。