VOD新番組に収録された池田先生の指針――君よ 広宣流布の闘士たれ!2023年9月18日

  • 「強い人」に 「幸福な人」に
  • 喜び勇んで苦難に挑む志を

 池田先生のスピーチを収録した新番組「『強き人』が『幸福の人』」が、SOKAチャンネルVOD(ビデオ・オン・デマンド)に追加された。内容は、1994年3月に行われた第75回本部幹部会でのスピーチである。地涌の若人を先頭に、広宣流布大誓堂完成10周年の「11・18」へ、勢いよく前進する同志への指針として、その要旨を掲載する。
 ※VOD番組の時間は9分、番組コード=AC18。VODが利用できる会館等や「SOKAチャンネル モバイルSTB」で視聴可能。モバイルSTBで視聴する際は、インターネットを通してダウンロードが必要です。「SOKAnet会員サポート」では、VODの同番組は視聴できません。

1994年3月に行われた本部幹部会でスピーチする池田先生(東京の創価国際友好会館〈当時〉で)

1994年3月に行われた本部幹部会でスピーチする池田先生(東京の創価国際友好会館〈当時〉で)

 「幸福な人」とは、どういう人か。結論的に言えば、それは「強い人」である。
 
 強い人は、何でも楽しめる。何かあればあるほど、ますます強くなっていく。
 
 日蓮大聖人は「兄弟抄」に「石はやけばはいとなる金は・やけば真金となる」(全1083・新1474)――石は焼けば灰となる。金は焼いて精錬すれば、いよいよすばらしい金となる――と仰せである。
 
 これが道理である。人間も同じである。
 
 強き“金の人”は、勝って真金となる。苦労に勝ち、戦いに勝ち、あらゆる迫害に勝って、いよいよ強くなる。一切の苦しみ、苦労を、全部、自分の栄養にできる。
 
 「煩悩即菩提」と、大聖人は仰せである。ゆえに、幸福になるために、喜んで苦難に立ちむかう。勇んで立ち上がり、迫害に挑戦する――そこに煩悩即菩提で、本当の強い幸福が生まれ、固まっていく。これが、仏法の真髄の生き方である。

「11・18」へ、はつらつと前進を誓う第15回本部幹部会の参加者。会合の席上、VOD新番組「『強き人』が『幸福の人』」が上映された(今月2日、巣鴨の東京戸田記念講堂で)

「11・18」へ、はつらつと前進を誓う第15回本部幹部会の参加者。会合の席上、VOD新番組「『強き人』が『幸福の人』」が上映された(今月2日、巣鴨の東京戸田記念講堂で)

 生命力にあふれた「強い人」は、苦しみや悲しみをも、“幸福の要素”にしてしまう。いわんや仏法上の労苦は、「永遠の生命」に「永遠の幸福」を刻みゆく。
 
 活動においても、仕事においても、生きることは、ある意味で、悩みの連続である。それらを全部、幸福の要素、幸福の原因に変えられる不思議の法が「妙法」である。
 
 妙法は宇宙と生命の「永遠不滅の法」である。この法に「幸福の秘術」がある。
 
 ゆえに、うんと苦労することである。
 
 悲しみは避けられない。
 
 苦しみは避けられない。
 
 戦いは避けられない。
 
 諸君にも、いろいろな苦労があるにちがいない。
 
 苦労したほうがいい。全部、自分のためになる。
 
 ともあれ、一切が「自分を強くしていけるチャンス」である。“全部、自分のためだ”“もっと苦労しよう”“なんでも来い!”――このように生き生きと、闊達に生きていける青年になってほしいと私は願う。

第15回本部幹部会に参加した未来部の友が喜びにあふれて(今月2日、巣鴨の東京戸田記念講堂で)

第15回本部幹部会に参加した未来部の友が喜びにあふれて(今月2日、巣鴨の東京戸田記念講堂で)

人材育成の鉄則

 さて、クラーク博士(1826~86年)といえば、「青年よ、大志を抱け」の言葉で有名である。博士は、札幌農学校(現・北海道大学)で、人材を育てた。
 
 日本にいたのはわずか10カ月。教壇に立った時間は限られていた。
 
 私も、青年部の諸君に対しては、いちいち指導して甘やかしたくない。すでに原理原則は全部、教えてある。あとは諸君が自分で何をするかである。
 
 クラーク博士は、どうやって、人を育てたのか。有名なエピソードがある。(以下、大島正健『クラーク先生とその弟子たち』新地書房などから引用・参照)
 
 農学校の開校にさいし、「校則」を決めることになった。参考の案が持ちよられ、第一条何々、第二条何々……と、延々と事務当局者によって読みあげられた。
 
 聞き終えたクラーク博士は、“そんなことで、人間がつくれるものではない”と、まっこうから反対した。
 
 「今後自分が諸君に臨む鉄則は只一語に尽きる。“Be gentleman”(=ビー・ジェントルマン〈紳士たれ〉)。これだけである」
 
 「自分の良心に従って行動するのである」
 
 私どもでいえば、自分自身の「信心」によって行動することである。こうして、自分で自分を律する気風ができていった。
 
 ただ一言、「ジェントルマンたれ」と教えた、そのなかに人材育成の「無量の種子」が入っていたのである。
 
 今、私も、ただ一言、言いのこしておきたい。「広宣流布の闘士たれ」と。

未来部の代表らの満面の笑みと盛大な歓声で迎えられた、44カ国・地域の青年リーダーたち(今月2日、巣鴨の東京戸田記念講堂で)

未来部の代表らの満面の笑みと盛大な歓声で迎えられた、44カ国・地域の青年リーダーたち(今月2日、巣鴨の東京戸田記念講堂で)

王道を生きぬけ

 「創価学会は宗教界の王者である」――。「3・16」に永遠に刻まれた、戸田先生の獅子吼である。この「王者」の誇りを決して失ってはならない。
 
 では、「王」とは何か。
 
 中国の歴史書『史記』には、「王者は民人を以て天と為す」(王者は民衆を天のごとく敬う)とある。
 
 王者とは、民衆を「天のごとく」最も大切にできる人間である。
 
 御書にも、「王は民を親とし」(全1554・新1886)と仰せである。
 
 民衆が王を大切にするのではない。王が民衆を敬い、最大に大切にしていくのである。これが道理であり、また仏法のとらえ方である。創価学会は、庶民を根本としている。庶民をだれよりも大切にしている。そして庶民と一緒に進んでいる。これが真の「王者」のいき方である。
 
 私どもは、だれが何と言おうとも“わが道”を行く。学会は、どこまでも庶民の中で、苦しんでいる人、悲しんでいる人、不幸な人の味方となってきた。だからこそ、学会は「王者」となった。このことを、私は強く訴えておきたい。
 
 諸君は若き「王者」である。「王子」であり「王女」である。ゆえに王道に生きぬいていただきたい。
 
 “会員がすべて”“会員が大切”“民衆がすべて”“民衆が大切”――永遠にこの精神で進んでいただきたい。この道こそ、「王者の道」である。「幸福の道」である。「勝利の道」である。

第15回本部幹部会で、軽快な演奏を披露する音楽隊・創価グロリア吹奏楽団と鼓笛隊・創価シャイニングスピリッツ。発表55周年の「今日も元気で」と40周年の「21世紀のマーチ」の学会歌メドレーを奏で、大きな拍手が送られた(今月2日、巣鴨の東京戸田記念講堂で)

第15回本部幹部会で、軽快な演奏を披露する音楽隊・創価グロリア吹奏楽団と鼓笛隊・創価シャイニングスピリッツ。発表55周年の「今日も元気で」と40周年の「21世紀のマーチ」の学会歌メドレーを奏で、大きな拍手が送られた(今月2日、巣鴨の東京戸田記念講堂で)