〈紙上教学研さん 御書根本の大道 池田大作先生の講義に学ぶ〉 師弟一体の祈り2023年10月21日

 今回の「御書根本の大道 池田大作先生の講義に学ぶ」は、竹内東京長の担当で、『調和と希望の仏法』を研さんします。

勇気の指標 『調和と希望の仏法』から

 「心こそ大切」の「心」とは、「師弟不二の心」であるということです。
 師匠は常に弟子の勝利を祈ってくれている。弟子が今こそ、強盛な信心を奮い起こしていきなさいと教えられているのです。どこまでも「師弟不二の心」で、「師弟一体の祈り」を貫き通していくことこそ、いかなる苦難や困難をも勝ち越えゆくための信心の要諦なのです。また、ここに「法華経の兵法」の肝要があります。反対に、師弟の祈りが一致しなければ、真の力は出せません。
  
 師匠の「心」「祈り」の根本とはそもそも何か。それは師匠自身の「誓願」ともいえるでしょう。すなわち、末法の一切衆生を救済しゆくために大聖人が打ち立てられた「広宣流布の大誓願」にほかなりません。
 「日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか」(全1360・新1791)と仰せのように、大聖人の大誓願をわが誓願として、民衆の幸福のために不二の心で立ち上がる人が「地涌の菩薩」です。「誓願の祈り」が、「誓願の人生」を築くのです。
 現代において、この御聖訓の通りに、広宣流布のために立ち上がったのが、先師・牧口先生、恩師・戸田先生です。創価学会は、この偉大な師弟の誓願から出発したのです。
  
 「師弟」とは、目覚めた民衆の陣列を築く、師匠の「精神」と「行動」を共戦の弟子が継承していくことなのです。

1万5000人が集った足立区友好総会(1981年10月25日、創価大学で)。池田先生は厳然と語った。「いかなる迫害にも、私は不動である。何も恐れない! 私は戦う! そして、皆様の信心が盤石であるかぎり、学会は盤石である!」

1万5000人が集った足立区友好総会(1981年10月25日、創価大学で)。池田先生は厳然と語った。「いかなる迫害にも、私は不動である。何も恐れない! 私は戦う! そして、皆様の信心が盤石であるかぎり、学会は盤石である!」

2017年6月6日、荒川の地を訪れた池田先生が、西日暮里駅付近をカメラに収めた。写真の中央付近には、「夏季ブロック指導」の拠点となった個人会場があった。先生は当時を振り返り、語っている。「どこよりも“広布共戦”の荒川たれ。私とともに“師弟の道”を貫く荒川たれ」

2017年6月6日、荒川の地を訪れた池田先生が、西日暮里駅付近をカメラに収めた。写真の中央付近には、「夏季ブロック指導」の拠点となった個人会場があった。先生は当時を振り返り、語っている。「どこよりも“広布共戦”の荒川たれ。私とともに“師弟の道”を貫く荒川たれ」

「師匠と共に戦う弟子」に

竹内一彦 東京長

 この10月、東京の多くの地域が「区の日」等を記念する月間を驀進中です。
 私が総合長を務める足立総区でも、10月25日に「足立広布 師弟原点の日」を迎えます。1981年(昭和56年)のこの日、創価大学で行われた足立区友好総会で、池田先生は語られました。
 「大切な皆さん方の避雷針として、難を全て受けるようにと私は祈ってきた。これからも祈っていきます!」
 師匠の師子吼は足立の同志の胸中を貫き、第1次宗門事件からの、反転攻勢の炎となって、日本中に広がりました。
 “師と共に戦う!”との祈りと行動によってこそ、あらゆる魔性を吹き飛ばし、広布の新時代を開くことができます。「四条金吾殿御返事」を拝し、強盛なる祈りを根本に、前進の勢いを倍加させていきましょう。
  
 私たちの祈りの要諦は何か。先生は本抄を講義され、次のように教えてくださっています。
 「最初は“自分のための祈り”だったものが、そのまま“師と同じ誓願の祈り”へと発展していく。それは『師匠に守られる弟子』から、『師匠と共に戦う弟子』への一大転換劇ともいえるでしょう」
 私が生まれ育った荒川区にも、師弟の原点が輝いています。
 57年(同32年)7月、大阪事件で無実の罪で捕らわれた先生は、出獄から間もない翌月、真っ先に荒川の地に入られました。庶民群の中に飛び込み、わずか1週間の夏季ブロック指導で、弘教の金字塔を打ち立ててくださったのです。
 それは、永遠に崩れぬ民衆城を築くための闘争の第一歩でもありました。
 先生は、83年(同58年)2月10日には「荒川の日」記念幹部会に出席。“一人一人が身近なところで地道に仏法の正しさを証明していく中に広布の方程式がある”と指導を。さらに、「庶民のなかの一番の庶民が荒川の皆さんです」「荒川は私を守ってください」と荒川の同志に深い信頼を寄せられました。高校2年だった私も参加させていただき、“師弟に生き抜く人生を”と決め、戦ってきました。
 先生はかつて、恩師・戸田先生の指導を通して教えてくださいました。
 「権力の魔性との戦いは、題目をあげなければ勝てないんだよ」
 障魔を断固と打ち破る祈り。広布と立正安国を前進させゆく祈り――この師弟不二の祈りの重要さを、先生は一貫して私たちに打ち込んでくださいました。
  
 今こそ、“師弟一体の題目”のうねりを巻き起こす時です! 信心の要諦を胸に、各地の友が、勇気の対話拡大に躍動しています。
 「“この身体”でも必ずできることがある。いよいよの決意で頑張りますよ!」――そう元気に語るのは、足立戸田区の太陽会の大先輩。糖尿病の影響で左脚を切断し、3年前には右脚も。車イスでの生活になりましたが、心は一歩も退きませんでした。聖教新聞に掲載される「わが友に贈る」や「寸鉄」などをきれいに装丁してカードを作成。同志や友人に手渡しながら、希望の語らいを広げる日々。地域の黄金柱として、大きな信頼を寄せられています。
 荒川戸田区のあるヤング壮年部の友は大手不動産会社で営業を担当。3年前には最優秀営業賞、社長賞を受賞し、さらにこの8年間で全社トップの営業成績を出すことができました。彼の心には、この8月に亡くなった父の姿が。先生一筋を貫いたその志を継ぎ、支部長として対話拡大に率先。ヤング壮年部の本部の責任者としても励ましを広げる彼は、力強く語っています。「“君よ、妙法という哲理を証明する一生を”との先生の指導を胸に、職場で、学会活動で必ず勝利します」
 さあ、「世界青年学会」を築くのは、青年の息吹で進む私たちの熱意と行動です。
 「万年の創価の勝利を決せんは 本陣・東京の責務なり」――この師匠のご期待に応え、本陣・東京の一人一人が総立ちとなり、異体同心の団結で進む時、破れない壁はありません。「誠意をもって語り抜けば、必ず相手の心は変わる」との先生の指導を胸に、対話拡大の勝利劇をつづっていきましょう。

四条金吾殿御返事

 ただ心こそ大切なれ。いかに日蓮いのり申すとも、不信ならば、ぬれたるほくちに火をうちかくるがごとくなるべし。はげみをなして強盛に信力をいだし給うべし。(新1623・全1192)

メモ

 弘安2年(1279年)の御述作。別名「法華経兵法の事」。強盛な信心があれば、すべての敵を打ち破ることができることを教えられている。